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暖炉
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ストーブ
ふりがな文庫
“
暖炉
(
ストーブ
)” の例文
旧字:
暖爐
「——それから検事さん」と帆村は紅茶を一口
啜
(
すす
)
らせてもらっていった。「あの大
暖炉
(
ストーブ
)
のなかから出てきた屍体のことは分りましたか」
蠅男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ホッと息を
吐
(
つ
)
いた彼れは直ちに
衣服
(
きもの
)
を脱ごうとして例の通り、寝床へ入る前に懐中しておるものを一々取り出して
傍
(
そば
)
の
暖炉
(
ストーブ
)
の上に置いた。
水晶の栓
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
暖炉
(
ストーブ
)
の中からソーッとここへ出て来て、この椅子に腰を卸しながら、君がその遺言書を読み終るのを待っていた訳なんだが……。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
煙草入
(
たばこいれ
)
にも入れてなく、
嚢
(
ふくろ
)
にも入れてなくして、
暖炉
(
ストーブ
)
枠の上、食器棚の上、ピアノの上
等
(
とう
)
至る所に
一塊
(
ひとかたまり
)
づゝにして載せてある。
作男・ゴーの名誉
(新字新仮名)
/
ギルバート・キース・チェスタートン
(著)
同胞兄弟です、僕は
彼
(
あ
)
の
暖炉
(
ストーブ
)
に燃え盛る
火焔
(
くわえん
)
を見て、無告の坑夫等の愁訴する、
怨恨
(
ゑんこん
)
の舌では無いかと
幾度
(
いくたび
)
も驚ろくのです
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
▼ もっと見る
暫時
(
しばらく
)
其処の
暖炉
(
ストーブ
)
にあたつて、濡れた足袋を赤くなつて燃えて居る
暖炉
(
ストーブ
)
に
自暴
(
やけ
)
に
擦
(
こす
)
り付けると、シユッシユッと厭な音がして、変な
臭気
(
にほひ
)
が鼻を
撲
(
う
)
つ。
病院の窓
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「お前さんの荷物はみんな屋根部屋の方へ片づけさせておいたから、何処かにあるだろうよ。誰か見にやりましょう。まア
暖炉
(
ストーブ
)
の
傍
(
そば
)
へ来ておあたりよ」
碧眼
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
フランクリンはにやにや笑ひ笑ひ、隅つこの椅子を立つて
暖炉
(
ストーブ
)
の
側
(
そば
)
へ往つた。そして、
好
(
い
)
い気持に手足を拡げて、
霊魂
(
たましひ
)
が息を吹きかへすまで暖まつた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
私は、青い焔をあげて勢よく燃えさかっている
暖炉
(
ストーブ
)
の前へ、椅子を寄せて、うつらうつら煙草を燻らしていた。
日蔭の街
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
母
(
はゝ
)
は、
父
(
ちゝ
)
が、
其
(
そ
)
の
木像
(
もくざう
)
の
胴
(
どう
)
を
挫折
(
ひしを
)
つた——
其
(
それ
)
が
又
(
また
)
脆
(
もろ
)
く
折
(
を
)
れた——のを
突然
(
いきなり
)
頭
(
あたま
)
から
暖炉
(
ストーブ
)
へ
突込
(
つゝこ
)
んだのを
見
(
み
)
たが、
折口
(
をれくち
)
に
偶
(
ふ
)
と
目
(
め
)
が
着
(
つ
)
くと、
内臓
(
ないざう
)
がすつかり
刻込
(
きざみこ
)
んであつた。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
渋谷
(
しぶや
)
の美術村は、昼は
空虚
(
からっぽ
)
だが、夜になるとこうやってみんな
暖炉
(
ストーブ
)
物語を始めているようなわけだ。
其処
(
そこ
)
へ目星を打って来たとは
振
(
ふる
)
っているね。考えてみれば
暢気
(
のんき
)
な話さ。
不吉の音と学士会院の鐘
(新字新仮名)
/
岩村透
(著)
招じられた客間は、ふかふかした
絨毯
(
じゅうたん
)
、大きな
暖炉
(
ストーブ
)
に、火が赤々としていた。
江木欣々女史
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
暖炉
(
ストーブ
)
のやうに、木柵を飛び越えて遠くへ疾走してゆくのでありました。
測量船拾遺
(新字旧仮名)
/
三好達治
(著)
ああ冬の夜ひとり汝がたく
暖炉
(
ストーブ
)
の静こころなき吐息おぼゆる
桐の花
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
彼はムックリ起き上って
暖炉
(
ストーブ
)
の上へ手をかけた。と同時に
呀
(
あ
)
ッ! と叫んだ。不思議、水晶の栓は跡形もなく消えて無くなった。
水晶の栓
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
自分の考えを踏み締めるように両手を
背後
(
うしろ
)
に組んで、一足一足に力を入れて、大
卓子
(
テーブル
)
と大
暖炉
(
ストーブ
)
の間の狭いリノリウムの上を往復し初めた。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
独語
(
ひとりごと
)
を言ひ言ひ
内部
(
なか
)
に入つて来た。見ると
暖炉
(
ストーブ
)
の
周囲
(
まはり
)
には、
先客
(
せんかく
)
がどつさり寄つて
集
(
たか
)
つて火いきれに
火照
(
ほて
)
つた真赤な顔をして、何かがやがや話してゐた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
暖炉
(
ストーブ
)
に火を入れてイザ取敢へずと盃が廻りはじめる。不調法の自分は頻りに煙草を吹かす。話はそれからこれへと続いたが就中の大問題は僕の頭であつた。
雪中行:小樽より釧路まで
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
細長い大きな部屋の一隅にホロホロと
暖炉
(
ストーブ
)
を焚いて深い
凭
(
より
)
椅子に埋まっていた老人は、私を見ると杖を挙げて
日蔭の街
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
「だって解るでしょう。お父さんには、貴女との固い約束を破って旅に出るような特殊事情があったのです。そして留守の屋内の
暖炉
(
ストーブ
)
の中に一個の
焼屍体
(
しょうしたい
)
が残っていた」
蠅男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
とう/\
其
(
そ
)
の
彫像
(
てうざう
)
を——
何
(
なん
)
です——
父
(
ちゝ
)
が
暖炉
(
ストーブ
)
に
燻
(
く
)
べて
焼
(
や
)
いたまでも
分
(
わか
)
らなかつたんです。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
不思議の謎を解きたいのは山々だが余りに疲労してこれ以上考えるに
堪
(
た
)
えないので彼は問題の栓を
暖炉
(
ストーブ
)
の上に置いて、そのまま寝床へ入った。
水晶の栓
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
途中目についたのは、雪の深いことと地に達する
氷柱
(
つらら
)
のあつた事、凍れるビールを
暖炉
(
ストーブ
)
に解かし、鶏を割いての楽しき晩餐は、全く自分の心を温かにした。
雪中行:小樽より釧路まで
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
一歩もこの室から出ないまま誰にも気付かれないように消え失せた……というと何だか又精神科学応用の手品じみて来るが、そんな事じゃない。種というのはこの大
暖炉
(
ストーブ
)
だ。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
警官の挙手の礼をうけて、室内に入った署長は、そのとき室内に、異様の風体の人間が、火の消えた
暖炉
(
ストーブ
)
の傍にすりよって、後向きでなにかしているのを発見して、
呀
(
あ
)
ッと愕いた。
蠅男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
あゝ、それぢや、
木彫
(
きぼり
)
の
美人
(
びじん
)
が、
父
(
ちゝ
)
のナイフに
突刺
(
つきさ
)
されて、
暖炉
(
ストーブ
)
の
中
(
なか
)
に
焼
(
や
)
かれた
時
(
とき
)
まで、
些
(
ちつ
)
とも
其
(
そ
)
の
秘密
(
ひみつ
)
を
明
(
あ
)
かさなかつた、
微妙
(
びめう
)
な
音
(
ね
)
のしたものは、
同一
(
おなじ
)
、
此
(
こ
)
の
采
(
さい
)
であつたかも
知
(
し
)
れない。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其硝子一重の外を知らぬ気に、車内は
暖炉
(
ストーブ
)
勢ひよく燃えて、冬の旅とは思へぬ暖かさ。東泉先生は其肥大の躯を白毛布の上にドシリと下して、心安げに本を見始める。
雪中行:小樽より釧路まで
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
主筆は例の如く少し曲つた広い背を
此方
(
こつち
)
に向けて、
暖炉
(
ストーブ
)
の
傍
(
わき
)
の窓際で新着の雑誌らしいものを読んで居る。「何も話して居なかつたナ。」と思ふと、野村は少し安堵した。
病院の窓
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
自分は此学校の一年生の冬、百二十人の級友に唯二つあてがはれた
暖炉
(
ストーブ
)
には、力の弱いところから近づく事も出来ないで、よく此竈の前へ来て昼食のパンを
噛
(
かぢ
)
つた事を思出した。
葬列
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
“暖炉”の意味
《名詞》
暖炉(だんろ)
火を焚いて室内を暖めるための炉。
(出典:Wiktionary)
“暖炉”の解説
暖炉(だんろ、煖炉とも、Fireplace)とは、室内に作りつけられた暖房装置の一種である。暖房としての役割は副次的または無く、主に部屋の装飾として設置される場合もある。
(出典:Wikipedia)
暖
常用漢字
小6
部首:⽇
13画
炉
常用漢字
中学
部首:⽕
8画
“暖炉”で始まる語句
暖炉棚
暖炉台
暖炉縁
暖炉造
暖炉前飾
暖炉職人