あげ)” の例文
呼出よびいだしに相成白洲しらすに於て越前守殿其人物を御覽あるに人のあくあげ意趣遺恨いしゆゐこんなどをふくみ又有りもせぬ事柄ことがらを申懸る樣成者に非ざる事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
とうさんもたこあげたり、たこはなしいたりして、面白おもしろあそびました。自分じぶんつくつたたこがそんなによくあがつたのをるのもたのしみでした。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
西洋料理にしますと一つはシチューで先ず頭をって皮をいて長さ一寸五分位にブツブツ切ってバターでジリジリといためて一旦いったん鰻をあげ
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
ふさ燗瓶かんびんあげしやくをした。銀之助は会社から帰りに何処どこかで飲んで来たと見え、此時このときすでにやゝよつて居たのである。
節操 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
いや短い。本人の言ふ事に間違ひつこなしだ。そら、其處に縫込んだあげがあるぢやないか。それ丈下して呉れ。』
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
御約束の凧こし下され、早くあげて見参らせたく、こよなう嬉敷うれしくぞんじまゐらせ候、此猩々凧しょうじょうだここそ乙女の姿には似ずとも、雲のかよひ路ふら/\としてどこをまひぶみせんとてか
俳句の初歩 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
呼声よびごえから、風体なり恰好かっこう、紛れもない油屋あぶらやで、あのあげものの油を売るのださうである。
雨ばけ (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
さてもたつ年に関守なく、腰あげとれて細眉つくり、幅びろの帯うれしとめしも、今にして思へば其頃の愚かさ、都乙女の利発にはらぶべくも非らず、姿ばかりは年齢ほどに延びたれど
雪の日 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
一、上野介殿御屋敷へ押込おしこみはたらきの儀、功の浅深せんしんこれあるべからず候。上野介殿しるしあげ候者も、警固けいご一通ひととおりの者も同前たるべく候。しかれ組合くみあわせ働役はたらきやくこのみ申すまじく候。もっとも先後のあらそい致すべからず候。
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
江戸の児曹こどもが春の遊は、女繍毬てまり羽子擢はごつき、男紙鴟たこあげざるはなし。我国のこどもは春になりても前にいへるごとく地として雪ならざる処なければ、歩行ほかうくるしく路上みちなかに遊をなす事すくなし。
締直しめなほし支度をして行んとする故彼方かなたに居る雲助共は大聲おほごゑあげヤイ/\よくそんな事でいける者か何でも乘てもらへ/\今時生若なまわかい者が大金を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
いや短い。本人の言ふ事に間違ツコなしだ。ソラ、其処に縫込んだあげがあるぢやないか。それだけ下して呉れ。』
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
江戸の児曹こどもが春の遊は、女繍毬てまり羽子擢はごつき、男紙鴟たこあげざるはなし。我国のこどもは春になりても前にいへるごとく地として雪ならざる処なければ、歩行ほかうくるしく路上みちなかに遊をなす事すくなし。
で、あげあしを左の股、遣違やりちがいにまた右て。
浮舟 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
入もじ/\致せしがやが越中犢鼻褌ゑつちうふんどしを取出し見て是なり/\と申ければ一同どつとわらひつゝ今夜はとなり座敷にて大聲をあげ馬鹿な騷ぎを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)