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復讐
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ふくしう
ふりがな文庫
“
復讐
(
ふくしう
)” の例文
赤い振袖を着た
稀代
(
きだい
)
の美男が、
復讐
(
ふくしう
)
の快感に浸つて、キラキラと眼を輝やかす樣は、言ひやうもなく物凄まじい觀物です。
銭形平次捕物控:002 振袖源太
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
富岡はゆき子に
復讐
(
ふくしう
)
するやうな眼で、酔つぱらひの化粧のはげた、醜いゆき子を
嫌悪
(
けんを
)
の表情でみつめた。この女との幕は終つたやうな気がした。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
其結果僕と僕の
父
(
ちゝ
)
との
間
(
あひだ
)
が
何
(
ど
)
うなるか
分
(
わか
)
りません。然し
何
(
ど
)
うなつても構はない、
断
(
ことわ
)
るんです。
貴方
(
あなた
)
が僕に
復讐
(
ふくしう
)
してゐる
間
(
あひだ
)
は
断
(
ことわ
)
らなければならないんです
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
敵を
殺
(
ころ
)
したる時
復讐
(
ふくしう
)
の意を以て其肉を食ふとか、
親戚
(
しんせき
)
の死したる時
敬慕
(
けいぼ
)
の
情
(
じやう
)
を表す爲其肉を食ふとか、
幾分
(
いくぶん
)
かの
制限
(
せいげん
)
は何れの塲合にも
存在
(
そんざい
)
するものなり。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
この信條を持つてゐれば、私の心はどんな場合でも
復讐
(
ふくしう
)
に惱まされたり、墮落に
甚
(
ひど
)
く
傷
(
きずつ
)
けられたり、不義の爲めにぺしやんこに
挫
(
くじ
)
かれたりしないで濟むの。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
▼ もっと見る
それが彼には、彼を怖れて云つた言葉とはどうしても聞こえないで、単に
復讐
(
ふくしう
)
的な皮肉とのみ響いた。
An Incident
(新字旧仮名)
/
有島武郎
(著)
日本人ハ最モ
復讐
(
ふくしう
)
ヲ好ミ、彼等ハ街上ヲ歩ミナガラモ、
敵
(
かたき
)
ト目ザス者ニ逢フ時ハ、
何気
(
なにげ
)
ナクコレニ近寄リ、矢庭ニ刀ヲ抜イテ
之
(
これ
)
ヲ斬リ、而シテ
徐
(
おもむ
)
ロニ刀ヲ
鞘
(
さや
)
ニ納メテ
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
真実
(
ほんと
)
か、
虚言
(
うそ
)
か——もし其が事実だとすれば、無論高柳の
復讐
(
ふくしう
)
に相違ない。まあ、丑松は半信半疑。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
虱は
復讐
(
ふくしう
)
せんがために、一年間何も
喰
(
く
)
はずに生きのびてゐた。自分もまた復讐せんがために、今この無心に笛を吹いてゐる、心の美しい、眼の不自由な人を殺さうとしてゐる。
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
チッバルトは
其儘
(
そのまゝ
)
一
旦
(
たん
)
逃去
(
にげさ
)
りましたが、やがて
又
(
また
)
取
(
と
)
って
返
(
かへ
)
すを、
今
(
いま
)
や
復讐
(
ふくしう
)
の
念
(
ねん
)
に
滿
(
み
)
ちたるロミオが
見
(
み
)
るよりも、
電光
(
でんくわう
)
の
如
(
ごと
)
く
切
(
き
)
ってかゝり、
引分
(
ひきわ
)
けまする
間
(
ひま
)
さへもござらぬうちに
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
僕
(
ぼく
)
先づ出
陣
(
ぢん
)
に及んで何と四
勝
(
せう
)
一
敗
(
はい
)
、すつかり得
意
(
い
)
になつてゐると、つい二三日前には口
惜
(
や
)
しさの
腹
(
はら
)
癒
(
い
)
やさんずと
向
(
むか
)
うから來
戰
(
せん
)
に及んで何と三
敗
(
はい
)
一
勝
(
せう
)
、物の見事に
復讐
(
ふくしう
)
されてしまつた。
下手の横好き:―将棋いろいろ―
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
只
(
た
)
だ燃え立つ
復讐
(
ふくしう
)
の誠意、幼き胸にかき抱きて、雄々しくも
失踪
(
しつそう
)
せる小さき影を、月よ、汝は
如何
(
いか
)
に哀れと観じたりけん、
焦
(
こ
)
がるゝ如き救世の野心に五尺の
体躯
(
からだ
)
徒
(
いたづら
)
に
煩悶
(
はんもん
)
して、鈍き手腕
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
誰かに
復讐
(
ふくしう
)
するやうな、酸つぱくて哀しい感情に押されてであつた。
一の酉
(新字旧仮名)
/
武田麟太郎
(著)
「一番偉いツオイスの神でも
復讐
(
ふくしう
)
の神にはかなひません。……」
歯車
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
或る真珠の涙は、清雅な
復讐
(
ふくしう
)
である。
象徴の烏賊
(新字旧仮名)
/
生田春月
(著)
おせいと同棲したために、富岡は、清吉から、
手酷
(
てひど
)
い
復讐
(
ふくしう
)
を受けた気がした。伊香保を去つて以来、富岡の頭からは、清吉の存在は、幻のやうに消えてしまつてゐたのだ。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
今日
(
けふ
)
斯
(
こ
)
うやつて、
貴方
(
あなた
)
を呼んで、わざ/\自分の胸を打ち明けるのも、実は
貴方
(
あなた
)
から
復讐
(
ふくしう
)
されてゐる一部分としか思やしません。僕は是で社会的に罪を犯したも同じ事です。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
きつと倍増しの
復讐
(
ふくしう
)
をされるんださうだ。
銭形平次捕物控:156 八千両異変
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
復讐
(
ふくしう
)
跡あり
恍
(
くわう
)
として
血痕
(
けっこん
)
大菩薩峠:04 三輪の神杉の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「——
復讐
(
ふくしう
)
——」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
彼等
(
かれら
)
は
自然
(
しぜん
)
が
彼等
(
かれら
)
の
前
(
まへ
)
にもたらした
恐
(
おそ
)
るべき
復讐
(
ふくしう
)
の
下
(
もと
)
に
戰
(
をのゝ
)
きながら
跪
(
ひざま
)
づいた。
同時
(
どうじ
)
に
此
(
この
)
復讐
(
ふくしう
)
を
受
(
う
)
けるために
得
(
え
)
た
互
(
たがひ
)
の
幸福
(
かうふく
)
に
對
(
たい
)
して、
愛
(
あい
)
の
神
(
かみ
)
に一
辯
(
べん
)
の
香
(
かう
)
を
焚
(
た
)
く
事
(
こと
)
を
忘
(
わす
)
れなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
“復讐(
報復
)”の解説
報復(ほうふく、en: revenge リベンジ)とは、自分に害を与えた相手に対して、それと釣り合う害を返すこと。仕返し(しかえし)、復讐(ふくしゅう)ともいう。
(出典:Wikipedia)
復
常用漢字
小5
部首:⼻
12画
讐
漢検1級
部首:⾔
23画
“復讐”で始まる語句
復讐心
復讐戦
復讐魔
復讐的
復讐神
復讐者
復讐崇拝
復讐熊腹帯