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御暇
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おいとま
ふりがな文庫
“
御暇
(
おいとま
)” の例文
「では、僕はこれで
御暇
(
おいとま
)
しますが、今日までに調べましたことを二三御報告して置きましょう」明智は少し考えてから続けた。
一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
こんな豪傑がすでに一世紀も前に出現しているなら、吾輩のような
碌
(
ろく
)
でなしはとうに
御暇
(
おいとま
)
を頂戴して
無何有郷
(
むかうのきょう
)
に
帰臥
(
きが
)
してもいいはずであった。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
が、その内に夫と共々、
但馬
(
たじま
)
へ下る事になりましたから、手前もその節娘と一しよに、
御暇
(
おいとま
)
を頂いたのでございます。
六の宮の姫君
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
平兵衞は
頭
(
かうべ
)
を
振
(
ふり
)
其
(
そ
)
は
忝
(
かたじ
)
けなけれども明日は
餘儀
(
よぎ
)
なきことのあるゆゑに是非共
今宵
(
こよひ
)
返
(
かへ
)
らずば大いに都合
惡
(
あし
)
かりなん
左
(
と
)
に
右
(
かく
)
御暇
(
おいとま
)
申さんと立上れば庄右衞門も
止
(
やむ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
……コレ……祖父の
命令
(
いいつけ
)
じゃ。立たぬか。伯父様や伯母様方に
御暇
(
おいとま
)
乞いをせぬか。
今生
(
こんじょう
)
のお別れをせぬか。
名君忠之
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
▼ もっと見る
長々の御恩に預つた
翁
(
をぢ
)
さん
姨
(
をば
)
さんには一目会つて段々の御礼を申上げなければ済まんのでありますけれど、
仔細
(
しさい
)
あつて貫一はこのまま長の
御暇
(
おいとま
)
を致しますから
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
図書 (
愕然
(
がくぜん
)
とす。急に)これにこそ足の
爪立
(
つまだ
)
つばかり、心急ぎがいたします、
御暇
(
おいとま
)
を申うけます。
天守物語
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
隠居所の御客人はアレこそ当国の太守、少将様の御落胤、奥方様御付きの御腰元
鶴江
(
つるえ
)
というのに御手が付いて、どうやら妊娠と心づき、目立たぬ間にと
御暇
(
おいとま
)
を賜わった。
備前天一坊
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
秋山殿が世にある頃から許婚であつたが、秋山殿が永の
御暇
(
おいとま
)
になつた上の難病で、祝言も延々になつてゐる。其處をねらつて、あの色氣違ひの右馬之丞が爪を
磨
(
と
)
いだのだよ
銭形平次捕物控:193 色若衆
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
御体の調子が悪くて、何だか大変大儀らしい御様子でしたので、早く
御暇
(
おいとま
)
しなければと、折を考えながらお話を伺っていたら、古田さんから御電話。しばらくして古田様と神田へ出る。
雨の玉川心中:01 太宰治との愛と死のノート
(新字新仮名)
/
山崎富栄
(著)
殿様へ
種々
(
しゅ/″\
)
御意見を申し上げ、
諫言
(
かんげん
)
とかをいたしたので重役の憎みを受け、
御暇
(
おいとま
)
になりましたが、なんの此の屋敷ばかり日は照らぬという気性で浪人致し、其の
後
(
のち
)
浪宅
(
ろうたく
)
において切腹いたし
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
言
(
い
)
はゞ
我
(
わ
)
が
良人
(
をつと
)
をはづかしむるやうなれど、そも/\
御暇
(
おいとま
)
を
賜
(
たま
)
はりて
家
(
いへ
)
に
歸
(
かへ
)
りし
時
(
とき
)
、
聟
(
むこ
)
と
定
(
さだ
)
まりしは
職工
(
しよくこう
)
にて
工場
(
こうぢやう
)
がよひする
人
(
ひと
)
と
聞
(
き
)
きし
時
(
とき
)
、
勿躰
(
もつたい
)
なき
比較
(
くらべ
)
なれど
我
(
わ
)
れは
殿
(
との
)
の
御地位
(
ごちゐ
)
を
思
(
おも
)
ひ
合
(
あは
)
せて
軒もる月
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
しかしその後は薗八節再興の
御手筈
(
おてはず
)
だん/\と御運びの事と推察
仕
(
つかまつり
)
をり候処実は今夕偶然銀座通にてお半様に
出遇
(
であ
)
ひ彩牋堂より
御暇
(
おいとま
)
になり候由承り、あまりといへば事の意外なるに
驚愕仕
(
きょうがくつかまつり
)
候次第。
雨瀟瀟
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
水漂草の
譬喩
(
たとへ
)
に異ならず、いよ/\心を励まして、
遼遠
(
はるか
)
なる巌の
間
(
はざま
)
に独り居て人め思はず物おもはゞやと、
数旬
(
しばらく
)
北山の庵に行ひすませし後、飄然と身を起し、加茂明神に
御暇
(
おいとま
)
告
(
まを
)
して仁安三年秋の初め
二日物語
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
御暇
(
おいとま
)
いたしますべえか
農村
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
「武助、
御暇
(
おいとま
)
致そう」
南国太平記
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
それは言ひ度くないことだが、——思ひきつて言はうよ。私は西國の藩中で、切支丹の疑ひで永の
御暇
(
おいとま
)
になり、十七年前に、娘のお信をつれて江戸へ參つたのぢや、——私は生涯を
銭形平次捕物控:202 隠し念仏
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「ああ、
忝
(
かたじけの
)
うござります。何たる、神様か、仏様か、お
庇
(
かげ
)
で清く死なれまする。はいはい、
私
(
わたくし
)
風情にここと申す
住所
(
すみか
)
もござりませぬ。もう
御暇
(
おいとま
)
を下されまし。」と
揉手
(
もみで
)
をしつつ
後退
(
あとじさり
)
。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
御寝
(
おやす
)
みなさい。起きていらっしゃると毒ですから。私はもう
御暇
(
おいとま
)
をします」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「もうかれこれ三時でしょう。じゃ私は
御暇
(
おいとま
)
しますかな。」と、半ば体を起しかけると、新蔵は
不審
(
ふしん
)
そうに眉をよせて、「三時? 今はまだ朝じゃないのかい。」と、妙な事を尋ねるのです。
妖婆
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
言はゞ我が
良人
(
をつと
)
をはづかしむるやうなれど、そもそも
御暇
(
おいとま
)
を賜はりて家に帰りし時、
聟
(
むこ
)
と
定
(
さだ
)
まりしは職工にて
工場
(
こうば
)
がよひする人と聞きし時、
勿躰
(
もつたい
)
なき比らべなれど、我れは殿の
御地位
(
ごちゐ
)
を思ひ合せて
軒もる月
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
一其の方父織江儀御用に付き小梅中屋敷へ
罷
(
まか
)
り越し帰宅の途中何者とも
不知
(
しれず
)
切害
被致候段
(
いたされそろだん
)
不覚悟の至りに
被思召
(
おぼしめされ
)
無余儀
(
よぎなく
)
永
(
なが
)
の
御暇
(
おいとま
)
差出候
(
さしだしそうろう
)
上は
向後
(
こうご
)
江戸お屋敷は
不及申
(
もうすにおよばず
)
御領分迄立廻り申さゞる旨
被仰出候事
(
おおせいでられそろこと
)
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「伜の佐太郎といふ二十五になるのが、永の
御暇
(
おいとま
)
になつて、母親と一緒に退轉した」
銭形平次捕物控:156 八千両異変
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
迷惑そうな健三の
体
(
てい
)
を見ても澄ましていた。しまいに吉田が例の
烟草入
(
タバコいれ
)
を腰へ差して、「では
今日
(
こんにち
)
はこれで
御暇
(
おいとま
)
を致す事にしましょうか」と催促したので、彼は
漸
(
ようや
)
く帰る気になったらしかった。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「じゃ私はもう
御暇
(
おいとま
)
します。」と、すぐに背広の腰を
擡
(
もた
)
げた。
お律と子等と
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「やっと姉さんから
御暇
(
おいとま
)
が出た。」
お律と子等と
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「いや。僕ももう
御暇
(
おいとま
)
しよう」
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
御
常用漢字
中学
部首:⼻
12画
暇
常用漢字
中学
部首:⽇
13画
“御暇”で始まる語句
御暇乞
御暇下
御暇被下