じゅ)” の例文
旧字:
七年三月二十八日には十一歳で元服して、じゅ四位じょう侍従参河守斉民となった。九年十二月には十三歳で少将にせられた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
年紀としは二十七。じゅ五位くん三等、さきの軍医監、同姓英臣ひでおみの長男、七人の同胞きょうだいうちに英吉ばかりが男子で、姉が一人、妹が五人、その中縁附いたのが三人で。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
世々じゅ四位下侍従じじゅうにも進み、網代あじろ輿こし爪折つまおり傘を許され、由緒ゆいしょの深いりっぱなお身分、そのお方のご家老として、世にときめいた吉田玄蕃げんば様の一族の長者として
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
あまり義昭が泣きごというので、信長は、さきの恩命よりずっと低いじゅ位下いのげ弾正忠だんじょうのちゅうという微官をうけた。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして終りに××県知事じゅ五位勲四等△△△△と、その下に大きな四角ないんを押してありました。
少年と海 (新字新仮名) / 加能作次郎(著)
没するに臨んでじゅ五位に叙せられた。著書に『観光遊記』、『尊攘紀事』、『渉史偶筆』、『北遊詩草』その他がある。合帙がっちつして蔵名山房文集及雑著に収められている。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
ここに三浦兵衛尉義勝ひょうえのじょうよしかつとありますよ。この人はじゅ五位だ。元弘げんこう二年新田義貞にったよしさだたすけて、鎌倉かまくらを攻め、北条高時ほうじょうたかときの一族を滅ぼす、先世のあだかえすというべしとしてありますよ。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
わしは大きな声で言い、背を起して二人をにらみ、沈黙させた。枢密院議員、宮中顧問官、じゅ二位勲一等、伯爵白須賀克巳しらすかかつみという肩書が、もう、ものを言わないというのであろう。
(新字新仮名) / 富田常雄(著)
関白、内大臣、藤原氏のうじの長者、じゅ一位、こういう人が飯綱の法を修したのである。
魔法修行者 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
朝散ちょうさん太夫だいぶとは、支那唐朝の制にてじゅ品下ほんげの雅称、我国にて従五位下の唐名とうめいとある。
その年十月、改易された蒲生氏の後へ隠岐守松平定行おきのかみまつだいらさだゆきが封ぜられて来た。これは世に久松家とも呼ばれる徳川親藩の一で、定行の父はじゅ四位少将定勝といい、家康の異父弟に当っていた。
日本婦道記:二十三年 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
が、大人うしに道徳というはそぐわぬ。博学深識のじゅ七位、花咲く霧に烏帽子は、大宮人の風情がある。
茸の舞姫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
じゅ位下いのげ左近衛少将さこんえのしょうしょう越中守えっちゅうのかみ細川忠利ほそかわただとしは、寛永十八年辛巳しんしの春、よそよりは早く咲く領地肥後国ひごのくにの花を見すてて、五十四万石の大名の晴れ晴れしい行列に前後を囲ませ
阿部一族 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
鳥羽藩の士族出で、攻玉舎の英語教官から宮様の進講係となって、現在、じゅ五位の学習院教授という明治の英文学者である。神経質な細面に金ぶちの眼鏡をかけていた。
けんもつ忠善はすでに逝去せいきょし、忠春がじゅ五位の右衛門太夫に任じていた。
日本婦道記:墨丸 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
京へ凱旋がいせんしてのち、七ほんやり連中れんちゅうをはじめ諸将しょしょうの下のものへまで、すべて、論功行賞ろんこうこうしょうをやったかれにはまた、朝廷ちょうていから、じゅ参議さんぎせらるという、位官いかんのお沙汰さたがくだる。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
五百はすぐに中臈ちゅうろうにせられて、殿様づきさだまり、同時に奥方祐筆ゆうひつを兼ねた。殿様は伊勢国安濃郡あのごおり津の城主、三十二万三千九百五十石の藤堂和泉守いずみのかみ高猷たかゆきである。官位はじゅ四位侍従になっていた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
尊氏が三位の参議、左兵衛さひょうえかみであるにたいし、正成はじゅ五位河内守たるにすぎない。
五年十二月には南部なんぶ家と共に永く東西蝦夷地を警衛することを命ぜられて、十万石に進み、じゅ四位に叙せられた。この津軽家の政務発展の時に当って、允成が啓沃けいよくの功も少くなかったらしい。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
ことに、羽柴はしばじゅ参議秀吉さんぎひでよし入洛じゅらくちゅうのにぎやかさ。——金の千瓢せんなり、あかい陣羽織じんばおり、もえおどし小桜こざくらおどし、ピカピカひかる鉄砲てっぽう、あたらしい弓組、こんな行列が大路おおじ小路こうじに絶えまがない。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
やがて信長にも、じゅ位下いのげ右兵衛督うひょうえのかみへ、任命の沙汰があった。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)