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小金
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こがね
ふりがな文庫
“
小金
(
こがね
)” の例文
みゝづくで
食
(
しよく
)
を
論
(
ろん
)
ずるあんまは、
容體
(
ようだい
)
倨然
(
きよぜん
)
として、
金貸
(
かねかし
)
に
類
(
るゐ
)
して、
借家
(
しやくや
)
の
周旋
(
しうせん
)
を
強要
(
きやうえう
)
する……どうやら
小金
(
こがね
)
でその
新築
(
しんちく
)
をしたらしい。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
パッシー通りで夫婦
揃
(
そろ
)
って食料品店で働き抜いた五十五、六の男の自然に
枯
(
か
)
れた声も秋風のなかにふさわしい。男は
小金
(
こがね
)
を
貯
(
た
)
めた。
巴里の秋
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
ゆうべ一しょに泊る
筈
(
はず
)
の
小金
(
こがね
)
奉行が病気
引
(
びき
)
をしたので、寂しい
夜寒
(
よさむ
)
を一人で
凌
(
しの
)
いだのである。
傍
(
そば
)
には骨の太い、がっしりした
行燈
(
あんどう
)
がある。
護持院原の敵討
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
彼女
(
かのじょ
)
の借りた傍屋は、いかにも古びて
手狭
(
てぜま
)
で、おまけに
天井
(
てんじょう
)
の低い家なので、いくらか
小金
(
こがね
)
を持った連中なら、とても住む気にはならないからである。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
差配人
(
さはいにん
)
さんに
可愛
(
かわい
)
がられ、金を
貯
(
た
)
めて
家
(
うち
)
を持ち、損料と
小金
(
こがね
)
を貸して居るが、
尻
(
けつ
)
の穴が狭くて仕様のない奴だよ
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
車力たちが酒を飲みにやって来て
上
(
かみ
)
さんといっしょに
臥
(
ふせ
)
り、上さんをひどい目に会わしていた。そのうちの一人が彼女と結婚した、彼女に少し
小金
(
こがね
)
があったから。
ジャン・クリストフ:10 第八巻 女友達
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
夫婦そろってなかなかの稼ぎ屋だったので、世帯をもってしばらくたった頃には、どうやら
小金
(
こがね
)
もできた。ただ、夫婦のなかには、どうしたことか、子宝がなかった。
親ごころ
(新字新仮名)
/
ギ・ド・モーパッサン
(著)
友人の紹介で
梵妻
(
ぼんさい
)
あがりで
小金
(
こがね
)
を
溜
(
た
)
めていたその女の許へ金を借りに出入して関係しているうちに
一握の髪の毛
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
前の藤六から
以来
(
このかた
)
、
小金
(
こがね
)
の溜まっているような噂が立っているそうで御座いますから、いつも油断しませずに、出入りのお客の
態度
(
ようす
)
に眼を付けておりましたお蔭で御座いましょう。
骸骨の黒穂
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
どこにか少なからぬ
小金
(
こがね
)
を貯えていて、表にああして
飄々
(
ひょうひょう
)
と飛び廻っているのか知ら。
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
此方からも
麦扱
(
むぎこ
)
きを借りたり、饂飩粉を挽いてもらったり、
豌豆
(
えんどう
)
や里芋を売ってもらったりした。おかみも
小金
(
こがね
)
を
借
(
か
)
りに来たり張板を
借
(
か
)
りに来たりした。其子供もよく遊びに来た。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
そしてそのおかげで幾年かするうちに、どうやら食ったり着たりするのには差し支えないだけの
小金
(
こがね
)
を
溜
(
た
)
め、それから少しずつ一歩一歩と今の地位にまで成り上ってきたのであった。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
廻
(
まは
)
され
詮議
(
せんぎ
)
ありしかども
更
(
さら
)
に
其行衞
(
そのゆくゑ
)
知れざるに付
切
(
きつ
)
ては立花左仲にても
召捕
(
めしとら
)
んと
是
(
これ
)
又
(
また
)
探索
(
たんさく
)
ありし處
彼
(
かの
)
左仲は
小金
(
こがね
)
ヶ
原
(
はら
)
にて
切殺
(
きりころ
)
されしと云ふことの知れしかば左仲は
詮
(
せん
)
なし
呉々
(
くれ/″\
)
も靱負を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
元来が
上方者
(
かみがたもの
)
の
吝嗇家
(
しまりや
)
だったから、御殿奉公中からちょびちょび
小金
(
こがね
)
を溜めて大分持っていたそうだ、しかしもう
齢
(
とし
)
が
齢
(
とし
)
なので屋敷も
暇
(
ひま
)
を貰って自分は
此処
(
ここ
)
へ一軒
新
(
あた
)
らしく家を建てたが
暗夜の白髪
(新字新仮名)
/
沼田一雅
(著)
(陸揚げをした庭石らしいのに腰かけ、川を見ながら、懐中から食べ物を出す)川を渡って安孫子まで一里ぐらいだと、飯屋の人がそういった、安孫子から
小金
(
こがね
)
まで三里、そうは歩けない。
一本刀土俵入 二幕五場
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
そしてお前さんが二十万フランの
小金
(
こがね
)
をわしにくれるとすぐに娘さんを返してあげる。もしお前さんがわしを捕縛させるようなことをすれば、わしの仲間がアルーエットに手を下すばかりだ。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
日本橋から三里、
新宿
(
にいじゅく
)
となる。新宿から一里、松戸となる。松戸から三里、
小金
(
こがね
)
の宿。小金から三里、
我孫子
(
あびこ
)
となる。ずっと行けば、
水戸
(
みと
)
へ出る。これすなわち水戸街道。今日の里程とはだいぶ違う。
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
少し
小金
(
こがね
)
を持つてゐるらしい党員の一人が不思議さうに訊いた。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
言下
(
ごんか
)
に正体を道破して
曰
(
いはく
)
、「
小金
(
こがね
)
をためた玉ボオイだらう。」
病牀雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
一 こりばすらに
小金
(
こがね
)
のたる木に、水のせ
懸
(
がく
)
るぐしになみたち
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
「じゃあ、
小金
(
こがね
)
を貸しているのだな、
身上
(
しんしょう
)
はいいのか」
半七捕物帳:47 金の蝋燭
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
その妹だね、可いかい、私の
阿母
(
おふくろ
)
が、振袖の年頃を、困る処へ附込んで、
小金
(
こがね
)
を溜めた按摩めが、ちとばかりの貸を
枷
(
かせ
)
に、妾にしよう、と追い廻わす。
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
名主どんも有る村だから、名主どんへ届けて、お役人さまの手を借りてお探しなせえって、それから
毎日
(
めえにち
)
松戸
流山
(
ながれやま
)
から
小金
(
こがね
)
ッ
原
(
ぱら
)
まで探しちゃア
帰
(
けえ
)
って来て、知んねえっては泣くだよ
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
立出で夫より松戸の渡しも
漸々
(
やう/\
)
通り越
小金
(
こがね
)
が
原
(
はら
)
に差掛りけるに扨
物淋
(
ものさび
)
しき原中ゆゑ先腰なる
摺燧
(
すりひうち
)
を
取出
(
とりいだ
)
し松の根に
尻
(
しり
)
打掛
(
うちかけ
)
煙草
燻
(
くゆ
)
らす折柄
後
(
あと
)
より
尾來
(
つけきた
)
りしと見えて一人の大の男腰に
長刀
(
なががたな
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
此辺の豪農の家では、以前よく強盗に入られるので、二十円なり三十円なり強盗に
奉納
(
ほうのう
)
の
小金
(
こがね
)
を常に手近に出して置いたものだ。無益の争して怪我するよりも、と
詮
(
あき
)
らめて然するのである。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
男「此辺に薬を売る処はない、
小金
(
こがね
)
まで行かなければない」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
“小金”の解説
小金(こがね)は、千葉県松戸市の地名。本項では小金清志町(こがねきよしちょう)、小金上総町(こがねかずさちょう)、上総内(かずさうち)についても述べる。
(出典:Wikipedia)
小
常用漢字
小1
部首:⼩
3画
金
常用漢字
小1
部首:⾦
8画
“小金”で始まる語句
小金井
小金貸
小金原
小金具
小金沢
小金ヶ原
小金井博士
小金井鴨下村
小金屋源兵衞