“小豆(あづき)” の例文
小豆飯(あづきめし)はどれも/\米(こめ)が能(よ)く搗(つ)けてないのでくすんでさうして腹(はら)の裂(さ)けた小豆(あづき)が粉(こ)を吐(は)いて餘計(よけい)に粘氣(ねばりけ)のないぼろ/\な飯(めし)になつて居(ゐ)た。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
かれ殺さえましし神の身に生(な)れる物は、頭に蠶(こ)生り、二つの目に稻種(いなだね)生り、二つの耳に粟生り、鼻に小豆(あづき)生り、陰(ほと)に麥生り、尻に大豆(まめ)生りき。
亭主は四十五六位の正直な男で、せつせと箕(み)で大豆や小豆(あづき)に雑つてゐる塵埃(ごみ)を振(ふる)つてゐるのを人々はよく見かけた。
ある僧の奇蹟 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
池袋の旅館で、蒲団包みを開くと、なかから伊庭の褞袍(どてら)や、かなり古いインバネスや、小豆(あづき)の袋が包みこんであつた。小豆は五升ばかりはいつてゐた。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
「長谷川君と二人で遣(つか)つてるんだが、実際其(その)通り目の下のどす黒(ぐろ)い女でね、よく喋(しやべ)るんだ。」滿谷が起きた様だから行つて見ると小豆(あづき)色の寝巻の儘(まゝ)で黒い土耳其(トルコ)帽を
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛、与謝野晶子(著)
ふるさとの小豆(あづき)に湯山の餅入れてはつかにつくる味こきしるこ十二月二十五日
閉戸閑詠 (新字旧仮名) / 河上肇(著)
雜穀屋と言ふのは表向きの商賣、裏へ廻るとこの邊一帶の地主で、小豆(あづき)や小麥の一升賣をしなくとも宜いわけですが、隱居忠左衞門は昔氣質(かたぎ)で、なか/\この商賣を止させなかつたわけです。
何となりとも察してよき樣に斗らひ給へ、我れは小豆(あづき)まくらが相應なればと、美事とぼけた積りで答(や)れば、ほんに左樣(さう)で御座(ござ)んしたもの、海山三千年の我れに比らべて力まけのせし可笑しさ
花ごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
翌日(あくるひ)の晩(ばん)宗助(そうすけ)はわが膳(ぜん)の上(うへ)に頭(かしら)つきの魚(うを)の、尾(を)を皿(さら)の外(そと)に躍(をど)らす態(さま)を眺(なが)めた。小豆(あづき)の色(いろ)に染(そ)まつた飯(めし)の香(かをり)を嗅(か)いだ。御米(およね)はわざ/\清(きよ)を遣(や)つて、坂井(さかゐ)の家(いへ)に引(ひ)き移(うつ)つた小六(ころく)を招(まね)いた。小六(ころく)は
門 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
この犬には毎日小豆(あづき)を五合づゝよく煮て喰(た)べさせてお置きなさい。さうすると夜中に糞(ふん)の代りに五合だけの黄金(きん)をします。だけれど五合以上は決して喰べさせてはなりませんから。そこはよく気を
竜宮の犬 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
井手(ゐで)の蛙(かはづ)の干したのも珍らしくないからと、行平殿のござつた時、モウシ若様、妾(わたし)の従来(これまで)見た事の無いのは業平(なりひら)朝臣(あそん)の歌枕、松風(まつかぜ)村雨(むらさめ)の汐汲桶(しほくみをけ)、ヘマムシ入道の袈裟法衣(けさころも)、小豆(あづき)大納言の小倉(をぐら)の色紙
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
お鈴は小豆(あづき)縮緬の羽織に黄八丈の小袖を着てゐる上に、からだも元のお鳥の樣に肉づいて、無病息災らしいのを見ると、葡萄色の唐(たう)縮緬羽織りのお鳥は、見すぼらしくもあり、また病人らしくもある。
泡鳴五部作:05 憑き物 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
麦を粟(あは)に、また小豆(あづき)に改むれど
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
小豆(あづき)売る小家の梅の莟(つぼみ)がち
俳人蕪村 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
「小豆(あづき)でございます。」
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
明日(あす)は小豆(あづき)の
未刊童謡 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
小豆(あづき)洗ひも
未刊童謡 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)