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こしょう
ふりがな文庫
“
小姓
(
こしょう
)” の例文
夫の死後
頻
(
しき
)
りに
寵愛
(
ちょうあい
)
している
小姓
(
こしょう
)
上りの
渾良夫
(
こんりょうふ
)
なる美青年を使として、弟蒯聵との間を往復させ、秘かに現衛侯
逐出
(
おいだ
)
しを企んでいる。
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
お
小姓
(
こしょう
)
の
蘭之助
(
らんのすけ
)
か、杉太郎か、それとも黄門公自身の手か、窓がほそく
開
(
あ
)
くと、抜きとって、すうっと、内へ引き込んだ様子であった。
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ジナイーダが、わたしたちの一座を、新しい気分のものに切り
替
(
か
)
えたのだ。わたしは
小姓
(
こしょう
)
の役目がら、
彼女
(
かのじょ
)
のそばに席を
占
(
し
)
めた。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
それから、みんなそろって広間へあがると、かわいいお
小姓
(
こしょう
)
たちが、くだもののお砂糖漬だの、くるみのこしょう入りのお菓子だのをだしました。
旅なかま
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
先任の支配太田筑前守は、
小姓
(
こしょう
)
をつれてその席に着きましたけれど、相役の駒井能登守はまだそこへ姿を見せません。
大菩薩峠:14 お銀様の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
この模様風の背景をひかへし人物もまた
極
(
きわ
)
めて人形らしく、その男は
小姓
(
こしょう
)
の
吉三
(
きちざ
)
その女は娘お
七
(
しち
)
ならんか。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
それから、彼女は涙を
拭
(
ふ
)
き、笑顔をした。そして、
丸襞襟
(
まるひだえり
)
のような立ち襟の白い短
外套
(
がいとう
)
と縁なし帽子とを彼に着せかけて、アンリー三世の
小姓
(
こしょう
)
みたいに仕立てた。
ジャン・クリストフ:10 第八巻 女友達
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
「うむ。それがよい。早う行け」と、山城守は、つぎの間に
控
(
ひか
)
えている
小姓
(
こしょう
)
に声をかけて、「これこれ、長庵が帰るぞ。誰ぞある。たれか長庵を送ってとらせい」
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
イギリスの
諺
(
ことわざ
)
に「いかなる英傑も
彼
(
かれ
)
の
側
(
そば
)
に
侍
(
はべ
)
る
小姓
(
こしょう
)
の
眼
(
め
)
には偉大と映じない」とある。これ英傑が偉大ならざるにあらずして、
小姓
(
こしょう
)
が偉大ならざるがためである。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
居る女達は、皆、私が絵で好いて居るゆったりと見事な身の廻りをして、
小姓
(
こしょう
)
に長いスカートをかかげさせて、左の掌に白い羽根の扇をのせてしとやかに動いて居る。
草の根元
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
この岡崎
殿
(
どの
)
が十八
歳
(
さい
)
ばかりの時、主人より年の二つほど若い
小姓
(
こしょう
)
に佐橋甚五郎というものがあった。
佐橋甚五郎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
落合は二十八歳で、百五十石ばかりの中
小姓
(
こしょう
)
を勤めていた。これらが、井関と小森は
側用人
(
そばようにん
)
、落合は執奏として右京亮の側近をかため、殆んど独裁的に政治を動かしていた。
初夜
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
また一人の少年が、お雪のお
小姓
(
こしょう
)
のように、すぐにそれを受けとっている。
モルガンお雪
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「森蘭丸? 森蘭丸というのは、織田信長の
家来
(
けらい
)
でしょう。そして、明智光秀が本能寺に
夜討
(
ようち
)
をかけたとき、槍をもって奮戦し、そして、信長と一緒に
討死
(
うちじに
)
した
小姓
(
こしょう
)
かなんかのことでしょう」
未来の地下戦車長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ところが、その日は、
小姓
(
こしょう
)
の手から
神酒
(
みき
)
を入れた
瓶子
(
へいし
)
を二つ、
三宝
(
さんぼう
)
へのせたまま受取って、それを神前へ備えようとすると、どうした拍子か瓶子は二つとも倒れて、神酒が外へこぼれてしまった。
忠義
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
と云って
辷
(
すべ
)
り出たのは前髪立ちの
小姓
(
こしょう
)
であった。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
第一、君にお
小姓
(
こしょう
)
という名をつけたのは、
僕
(
ぼく
)
じゃないんだし、それにまたお小姓というものは、まずもって女王様の付き物ですからねえ。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
と思うと——
畳
(
たたみ
)
二
枚
(
まい
)
ほどは
優
(
ゆう
)
にある
両
(
りょう
)
の
翼
(
つばさ
)
が、ウワーッと上へひろがって、白い
腋毛
(
わきげ
)
が見えたから、びっくりしたお
小姓
(
こしょう
)
とんぼ。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この
大海原
(
おおうなばら
)
の波の上で、静かに、安らかに、一生を送りたいという人がありますか……ありましたらいらっしゃい、町人方も、お百姓衆も、お
小姓
(
こしょう
)
も、殿様も
大菩薩峠:28 Oceanの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
王子は、ひいさまを馬にのせてつれてあるけるように、男のお
小姓
(
こしょう
)
の着る服をこしらえてやりました。ふたりは、いいにおいのする森のなかを、馬であるきました。
人魚のひいさま
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
それを
蜂谷
(
はちや
)
という
小姓
(
こしょう
)
が聞き
咎
(
とが
)
めて、「おぬし一人がそう思うなら、撃ってみるがよい」と言った。
佐橋甚五郎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
昂奮した山城守が、こう心中に怒声を揚げた時、その
心語
(
しんご
)
に応ずるかのように、眼前に人影が立った。ぎょッとして顔を上げると、気に入りの
小姓
(
こしょう
)
一
弥
(
や
)
だ。いつの間にか、庭を横ぎって来ていたのだ。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
と
気転
(
きてん
)
よくたった
小姓
(
こしょう
)
の
藤巻石弥
(
ふじまきいしや
)
、ふと
廊下
(
ろうか
)
へでるとこは何者?
評定
(
ひょうじょう
)
の
間
(
ま
)
の
袖部屋
(
そでべや
)
へじッとしゃがみこんでいる
黒衣
(
こくい
)
の人間。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「あれは駒井能登守様のお
小姓
(
こしょう
)
じゃそうな。駒井の殿様は鉄砲の名人、それであのお小姓までが弓の上手」
大菩薩峠:14 お銀様の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
けれど、
可愛
(
かわい
)
らしい、おとなしい、利口な子だから、わたし大好きなのよ。ああ、そうそう、こうしたらいいわ。わたし、今日からあなたを、わたしのお
小姓
(
こしょう
)
に取立ててあげるわ。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
小姓
(
こしょう
)
たちが、砂糖づけのくだものだの、コショウのはいったクルミ菓子だのを持ってきました。しかし、お年よりの王さまは、悲しすぎて、なんにも食べることができませんでした。
旅の仲間
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
平七は二十三歳にて切腹し、
小姓
(
こしょう
)
磯部長五郎
介錯
(
かいしゃく
)
いたし候。
興津弥五右衛門の遺書
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
もうすっかり、竹童を旅の独楽まわしと思っているので
小姓
(
こしょう
)
たちは、
城内
(
じょうない
)
で聞きかじっていたことを、みんなベラベラしゃべってしまった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「やあ。」と、わかい
小姓
(
こしょう
)
がいいました。「これでわかったよ。ちいさないきものにしては、どうもめずらしくしっかりしたこえだ。あれなら、たしかもうせん、きいたことがあるぞ。」
小夜啼鳥
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
その時、土間すそに、
小姓
(
こしょう
)
の
江橋林助
(
えばしりんすけ
)
と
近習
(
きんじゅう
)
の
渡辺悦之進
(
わたなべえつのしん
)
の二臣が、野良着を平常のものに
着更
(
きか
)
えて、迎えに立っていた。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
王女さまのぐるりをとりまいて、女官たちがおつきを、そのおつきがまたおつきを、したがえ、
侍従
(
じじゅう
)
がけらいの、またそのけらいをしたがえ、それがまた、めいめい
小姓
(
こしょう
)
をひきつれて立っていました。
雪の女王:七つのお話でできているおとぎ物語
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
今朝も、
的場
(
まとば
)
に出て、
采女
(
うねめ
)
という
小姓
(
こしょう
)
を相手に、ヒュッ、ヒュッとしきりに矢うなりを切っていると
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ああ、あれだ!」と、
小姓
(
こしょう
)
たちが言いました。
ナイチンゲール
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
宝暦
(
ほうれき
)
頃から
明和
(
めいわ
)
にかけて三都、頭巾の
大流行
(
おおばや
)
り、男がた
女形
(
おんながた
)
、
岡崎
(
おかざき
)
頭巾、
露
(
つゆ
)
頭巾、がんどう頭巾、
秀鶴
(
しゅうかく
)
頭巾、お
小姓
(
こしょう
)
頭巾、なげ頭巾、猫も
杓子
(
しゃくし
)
もこの
風
(
ふう
)
に
粋
(
すい
)
をこらして
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
佩刀
(
はかせ
)
を持った
小姓
(
こしょう
)
は、彼の早い足の後から小走りに
従
(
つ
)
いて行った。
濞かみ浪人
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
縁端
(
えんはし
)
を見
遣
(
や
)
ると、
小姓
(
こしょう
)
がひとりで端坐している。
日本名婦伝:細川ガラシヤ夫人
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“小姓”の意味
《名詞》
子ども。
主君や貴人の側に仕え、雑用をする武家。
(出典:Wiktionary)
“小姓”の解説
小姓(こしょう)とは、武士の職の一つで、武将の身辺に仕え、諸々の雑用を請け負う。同音の「扈従(貴人に付き従う人)」に由来し、「小性」とも表記される。
(出典:Wikipedia)
小
常用漢字
小1
部首:⼩
3画
姓
常用漢字
中学
部首:⼥
8画
“小姓”で始まる語句
小姓組
小姓頭
小姓溜
小姓与
小姓勤
小姓君
小姓町
小姓衆