孝行こうこう)” の例文
真吉しんきちは、おおきくなってから、りっぱな商人しょうにんになりました。そして、おかあさんによく孝行こうこうをつくしたということであります。
真吉とお母さん (新字新仮名) / 小川未明(著)
びっくりして、おはぐろを半分はんぶんつけかけたまま、すずめはおかあさんのところけつけてきました。かみさまはすずめの孝行こうこうなことをおほめになって
物のいわれ (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
縹緻きりょうがよくって孝行こうこうで、そのうえ愛想あいそうならとりなしなら、どなたのにも笠森かさもり一、おなかいためたむすめめるわけじゃないが、あたしゃどんなにはなたかいか。……
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
現世げんせ何一なにひと孝行こうこうらしいこともせず、ただ一人ひとり先立さきだってこちらの世界せかい引越ひきこしてしまったのかとかんがえますと、なんともいえずつらく、かなしく、のこしく、相済あいすまなく
ぼくはほんとうに孝行こうこうだなあ。
貝の火 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
しかしぼくたちは、いつまでも子供こどもではおられないだろう。みんなはおおきくなって、このなかのためにつくし、おや孝行こうこうをしなければならぬのだ。
風雨の晩の小僧さん (新字新仮名) / 小川未明(著)
せっかく孝行こうこう子供こどもになろうとおもっても、おやのいなくなったのを、はといまでもくやしがっているのだそうです。
物のいわれ (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
そして、翌日よくじつのその新聞しんぶんには、おおきな見出みだしで、孝行こうこう少年しょうねん記事きじが、写真しゃしんとともにせられていました。
街の幸福 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのくせだてはごくやさしくって、おじいさんとおばあさんによく孝行こうこうをしました。
桃太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
おまえが、まだ物心ものごころのつかないころだったよ。このむらに、おつるさんといって、孝行こうこうむすめさんがあった。
万の死 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おさくは、そののちは、工場こうばへいって、はたらくことになりました。そして、おかあさんに、孝行こうこうをしました。
おさくの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ことに孝行こうこうあねは、ひるとなく、よるとなく看病かんびょうをして、どうかして父親ちちおやがなおらないものかとこころいためました。あねつかれたときは、いもうとがかわって看病かんびょうをいたしました。
木と鳥になった姉妹 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「しかし、きみには、まだ、おとうさんがあるからいい。せいぜい孝行こうこうをしてあげたまえ。」
世の中へ出る子供たち (新字新仮名) / 小川未明(著)
父上ちちうえも、どうかこちらへいらして、親子おやこいっしょにおらしくださいませんか。わたしどもも、まだ子供こどものないうちに孝行こうこうしたいとおもいます、というようなことがいてありました。
とうげの茶屋 (新字新仮名) / 小川未明(著)
むかし、十二、三になったばかりの、孝行こうこうのむすこが、医者いしゃはなした母親ははおや病気びょうきを、なおしたい一しんで、不動尊ふどうそんがんをかけて、あの頂上ちょうじょうまで、おみずをもらいにのぼったことがあると、いたが。
雲のわくころ (新字新仮名) / 小川未明(著)
このまちから二ばかりはなれた、さびしいむらに、まずしいらしをしている勇吉ゆうきちいえでは、母親ははおや病気びょうきつのるばかりなので、孝行こうこう少年しょうねん勇吉ゆうきちは、どうしていいかわからず、おどおどとしていました。
一粒の真珠 (新字新仮名) / 小川未明(著)