大廣間おほひろま)” の例文
新字:大広間
たゞる、日本橋にほんばし檜物町ひものちやう藤村ふぢむら二十七疊にじふしちでふ大廣間おほひろま黒檀こくたん大卓だいたくのまはりに、淺葱絽あさぎろ座蒲團ざぶとんすゞしくくばらせて、一人ひとり第一番だいいちばん莊重さうちようひかへてる。
九九九会小記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あいちやんは扇子せんす手套てぶくろとをげ、大廣間おほひろまはなはあつかつたので、始終しゞゆう扇子せんす使つかひながらはなつゞけました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
座敷ざしきは——こんな貸家建かしやだてぢやありません。かべも、ゆかも、みな彩色さいしきしたいしいた、明放あけはなした二階にかい大廣間おほひろま客室きやくまなんです。
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
到頭とうとう其處そこふかほとんど四五すんおほきないけ出來できて、大廣間おほひろま半分はんぶんつかつてしまひました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
上段じやうだんづきの大廣間おほひろま正面しやうめん一段いちだんたかところに、たゝみ二疊にでふもあらうとおもふ、あたかほのほいけごと眞鍮しんちう大火鉢おほひばち炭火たんくわ烈々れつ/\としたのをまへひかへて、たゞ一個いつこ大丈夫だいぢやうぶ
麦搗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
めて、差窺さしうかゞふ、母屋おもやの、とほかすかなやうな帳場ちやうばから、あかりすゑばうとゞく。いけめんした大廣間おほひろまなかは四五十でふおもはるゝ、薄暗うすぐら障子しやうじかず眞中まんなかあたり。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
わつとつて、一同いちどう逆雪頽さかなだれ飛出とびだしたとおもふと、もと大廣間おほひろまで、儼然げんぜんとしてかべ異彩いさいはなつ。
画の裡 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)