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おほひろま
到頭其處に
深さ
殆んど四五
寸の
大きな
池が
出來て、
大廣間が
半分も
浸つて
了ひました。
上段づきの
大廣間、
正面一段高い
處に、
疊二疊もあらうと
思ふ、
恰も
炎の
池の
如き
眞鍮の
大火鉢、
炭火の
烈々としたのを
前に
控へて、
唯見る
一個の
大丈夫。
手を
緊めて、
差窺ふ、
母屋の、
遠く
幽なやうな
帳場から、
明の
末が
茫と
屆く。
池に
面した
大廣間、
中は四五十
疊と
思はるゝ、
薄暗い
障子の
數の
眞中あたり。