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塵
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ごみ
ふりがな文庫
“
塵
(
ごみ
)” の例文
病葉
(
わくらば
)
も若葉も、
塵
(
ごみ
)
のように舞って、人々の鎧へ吹きつけて来るし、炊事している
兵站部
(
へいたんぶ
)
の、薪のけむりが風圧のために地を低く這って
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
娑婆
(
しゃば
)
にある大きな蒸汽機械も折々休息をさせて
大掃除
(
おおそうじ
)
もしなければ
塵
(
ごみ
)
が
溜
(
た
)
まったり油が切れたりして
直
(
じ
)
きに機械が壊れてしまう。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
浪「貴方がお
誂
(
あつら
)
えだと申して
塵
(
ごみ
)
だらけの
瓢
(
ふくべ
)
を持ってまいりましたが、
彼
(
あれ
)
はお
花活
(
はないけ
)
に遊ばしましても余り
好
(
よ
)
い姿ではございません」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
数年前まで、
塵
(
ごみ
)
捨場であつたその辺は、見渡すほど広い空地になつてゐて、その黒い腐つた、土塊は肥料いらずであつた。
泥鰌
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
お咲は突っかかって来る悲しみを、押えきれないで、
塵
(
ごみ
)
くさい咲二の足につかまって泣き伏してしまった。それでも咲二は、涙を浮べさえしない。
日は輝けり
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
▼ もっと見る
塵
(
ごみ
)
と一
處
(
しよ
)
に
穴
(
あな
)
の
中
(
なか
)
へ
落
(
お
)
ちて
居
(
ゐ
)
たのを、
博士
(
はかせ
)
が
戯
(
たはむ
)
れに
取出
(
とりだ
)
されたので、
之
(
これ
)
は一
抔
(
ぱい
)
頂戴
(
てうだい
)
したと、一
同
(
どう
)
クツ/\
笑
(
わら
)
ひ。
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
きらきらと、
塵
(
ごみ
)
のようなものが浮かんで地表を離れていくのが見えたが、それはおびただしい人間の群だった。
ふしぎ国探検
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
お前達が空つぽの貝殻を見る事があるのは、前にはかたつむりが這入つてゐたのだが、それが死んで了つて
塵
(
ごみ
)
になつたので、その家だけが残つてゐるものなんだ。
科学の不思議
(新字旧仮名)
/
ジャン・アンリ・ファーブル
(著)
棚の上なぞを片付ける時には、まだ見た事もないものや、忘れ果てゝ居たものなどが、ひよつこり出て来るので、お末と力三とは
塵
(
ごみ
)
だらけになつて隅々を尋ね廻つた。
お末の死
(新字旧仮名)
/
有島武郎
(著)
女学生のでこでこした
庇髪
(
ひさしがみ
)
が赤ちゃけて、油についた
塵
(
ごみ
)
が
二目
(
ふため
)
と見られぬほどきたならしい。一同黙っていずれも唇を半開きにしたまま
遣
(
や
)
り
場
(
ば
)
のない目で
互
(
たがい
)
に顔を見合わしている。
深川の唄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
いつも
門口
(
かどぐち
)
に来ると、杖のさきでぱっ/\と
塵
(
ごみ
)
を掃く真似をする。其
響
(
おと
)
を聞いたばかりで、安さんと
分
(
わか
)
った。「おゝそれながら……」と中音で
拍子
(
ひょうし
)
をとって戸口に立つこともある。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
井伏さんは窓外の山桜を見ようとして、汽車の窓をあけ、目に
塵
(
ごみ
)
を入れてしまう。
井伏鱒二によせて
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
「どうしたんでしょう。あんな大きな
塵
(
ごみ
)
があるわ。だんだん大きくなるようよ。」
幻の彼方
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
それは、
咳嗽菽豆
(
くしゃみそらまめ
)
に似た清潔好きな小草で、
塵
(
ごみ
)
がはいると
咳嗽
(
くしゃみ
)
のようなガスをだす。そして、いきんだように葉をまっ赤にして、しばらく、ぜいぜい
呼吸
(
いき
)
をきるように茎をうごかしている。
人外魔境:03 天母峰
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
膝の下でソッと
塵
(
ごみ
)
を払いながら、小さな咳払いを一つ二つした。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
汁茶碗の手を少し下げ、箸の手を蕎麦箱へ伸ばして、蕎麦のたまにたかっている
塵
(
ごみ
)
でも取っているのか、何か
挟
(
はさ
)
んでは、窓の外へ
抛
(
ほう
)
っていた。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
数年前まで、
塵
(
ごみ
)
捨場であつたその辺は、見渡すほど広い空地になつてゐて、その黒い腐つた、土塊は肥料いらずであつた。
小熊秀雄全集-15:小説
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
小「何故
大地
(
ぢびた
)
を
甜
(
な
)
める、汚ならしい、
塵
(
ごみ
)
でも這入ってるといかないから止せ……御用の会符でも立って
居
(
お
)
るか見ろ」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
置いてある御馳走へは畳の
塵
(
ごみ
)
が舞い上って自然と
溜
(
た
)
まるし、長い時間中には
蠅
(
はい
)
が飛んで来て不潔な
汚点
(
しみ
)
をつける。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
膝を抱えて小さくうずくまっている禰宜様宮田は、うっとりと、
塵
(
ごみ
)
くさい大きな肩と肩の間からチロチロと美しく燃える火を見ながら、あてどもない考えに耽るのが常であった。
禰宜様宮田
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
汽車で明す夜といえば動揺する睡眠に
身体
(
からだ
)
も頭も
散々
(
さんざん
)
な目に逢う。動いて行く箱の中で腰の痛さに目が覚める。皮膚が
垢
(
あか
)
だらけになったような気がする。いろいろな
塵
(
ごみ
)
が髪と眼の中へ飛込む。
夏の町
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
震災は大地からあらゆる女の
塵
(
ごみ
)
をたたき出したらしい。
東京人の堕落時代
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
「エエ、
塵
(
ごみ
)
が
入
(
へい
)
った……」と背中へ手を突っこみながらふりかえってみると、
蓆
(
むしろ
)
をかぶせた四角い荷物。
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
暑い暑いと言出してから早くも半月ばかり雨は一滴も降らず、日毎きびしく照りつける日の光に、町中はどこも
彼処
(
かしこ
)
も焼跡のような
塵
(
ごみ
)
だらけで、歩道のほとりの並木は大分枯れかかっている。
夏すがた
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
竹の打ち付け窓に
煤
(
すゝ
)
だらけの障子を建て、脇に
欅
(
けやき
)
の板に人相墨色白翁堂勇齋と記して有りますが、家の前などは掃除などした事はないと見え、
塵
(
ごみ
)
だらけゆえ、孝助は足を
爪立
(
つまだ
)
てながら
中
(
うち
)
に
入
(
い
)
り
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
乾燥は
極
(
ご
)
くの禁物で乾燥すると細菌が空気中へ舞い上って外の人の鼻や口へ入ります。それさえ既に気味が悪くなって溜まらん処へボーイが
箒
(
ほうき
)
を持って来て床の
塵
(
ごみ
)
や細菌をパッパッと掃き立てます。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
店では夕方の取片づけにせわしく、一日の
塵
(
ごみ
)
を掃き出し打水を撒き、八
間
(
けん
)
に灯を入れなどしている最中
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
塵
漢検準1級
部首:⼟
14画
“塵”を含む語句
塵埃
塵芥
砂塵
黄塵
微塵
粉微塵
塵溜
塵払
塵塚
承塵
塵取
塵労
塵屑
風塵
汚塵
塵土
塵垢
藍微塵
木端微塵
木葉微塵
...