塲處ばしよ)” の例文
つね/″\たからのやうに大事だいじがりて、につくものずいりし手綱染たづなぞめおびあげもそのまゝにありけり、いつも小遣こづがひの塲處ばしよなる鏡臺きようだい引出ひきだしをけてるに
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
それを友伯父ともをぢさんはよくつてましたから、ほそ竿さをさきかへるにくし、んではちにつきさうな塲處ばしよに立てゝ、べつにするちひさなにくにはかみきれをしばりつけてしてきました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
つやつゝみのしらべ、三味さみ音色ねいろことかゝぬ塲處ばしよも、まつりは別物べつものとりいちけては一ねんにぎはひぞかし、三島みしまさま小野照をのてるさま、お隣社となりづからけまじのきそこゝろをかしく
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
たのしい御休處おんやすみどころとうさんが祖母おばあさんからもらつて金米糖こんぺいたうなぞをちひさなかばんから取出とりだすのも、その御休處おんやすみどころでした。塲處ばしよによりましては、つめた清水しみづとひをつたつて休茶屋やすみぢややのすぐわきながれてます。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
總領そうりようのるたまがころがるとはらぬか、やがてきあげて貴樣きさまたちに正月しやうぐわつをさせるぞと、伊皿子いさらごあたりの貧乏人びんぼうにんよろこばして、大晦日おほみそかてに大呑おほのみの塲處ばしよもさだめぬ。
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
三五らう口惜くやしさをみつぶして七日十日とほどをふれば、いたみの塲處ばしよなほるとともそのうらめしさも何時いつしかわすれて、かしらいへあかぼうりをして二せん駄賃だちんをうれしがり、ねん/\よ、おころりよ
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)