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再興
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さいこう
「伊那丸どの、お返し申す
品はこのなかにある。すなわち、それは
武田家のご
再興になくてかなわぬ
什宝、
御旗楯無の
名器でござりますぞ」
夫切絶て
此落語と
云ふものはなかつたのでございます。
夫より
降つて
天明四
年に
至り、
落語と
云ふものが
再興いたしました。
其方儀不正の
儀無之而已ならず
我が家の
衰頽を
再興せんことを年來心掛
貯はへたる金子を
惜む事なく叔母早へ
分與へたるは
仁なり義なり
憑司昌次郎と
交りを
絶身を退ひたるは智なり又梅を
呉の
孫權、
或時、
曹再興をして
屏風に
畫かしむ、
畫伯筆を
取つて
誤つて
落して
素きに
點打つ。
因つてごまかして、
蠅となす、
孫權其の
眞なることを
疑うて
手を
以て
彈いて
姫を
顧みて
笑ふといへり。
それから
一時中絶した
我楽多文庫です、
吉岡書籍店が
引受けて見たいと
云ふので、
直に
再興させて、
文庫と
改題して、
形を
菊版に
直しました、
是は
新著百種の
壱号が出ると
間も無く
発行したので
私もお
前のやうな大きな
身代になりたい、
国の
家が
潰れたから
江戸で
稼いで、
国の
家を
再興したいと思つて出て
来たのだから、どうか
資本を
貸してくれと
云ふと、
多助がそりやアいけない
そなたが、うしなった
甲斐の領土の
甲斐源氏の
家を
再興したいという
願望は、まさしく
孝である、
正義である、男子のなすべき
事業である。だが、考えてたもれ、今は
天下大事な
秋である。
一日も早く
成長させて藤崎の家を
再興せらるゝが佛へ
對し何よりの
追善なりと
言諭されて
悔し涙に暮ながら唯此上は
悴道之助が一日も早く成長なし
札の
辻にて十兵衞とやらを殺害なしたる本人を
や、や、や! ではこの
伊那丸が、かくまで心をくだいて、
武田家の
再興を
計っているのに、お父上には、もう
現世の争闘をお
忌みあそばして、まったく、心からの
世捨人とおなりなされたのですか