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人力
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じんりき
ふりがな文庫
“
人力
(
じんりき
)” の例文
その名
千代香
(
ちよか
)
は女学生か看護婦の引越同様、わけもなく表の車屋を呼んで来て、
柳行李
(
やなぎごうり
)
に風呂敷包、それに鏡台一つを
人力
(
じんりき
)
に積ませ
夏すがた
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
それから
人力
(
じんりき
)
にゆられて夜ふけの
日比谷御門
(
ひびやごもん
)
をぬけ、暗いさびしい寒い練兵場わきの
濠端
(
ほりばた
)
を抜けて
中六番町
(
なかろくばんちょう
)
の住み家へ帰って行った。
銀座アルプス
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
さて新道が出来ると
人力
(
じんりき
)
が通る。荷車は
干魚
(
ほしうを
)
などを積んで通る。郵便
脚夫
(
きやくふ
)
が走る。後には
乗合馬車
(
のりあひばしや
)
が通り、
新発田
(
しばた
)
の第十六
聯隊
(
れんたい
)
も通つた。
念珠集
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
まだ馬車もなく電車は無論のこと、
人力
(
じんりき
)
に乗るなど
贅沢
(
ぜいたく
)
な
生計
(
くらし
)
ではないので、てくてく四谷から、何か重そうなものを背負わされて戻った。
幕末維新懐古談:54 好き狆のモデルを得たはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
勇ましく
馳
(
か
)
けて来た二
梃
(
ちょう
)
の
人力
(
じんりき
)
がまた追い越すのかと思ったら、大仏を横に見て、西洋軒のなかに掛声ながら引き込んだ。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
そも/\此
輴
(
そり
)
といふ物、雪国第一の用具。
人力
(
じんりき
)
を
助
(
たすくる
)
事船と車に
同
(
おなじ
)
く、
且
(
そのうへ
)
に
作
(
つく
)
る事
最易
(
いとやす
)
きは
図
(
づ
)
を見て知るべし。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
それから毎日、一雄はお医者さまからくれた青い眼がねをかけて、おばあさんと二人——まだ電車のない時分でしたから——
合乗
(
あいのり
)
の
人力
(
じんりき
)
で、眼科の病院へ通いました。
祖母
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
「輪タク……おどかすない。あんなもん、貴様にできたらおなぐさみだ。おれも
人力
(
じんりき
)
を挽いたことはあるが、腕力をあんな風に使うのは損だ、どうだ、ひとつ、面白い商売を教えようか?」
光は影を
(新字新仮名)
/
岸田国士
(著)
いたいたしくやせほそりたる
吾
(
あ
)
の母の
人力
(
じんりき
)
車にのるをながめたるかも
小熊秀雄全集-01:短歌集
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
見附
(
みつけ
)
を
入
(
はひ
)
つて、
牛込
(
うしごめ
)
から、
飯田町
(
いひだまち
)
へ
曲
(
まが
)
るあたりの
帳場
(
ちやうば
)
に、(
人力
(
じんりき
)
)を
附着
(
くツつ
)
けて、
一寸
(
ちよつと
)
(
分
(
ふん
)
)の
字
(
じ
)
の
形
(
かたち
)
にしたのに、
車
(
くるま
)
をつくりに
添
(
そ
)
へて、
大
(
おほ
)
きく
一字
(
いちじ
)
にした
横看板
(
よこかんばん
)
を、
通
(
とほ
)
りがかりに
見
(
み
)
て、それを
先生
(
せんせい
)
に
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
酒肴
(
さけさかな
)
を
誂
(
あつら
)
え、一杯
遣
(
や
)
って居りながら考えましたが、これから先
人力
(
じんりき
)
を雇って
往
(
ゆ
)
きたいが、此の宿屋から雇って貰っては、足が附いてはならんからと一人で飛出し、途中から知れん
車夫
(
くるまや
)
を連れてまいり
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
何も
急
(
せ
)
く旅でもなしいっそ
人力
(
じんりき
)
で五十三次も面白かろうと、トウトウそれと
極
(
きま
)
ってからかれこれ一月の
果
(
はて
)
を車の上
車
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
そも/\此
輴
(
そり
)
といふ物、雪国第一の用具。
人力
(
じんりき
)
を
助
(
たすくる
)
事船と車に
同
(
おなじ
)
く、
且
(
そのうへ
)
に
作
(
つく
)
る事
最易
(
いとやす
)
きは
図
(
づ
)
を見て知るべし。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
時々門前を
人力
(
じんりき
)
が通るが、通り過ぎた
後
(
あと
)
は一段と淋しい。わが決心と云い、わが意気と云い台所の光景と云い、
四辺
(
しへん
)
の
寂寞
(
せきばく
)
と云い、全体の感じが
悉
(
ことごと
)
く悲壮である。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
これは
避
(
よ
)
けろといふ合図に相違ないから、父は当然避けるだらうとおもつてゐると依然として避けない。その
刹那
(
せつな
)
にどしんといふ音がして
人力
(
じんりき
)
の
梶棒
(
かぢぼう
)
がいきなり僕の尻のところに突当つた。
念珠集
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
動物園の前に大口あいて立つ
田舎漢
(
いなかもの
)
、乗車をすゝむる
人力
(
じんりき
)
、イラッシャイを叫ぶ茶店の女など並ぶるは
管
(
くだ
)
なり。
半日ある記
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
呼ばれた本人は、知らぬ
気
(
げ
)
に、来る人を
避
(
よ
)
けて早足に行く。抜き
競
(
くら
)
をして飛んで来た二
輛
(
りょう
)
の
人力
(
じんりき
)
に
遮
(
さえ
)
ぎられて、間はますます遠くなる。
宗近
(
むねちか
)
君は胸を出して
馳
(
か
)
け出した。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
此雪を
取除
(
とりのけん
)
とするには
人力
(
じんりき
)
と
銭財
(
せんざい
)
とを
費
(
つひや
)
すゆゑ、
寸導
(
せめて
)
は
壇
(
だん
)
を作りて
途
(
みち
)
を
開
(
ひら
)
く也。そも/\初雪より歳を越て雪
消
(
きゆ
)
るまでの事を
繁細
(
はんさい
)
に記さば小冊には
尽
(
つく
)
しがたし、ゆゑに
省
(
はぶき
)
てしるさゞる事甚多し。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
いよいよ東京を立って
横浜
(
よこはま
)
までは汽車で行ったが、当時それから西はもう鉄道はなかったので、汽船で
神戸
(
こうべ
)
まで行くか
人力
(
じんりき
)
で京都まで行くほかはなかった。
蒸発皿
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
残る一つの「
鞍上
(
あんじょう
)
」はちょっとわれわれに縁が遠い。これに代わるべき
人力
(
じんりき
)
や自動車も少なくも東京市中ではあまり落ち着いた気分を養うには適しないようである。
路傍の草
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
会場の入口には自動車や
人力
(
じんりき
)
が群がって、西洋人や、立派な服装をした人達が流れ込んでいた。玄関から狭い廊下をくぐって案内された座席は舞台の真正面であった。
雑記(Ⅰ)
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
引きちがえて入り来る西洋人のたけ低く顔のたけも著しく短きが赤き顔にこればかり立派なる
鬚
(
ひげ
)
ひねりながら煙草を
人力
(
じんりき
)
に買わせて向側のプラットフォームに腰をかけ煙草取り出して鬚を
東上記
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
西郷の銅像の後ろから
黒門
(
くろもん
)
の前へぬけて動物園の方へ曲ると外国の水兵が
人力
(
じんりき
)
と何か
八釜
(
やかま
)
しく云って
直
(
ね
)
ぶみをしていたが話が
纏
(
まと
)
まらなかったと見えて間もなく商品陳列所の方へ行ってしまった。
根岸庵を訪う記
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
“人力”の解説
人力(en: Human power)とは、人間を動力源とする動力。
(出典:Wikipedia)
人
常用漢字
小1
部首:⼈
2画
力
常用漢字
小1
部首:⼒
2画
“人力”で始まる語句
人力車
人力曳
人力車夫
人力挽
人力俥夫
人力車人
人力車宿
人力車屋
人力車挽