中村なかむら)” の例文
だんいん六人と、それからけいしちょうの中村なかむらけいぶに話をして、けいじ六人をつれ、あくる日のひるごろ、石村さんの家にやって来ました。
かいじん二十めんそう (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
月島丸つきしままるが沈没して、その捜索が問題となった時に、中村なかむら先生がいろいろの考案をされて、当時学生であったわれわれがお手伝いをして予備実験をやった。
(新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
大正七年十月のある夜、中村なかむら少将、——当時の軍参謀中村少佐は、西洋風の応接室に、火のついたハヴァナをくわえながら、ぼんやり安楽椅子によりかかっていた。
将軍 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
秀吉はときどき、尾張おわり中村なかむらで村の餓鬼大将がきだいしょうだった時代のような言葉づかいを、ちょいちょいつかう。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今は加西郡の大和村と一緒になって八千代村となっているが、それから昔の中村なかむら、今の多可郡中町なかちょうへかけて、多可郡でもいちばん繁華な、広い開けた土地だろうと思う。
故郷七十年 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
中村なかむらさんと唐突だしぬけ背中せなかたゝかれてオヤとへれば束髪そくはつの一むれなにてかおむつましいことゝ無遠慮ぶゑんりよの一ごんたれがはなくちびるをもれしことばあと同音どうおんわらごゑ夜風よかぜのこしてはしくを
闇桜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
自身の友であつた中村なかむらおつると云ふ人の親の家へ通ひ女中になつて行つて居ました。
月夜 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
女形おやまといえば、中村なかむらとみろうをはじめ、芳沢よしざわあやめにしろ、中村なかむら喜代きよろうにしろ、または中村粂太郎なかむらくめたろうにしろ、中村松江なかむらしょうこうにしろ、十にんいれば十にんがいずれもそろって上方下かみがたくだりの人達ひとたちであるなか
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
今度こんどは……だいばんめを、中村なかむらさん、ておきなさい。」
残された日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
電話口によびだされたのは、捜査一課の中村なかむら警部でした。中村警部は、いま日本じゅうをさわがせているR怪人の係りのひとりだったからです。
妖星人R (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
三十分ののち、中佐は紙巻をくわえながら、やはり同参謀の中村なかむら少佐と、村はずれの空地あきちを歩いていた。
将軍 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
あやまつた/\いまのはみんなうそうして中村なかむら令嬢れいぢやう千代子君ちよこくんともいはれるひとがそんな御注文ちうもんをなさらうはずがない良之助りやうのすけたしかにうけたまはつてまゐつたものは。ようございますなにりません。
闇桜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
明智探偵は、マユミさんが見まちがえなんかするはずはないとおもいましたので、すぐに、友だちの警視庁の中村なかむら警部に、このことをしらせました。
塔上の奇術師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
大学生の中村なかむらうすい春のオヴァ・コオトの下に彼自身の体温を感じながら、仄暗ほのぐらい石の階段を博物館の二階へ登っていった。階段を登りつめた左にあるのは爬虫類はちゅうるい標本室ひょうほんしつである。
早春 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
園生そのふうゑてもかくれなきもの中村なかむらのおぢやうさんとあらぬひとにまでうはさゝるゝ美人びじんもうるさきものぞかしさても習慣しふくわんこそは可笑をかしけれ北風きたかぜそらにいかのぼりうならせて電信でんしんはしら邪魔じやまくさかりしむかしはわれむかしおもへど良之助りやうのすけ千代ちよむかふときは
闇桜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
……御依頼により埋葬つかまつ……と小生とかの蕗屋の三人のみに有之これあり……右につきとくと御談合申上度もうしあげたく……郷表ごうおもて(一二字分不明)六三中村なかむら……御一読の上は必ず火中……
一寸法師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
次に中村なかむら君はかう云つてゐる。
解嘲 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
警視庁の中村なかむら捜査係長は、まず主人の壮太郎氏と、犯罪現場の書斎で面会して、事件のてんまつをくわしく聞きとったうえ、ひととおり邸内の人々を取りしらべてから
怪人二十面相 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
中村なかむらさん。
少年探偵団員で、中学一年の中村なかむら君と、有田ありた君と、長島ながしま君の三人は、大のなかよしでした。
電人M (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
中村なかむらさん。
永久に不愉快な二重生活 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
それからしばらくすると、警視庁の中村なかむら警部が、三人の部下を引きつれてかけつけてきましたが、これという、新しい発見があったわけでもありませんから、そのことははぶきます。
おれは二十面相だ (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
この事件担当の中村なかむら捜査係長もいあわせ、殿村の報告を聞きますと、ともかくその真偽をたしかめてみようということに一決して、部下の刑事数名を引きつれ、二台の自動車に分乗して
妖怪博士 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
と叫んでおいて、赤電話の受話器をとると、まず、一一九をまわして、火事の場所を知らせたあとで、警視庁の捜査課を呼びだし、知りあいの中村なかむら警部に、いそいで、ことのしだいをつげました。
魔法人形 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
たしかに、あやしいマンホールです。鉄管なんか一つも通ってません。それに、コンクリートのひみつ戸があるんですが、どうしても、あきません。警視庁の中村なかむらさんにれんらくして、コンクリートを
怪人と少年探偵 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
それから篠崎君のしらせによって、ちょうど篠崎家にあわした、警視庁の中村なかむら捜査係長が、数名の部下をひきつれ、自動車をとばして、洋館にかけつけるまでに、およそ二十分の時間がすぎました。
少年探偵団 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)