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一句
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いつく
「おや
宗さん、
少時御目に
掛ゝらないうちに、
大變御老けなすつた
事」といふ
一句であつた。
御米は
其折始めて
叔父夫婦に
紹介された。
月雪花は
魯か
犬が
子を
産んだとては
一句を
作り
猫が
肴を
窃んだとては
一杯を
飲み
何かにつけて
途方もなく
嬉しがる事おかめが
甘酒に
酔ふと
仝じ。
この
一句、
二句は、『
月や
昔の
月にあらぬ。
春や
昔の
春ならぬ』といふのがほんとうなのです。
歌でなく
普通の
文章なら、さう
書かねばとほりません。
さうすると、おほくめの
命の
歌も、
片歌の
音數を
増して、
早く
謠はれたものとおもふ
外はありません。
最初の
一句は、『やまとのたかさじ
野』の
十音から
出來てゐます。
若い
人の、
窶れ
顏に、
血の
色が
颯と
上つて、——
國々島々、
方々が、いづれもお
分りのないとある、
唯一句、
不思議な、
短かい、
鸚鵡の
聲と
申すのを、
私が
先へ
申して
見ませう……もしや?……
一句・
二句の
景色は、
西行にその
強い
力のあることが
窺はれます。