“きえん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
気焔66.4%
気燄9.8%
機縁7.7%
奇縁4.2%
氣焔3.5%
枳園1.4%
気炎0.7%
喜猿0.7%
帰園0.7%
忌縁0.7%
棄損0.7%
毀垣0.7%
気㷔0.7%
氣燄0.7%
淇園0.7%
綺筵0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それすこぎて、ポカ/\するかぜが、髯面ひげつらころとなると、もうおもく、あたまがボーツとして、ひた気焔きえんあがらなくなつてしまふ。
背負揚 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
原稿料を手に入れた時だけ、急に下宿の飯を不味まずがって、晩飯には近所の西洋料理店レストーラントへ行き、髭の先に麦酒ビヤーの泡を着けて、万丈の気燄きえんを吐いていたのだから
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
その青年は彼の論文を読み、それを機縁きえんに社会主義者になつた。が、勿論そんなことは彼には全然わからなかつた。
或社会主義者 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
ところがこんなところで、ばったりとサミユル博士と出会うとは、なんという奇縁きえんであろうか。
怪星ガン (新字新仮名) / 海野十三(著)
兒玉こだま先程來さきほどらいおほくちひらかず、微笑びせうして人々ひと/″\氣焔きえんきいたが、いま突然とつぜん出身しゆつしん學校がくかうはれたので、一寸ちよつとくちひらなかつたのである。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
この年に森枳園きえんは、これまで抽斎の弟子、即ち伊沢蘭軒の孫弟子であったのに、去って直ちに蘭軒に従学することになった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「おいM、明日あすはしっかりやってくれ、日本人の名声をあげるには絶好ぜっこうの機会だ、どうか祖国のために万丈ばんじょう気炎きえんをはいてくれ!」
国際射的大競技 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
ふたたび起こる喝采かっさいの声! かくてM大尉エムたいいは第一等の栄冠えいかんて、予定通りわが日本のために万丈ばんじょう気炎きえんをはきました。
国際射的大競技 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
喜猿きえんのどび六、実は十平次、乞食が侍に化けると云ふ役廻りほどありて、思ひ切つて臭さ味をふりまはせり。
両座の「山門」評 (新字旧仮名) / 三木竹二(著)
広小路ひろこうじの方まで行って寿司屋すしやだのおでん屋などに飛び込み、一時半か二時にもなってヒョックリ帰園きえんいたしますこともございますので、その日も多分いつものでんだろうと
爬虫館事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
むかし北条長時が何かの忌縁きえんに建てたものだという。いかにもびた禅室ですぐ裏の泉谷山には朝夕からすばかり啼いていた。それに時は十一月。枯木寒鴉図こぼくかんあずそのままな冬木立の中でもあった。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
些少なる棄損きえんのいかに大いなる功徳くどくをなすべきかを諷し試みたれども、人々は只だその笑止なることなるかなとて、肩をそびやかして相視たるのみにて、眞面目にこれにこたふるものなく
太掖勾陳処処。薄暮毀垣春雨裏。〔太掖たいえき勾陳こうちん処処しょしょうたがう。薄暮はくぼ毀垣きえん 春雨しゅんううち
スルトる洋学者が大に気㷔きえんはいて、政府が差配人さはいにんを無視して下肥の利をもっぱらにせんとは、れは所謂いわゆる圧制政府である、昔し/\亜米利加アメリカ国民はその本国英の政府より輸入の茶に課税したるをいきどお
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
華文家はまことの思索家の言葉には含蓄多くして修飾少きを、乾燥なりと笑ひ、氣燄きえんなしと嘲りて、おのれが音節をとゝのへ、誇張を事としたる文の中に、果敢はかなき思想を包みたるを恥とせず。
柵草紙の山房論文 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
淇園きえん一筆』に、大内おおうち甲子祭きのえねまつりの夜紫宸殿ししんでんの大黒柱に供物を祭り、こと一張で四辻殿林歌の曲を奏す。
天保五年の正月においては、米百俵に附き百四十五両余の相庭そうばとなり、餓莩がひょう路に満つの状ありき。「黄金はなはだ重く天下軽し」、小民怨嗟えんさの声は、貴人の綺筵きえんに達せず。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)