氣焔きえん)” の例文
新字:気焔
お辰の氣焔きえんは虹のやう、さう言はれる孫三郎が、ツイ隣の家に冷たい死骸になつてゐることなどは勘定にも入れてない樣子です。
銭形平次捕物控:311 鬼女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
兒玉こだま先程來さきほどらいおほくちひらかず、微笑びせうして人々ひと/″\氣焔きえんきいたが、いま突然とつぜん出身しゆつしん學校がくかうはれたので、一寸ちよつとくちひらなかつたのである。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
A なかには隨分ずゐぶん長文ちやうぶん氣焔きえんいてよこしてるひともあるぢやないか。だれみはしないだらうに。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
が、各々おの/\その懷中くわいちうたいして、憤懣ふんまん不平ふへい勃々ぼつ/\たるものがある。したがつて氣焔きえんおびたゞしい。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
たくかこんでてんでに氣焔きえん猛烈まうれつなるはふまでもないことで、政論せいろんあり、人物評じんぶつひやうあり、經濟策けいざいさくあり
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
平次も、お舟の氣焔きえんには少したじ/\と來ました。
氣焔きえんと、殺風景さつぷうけいしてるべしだ。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
勝手かつて氣焔きえんもやゝくたぶれたころで、けだ話頭わとうてんじてすこしたたゞれをいやさうといふつもりらしい。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)