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機縁
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きえん
ふりがな文庫
“
機縁
(
きえん
)” の例文
「歎異抄」を一貫して流れている思想によって、
煩悩熾盛
(
ぼんのうしじょう
)
・
罪悪深重
(
ざいあくしんちょう
)
の自覚を呼びさます
機縁
(
きえん
)
となっているせいなのかもしれない。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
その青年は彼の論文を読み、それを
機縁
(
きえん
)
に社会主義者になつた。が、勿論そんなことは彼には全然わからなかつた。
或社会主義者
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
心
(
こゝろ
)
のうちに、この
青年
(
せいねん
)
がどういふ
機縁
(
きえん
)
の
元
(
もと
)
に、
思
(
おも
)
ひ
切
(
き
)
つて
頭
(
あたま
)
を
剃
(
そ
)
つたものだらうかと
考
(
かんが
)
へて、
其
(
その
)
樣子
(
やうす
)
のしとやかな
所
(
ところ
)
を、
何
(
なん
)
となく
憐
(
あは
)
れに
思
(
おも
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
作るものに外国の品を
真似
(
まね
)
たものをほとんど見かけません。そんなものの存在を知る
機縁
(
きえん
)
がないともいえましょう。それらの土地の伝統は根強いのであります。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
まじめになって、友人を
諫
(
いさ
)
めたためにあるいは
友誼
(
ゆうぎ
)
を破り、あるいは他人の心に反抗心を
惹
(
ひ
)
き起こさせて、いっそう彼を
堕落
(
だらく
)
せしむるの
機縁
(
きえん
)
となることがある。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
▼ もっと見る
機縁
(
きえん
)
は熟して、その年十月十七日
神甞祭
(
かんなめさい
)
の日に、玉の如く
美
(
うる
)
わしくはないが、玉の如く丸い男の子が出生した。日どりの
関係
(
かんけい
)
は、神さまがよくさばいていたのである。
親は眺めて考えている
(新字新仮名)
/
金森徳次郎
(著)
東京でまた店を開きたいという話を聞いて、私のできている新新訳『源氏物語』の話をし、そんなことが
機縁
(
きえん
)
になって東京で氏の再起がかなえばよいと相談した。氏は喜んでくれた。
『新新訳源氏物語』あとがき
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
常に同一手段を用いて
参詣客
(
さんけいきゃく
)
の病気を
癒
(
なお
)
した二百七十三件の事実があり、被告杉沢清次郎が、藤原平三を憎んでの
祈祷
(
きとう
)
を
機縁
(
きえん
)
として、藤原平三の猟犬ジョンの頭を硫酸にて焼き、約二週間の後には
或る部落の五つの話
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
暫
(
しばら
)
く休息した上島原へ引返したが、私は自分の探勝を
機縁
(
きえん
)
として、この谷の島原名所の一つに加えられることを喜ぶと共に、その美しい自然が——岩の間に群生する石楠花や、つつじや、しのぶや
雲仙岳
(新字新仮名)
/
菊池幽芳
(著)
が、とにかくこれを
機縁
(
きえん
)
として私達は話し合うようになった。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
名馬の盗難が
機縁
(
きえん
)
となって三
山
(
ざん
)
の
怪雄
(
かいゆう
)
どもを一つにする事
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして、その渾名の中には、入浴時のある発見や
偶然
(
ぐうぜん
)
のできごとを
機縁
(
きえん
)
にして
命名
(
めいめい
)
されたものも少なくはなかった。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
かれは、しかし、つぎの
瞬間
(
しゅんかん
)
には、かえってその言葉を
機縁
(
きえん
)
に、自分を勇気づけていた。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
“機縁”の意味
《名詞》
機 縁(きえん)
事柄が起こり、または、特定の状態になるきっかけ。
(仏教)教えを求める資質が、教えを説くための条件であること。
(出典:Wiktionary)
機
常用漢字
小4
部首:⽊
16画
縁
常用漢字
中学
部首:⽷
15画
“機”で始まる語句
機
機嫌
機会
機械
機會
機関
機織
機屋
機微
機智