順礼じゆんれい)” の例文
旧字:順禮
るたけ順礼じゆんれいとほくよけて、——人気配ひとけはひうしろ振向ふりむけた、銀杏返ゐてふがへし影法師かげばふしについて、横障子よこしやうじうらまはつた。みせうら行抜ゆきぬけである。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
これよりのち此農夫のうふ家をすてむすめをつれて順礼じゆんれいにいでけり。ちかき事なれば人のよくしれるはなしなり。
順礼じゆんれいの子はひとりをふくらませ
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
信者しんじや善光寺ぜんくわうじ身延みのぶ順礼じゆんれいるほどなねがひだつたのが、——いざ、今度こんど、ととき信仰しんかうにぶつて、遊山ゆさんつた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
これよりのち此農夫のうふ家をすてむすめをつれて順礼じゆんれいにいでけり。ちかき事なれば人のよくしれるはなしなり。
去年きよねん御坊様おばうさま親子連おやこづれ順礼じゆんれい間違まちがへてはいつたといふで、はれ大変たいへんな、乞食こじきたやうなものぢやといふて、人命じんめいかはりはねえ、おツかけてたすけべいと、巡査様おまはりさまが三にんむらもの十二人じふにゝん
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
年賀にはひとふしかはりたる趣向しゆかうといひ、順礼じゆんれいに五放舎とたはふれたる名もおもしろく、友人とともにおどろきかんじ、宿やど施行せぎやうせん、ゆる/\ものがたりせんなど、友人もさま/″\にすゝめたれど
順礼じゆんれいのお盥髪たらひがみさへ、此方こつちそむき、やうしろをせて、びしや/\とところを——(なくともいのに)にすると、あだかあぶらさしがうつせにくろがねそこのぞく、かんてらのうへ
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
年賀にはひとふしかはりたる趣向しゆかうといひ、順礼じゆんれいに五放舎とたはふれたる名もおもしろく、友人とともにおどろきかんじ、宿やど施行せぎやうせん、ゆる/\ものがたりせんなど、友人もさま/″\にすゝめたれど
背中せなかに、むつとして、いきれたやうな可厭いやこゑこれは、とると、すれちがつて、とほざま振向ふりむいたのは、真夜中まよなかあめ饂飩うどんつた、かみの一すぢならびの、くちびるたゞれたあの順礼じゆんれいである。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
順礼じゆんれい夫婦ふうふ軒下のきしたに(我が里言には廊下といふ)たちけり。
順礼じゆんれい夫婦ふうふ軒下のきしたに(我が里言には廊下といふ)たちけり。
順礼じゆんれいがとぼ/\と一人ひとりた。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)