“藏(ざう)” の例文
新字:蔵
寶鼎(はうてい)金虎(きんこ)を存(そん)し、芝田(しでん)白鴉(はくあ)を養(やしな)ふ。一瓢(いつぺう)に造化(ざうくわ)を藏(ざう)し、三尺(さんじやく)妖邪(えうじや)を斬(き)り、逡巡(しゆんじゆん)の酒(さけ)を造(つく)ることを解(かい)し、また能(よ)く頃刻(けいこく)の花(はな)を開(ひら)かしむ。
花間文字 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
さる頃(ころ)はがきにて處用(しよよう)と申こしたる文面(ぶんめん)は男(おとこ)の通(とほ)りにて名書(なが)きも六藏(ざう)の分(ぶん)なりしかど、手跡(しゆせき)大分(だいぶ)あがりて見(み)よげに成(な)りしと父親(ちゝおや)の自(じ)まんより
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
それでも有繋(さすが)に深(ふか)く水(みづ)を藏(ざう)して居(ゐ)る土(つち)は垢(あか)の如(ごと)き表皮(へうひ)のみを掻(か)き拂(はら)つて行(ゆ)く疾風(しつぷう)の爲(ため)には容易(ようい)に其(そ)の力(ちから)を失(うしな)はないで
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
小娘(こむすめ)は、恐(おそ)らくはこれから奉公先(ほうこうさき)へ赴(おもむ)かうとしてゐる小娘(こむすめ)は、その懷(ふところ)に藏(ざう)してゐた幾顆(いくくわ)の蜜柑(みかん)を窓(まど)から投(な)げて、わざわざ踏切(ふみき)りまで見送(みおく)りに來(き)た弟(をとうと)たちの勞(らう)に報(むく)いたのである。
蜜柑 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
吾(われ)之(これ)を聞(き)く、良賈(りやうこ)は(四)深(ふか)く藏(ざう)して・虚(きよ)なるが若(ごと)く、君子(くんし)は盛徳(せいとく)ありて容貌(ようばう)愚(ぐ)なるが若(ごと)しと。子(し)の(五)驕氣(けうき)と多欲(たよく)と(六)態色(たいしよく)と(七)淫志(いんし)とを去(さ)れ。是(こ)れ皆(みな)子(し)の身(み)に益(えき)無(な)し。
六藏(ざう)といふ通(かよ)ひ番頭(ばんとう)の筆(ふで)にて此樣(このやう)の迎(むか)ひ状(ぶみ)いやとは言(い)ひがたし。
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)