トップ
>
矢庭
>
やには
ふりがな文庫
“
矢庭
(
やには
)” の例文
と
今
(
いま
)
は
慌
(
あはたゞ
)
しく
成
(
な
)
つた。
青年
(
わかもの
)
は
矢庭
(
やには
)
に
頸
(
うなじ
)
を
抱
(
だ
)
き、
膝
(
ひざ
)
なりに
背
(
せ
)
を
向
(
むか
)
ふへ
捻廻
(
ねぢま
)
はすやうにして、
我
(
わ
)
が
胸
(
むね
)
を
前
(
まへ
)
へ
捻
(
ひね
)
つて、
押仰向
(
おしあふむ
)
けた
婦
(
をんな
)
の
顔
(
かほ
)
。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
矢庭
(
やには
)
に二人とも
生捕
(
いけどり
)
引立
(
ひきたて
)
しは心地よくこそ見えたりけり
依
(
よつ
)
て二人とも入牢申付られしが吉原に
在
(
あり
)
し
手負
(
ておひ
)
の平四郎は四日
目
(
め
)
に
相果
(
あひはて
)
し故
檢視
(
けんし
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
『えい、ふざけたり/\、
海賊
(
かいぞく
)
共
(
ども
)
、
眼
(
め
)
に
物
(
もの
)
見
(
み
)
せて
呉
(
く
)
れんづ。』と
矢庭
(
やには
)
に
左舷
(
さげん
)
八
吋
(
インチ
)
速射砲
(
そくしやほう
)
の
方
(
ほう
)
へ
馳
(
は
)
せたが、
忽
(
たちま
)
ち
心付
(
こゝろづ
)
いた、
夫
(
そ
)
れ
海軍々律
(
かいぐんぐんりつ
)
は
嚴
(
げん
)
として
泰山
(
たいざん
)
の
如
(
ごと
)
し
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
谷間の山壁に押しこめられたやうな、階段の下の
仄昏
(
ほのぐら
)
い土間に立つて、富岡は
矢庭
(
やには
)
におせいを抱いた。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
「実はかうしたいからなんだ。」棕隠は箸でもつて
矢庭
(
やには
)
に山陽の焼肴と自分のとを取りかへた。「ね、
魚
(
うを
)
は右にあつたつて、左にあつたつて一向差支ないんだらう。」
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
▼ もっと見る
矢庭
(
やには
)
に
引捕
(
ひつとら
)
へて
官
(
くわん
)
に
訴
(
うつた
)
へると二の
句
(
く
)
もなく
伏罪
(
ふくざい
)
したので、石の
在所
(
ありか
)
も
判明
(
はんめい
)
した。
官吏
(
やくにん
)
は
直
(
す
)
ぐ石を
取寄
(
とりよ
)
せて一見すると、これ亦た
忽
(
たちま
)
ち
慾心
(
よくしん
)
を
起
(
おこ
)
し、これは
官
(
くわん
)
に
没收
(
ぼつしう
)
するぞと
嚴
(
おごそ
)
かに
言
(
い
)
ひ
渡
(
わた
)
した。
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
待構へてゐた二人の侍は押取刀で
矢庭
(
やには
)
に
襖
(
ふすま
)
をあけた。閉め込んだ部屋のなかには春の夜の生あたゝかい空氣が重く沈んで、陰つたやうな行燈の灯は
瞬
(
またた
)
きもせずに
母子
(
おやこ
)
の枕もとを見つめてゐた。
半七捕物帳:01 お文の魂
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
と
直
(
す
)
ぐに
答
(
こた
)
へて、
坂上
(
さかがみ
)
は
其
(
そ
)
のまゝ
立留
(
たちど
)
まつて、
振向
(
ふりむ
)
いた……ひやりと
肩
(
かた
)
から
窘
(
すく
)
みながら、
矢庭
(
やには
)
に
吠
(
ほ
)
える
犬
(
いぬ
)
に、(
畜生
(
ちくしやう
)
、)とて
擬勢
(
ぎせい
)
を
示
(
しめ
)
す
意氣組
(
いきぐみ
)
である。
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
三度目が
愈々
(
いよ/\
)
の
正念場
(
しやうねんば
)
で、
扉
(
と
)
を閉めて暫く待つてゐると、
興
(
きよう
)
にはづんだ狐の脚音がして、尻尾の
扉
(
と
)
に触る音が聞えたか聞えぬかに、
矢庭
(
やには
)
に
扉
(
と
)
を引開けると、後向きに尻尾を振りあげた狐は
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
と
唸
(
うな
)
つて、
矢庭
(
やには
)
に
抱込
(
だきこ
)
むのを、
引離
(
ひきはな
)
す。むつくり
起直
(
おきなほ
)
る。
一席話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
矢
常用漢字
小2
部首:⽮
5画
庭
常用漢字
小3
部首:⼴
10画
“矢”で始まる語句
矢張
矢
矢鱈
矢立
矢絣
矢来
矢先
矢弾
矢筈
矢文