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盲
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し
ふりがな文庫
“
盲
(
し
)” の例文
春琴の顔のありかと思われる
仄白
(
ほのじろ
)
い円光の射して来る方へ
盲
(
し
)
いた眼を向けるとよくも決心してくれました
嬉
(
うれ
)
しゅう思うぞえ
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
彼等が人々を
折檻
(
せつかん
)
する時に、人々は無上の快楽を感ずるなり、
我眼
(
わがめ
)
曇れるか、彼等の眼
盲
(
し
)
ひたる
乎
(
か
)
、之を断ずる者は誰ぞ。
我牢獄
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
草ごめや
蛙
(
かはづ
)
のこゑの、夜に聴けばくくくとふくむ。おもしろよ
盲目
(
めしひ
)
の蛙、かいろ、くく、暗しとを啼く。
盲
(
し
)
ひぬ
盲
(
し
)
ひぬ、くくく。惜しや惜しや、くくく。
黒檜
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
目の
盲
(
し
)
ひたお婆さんは、車に乗ると眼が
眩
(
まは
)
ると言ふので、昔
御国替
(
おくにが
)
への時乗つて来たやうな
軽尻馬
(
からしりうま
)
をわざわざ仕立てゝ、町の通をほつくり/\と
遣
(
や
)
つて来た。
朝
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
という声濁りて、
痘痕
(
とうこん
)
の
充
(
み
)
てる
頬骨
(
ほおぼね
)
高き老顔の酒気を帯びたるに、一眼の
盲
(
し
)
いたるがいとものすごきものとなりて、
拉
(
とりひし
)
ぐばかり力を
籠
(
こ
)
めて、お香の肩を
掴
(
つか
)
み動かし
夜行巡査
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
眼
盲
(
し
)
いたるに如何でかかる山の上にはあるならんと疑いつ、呼び入れて問いただすに、秩父に生れ秩父に老いたるものの事とて世はなれたる山の上を憂しともせず
知々夫紀行
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
目の白く
盲
(
し
)
ひたる
群
(
むれ
)
の争ひて走るが如きイザル川かな
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
これや我が目の
俄
(
には
)
かにも
盲
(
し
)
ひしならめ。
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
目
(
め
)
こそ
盲
(
し
)
ひぬれ。
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
たとえば
己
(
おの
)
が目は
盲
(
し
)
いたるに、少年の
眼
(
まなこ
)
は秋の水のごとく、清く澄んで星のごとく輝くのである。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
七十近い
禿頭
(
はげあたま
)
の
老爺
(
らうや
)
が
傍
(
そば
)
に小さく坐つて居る六十五六の目のひたと
盲
(
し
)
ひた老婆にかう言ふと
朝
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
だがそうとばかりも思えないのは、そんな場合に何かしら別なことを考えながら遠い所へ心を
馳
(
は
)
せているような様子が見えて、とき/″\ぽたりと、
盲
(
し
)
いた眼から涙を落すことがあった。一度娘は
聞書抄:第二盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
そのごとも
盲
(
し
)
ふる子が眼を乞ひ
祷
(
の
)
むと
手触
(
たふ
)
りなげかす父は子が眼を
黒檜
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
目の
盲
(
し
)
ひたれば、手探りに
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
東京に行つて、知らぬ土地の土になるのは
厭
(
いや
)
だ! かう目の
盲
(
し
)
ひた婆さんは言つた。
朝
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
三味線
背負
(
しょ
)
つた乞食坊主が、
引掻
(
ひっか
)
くやうにもぞ/\と肩を
揺
(
ゆす
)
ると、
一眼
(
いちがん
)
ひたと
盲
(
し
)
ひた、
眇
(
めっかち
)
の青ぶくれの
面
(
かお
)
を向けて、
恁
(
こ
)
う、
引傾
(
ひっかたが
)
つて、
熟
(
じっ
)
と紫玉の其の
状
(
さま
)
を
視
(
み
)
ると、肩を
抽
(
ぬ
)
いた
杖
(
つえ
)
の
尖
(
さき
)
が
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
我が観るはむしろ用なしけだしただ
盲
(
し
)
ひつつくらき眼にぞ堪へゐむ
黒檜
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
或る時は狂いつゝ、遂に一生かのおん方の幻影を
盲
(
し
)
いた眼から消すことが出来ず、迷いに迷って
塚守
(
つかもり
)
になったいきさつを、もっと
委
(
くわ
)
しく書き記したいのであるが、それらはいずれ「聞書後抄」と題し
聞書抄:第二盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
引掻
(
ひっか
)
くようにもぞもぞと肩を
揺
(
ゆす
)
ると、一眼ひたと
盲
(
し
)
いた、
眇
(
めっかち
)
の青ぶくれの
面
(
かお
)
を向けて、こう、
引傾
(
ひっかたが
)
って、
熟
(
じっ
)
と紫玉のその
状
(
さま
)
を視ると、肩を
抽
(
ぬ
)
いた
杖
(
つえ
)
の
尖
(
さき
)
が、一度胸へ
引込
(
ひっこ
)
んで、
前屈
(
まえかが
)
みに
伯爵の釵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
目は
盲
(
し
)
ひて
笑
(
ゑまひ
)
かすかにおはすなり月のひかりの照らす
面白
(
おもじろ
)
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
と
女
(
むすめ
)
の顔を
瞻
(
みまも
)
れる、一眼
盲
(
し
)
いて
片眼
(
へんがん
)
鋭し。女はギックリとしたる
様
(
さま
)
なり。
夜行巡査
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
目は
盲
(
し
)
ひて
笑
(
ゑまひ
)
かすかにおはすなり月のひかりの照らす
面白
(
おもじろ
)
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
眉が薄く、鼻がひしゃげて、ソレその唇の厚い事、おまけに頬骨がギシと出て、歯を
噛
(
か
)
むとガチガチと鳴りそう。左の一眼べとりと
盲
(
し
)
い、右が
白眼
(
しろまなこ
)
で、ぐるりと
飜
(
かえ
)
った、しかも一面、念入の
黒痘瘡
(
くろあばた
)
だ。
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
濃霧
(
のうむ
)
はそそぐ……いつしかに虫も
盲
(
し
)
ひつつ
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
頬は
太
(
いた
)
く
痩
(
こ
)
けて、
眼
(
まなこ
)
は
窅然
(
がっくり
)
と
陥
(
くぼ
)
みて
盲
(
し
)
いたり。
取舵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
あはれ、
盲
(
し
)
ひたる白き目に花とりあてて
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
そがうへに
瞳
(
ひとみ
)
盲
(
し
)
ひたる
嬰児
(
みどりご
)
ぞ戯れあそぶ。
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
たゆらに
嘆
(
なげ
)
き、
白蝋
(
はくらふ
)
の
盲
(
し
)
ひゆく涙。——
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
盲
常用漢字
中学
部首:⽬
8画
“盲”を含む語句
盲目
盲人
明盲
文盲
盲者
目盲
盲女
盲滅法
盲目滅法
俄盲目
盲探
盲目的
色盲
盲唖
盲信
盲暦
膏盲
盲御前
盲目突
盲昧
...