熱火ねつくわ)” の例文
しかれどもべつ社界しやかい大弊根たいへいこんながそんするありて、壯年有爲そうねんゆういをして徃々おう/\にして熱火ねつくわ焔柱ゑんちういだくの苦慘くさんこゝろよしとせしむることあり。
罪と罰(内田不知庵訳) (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
村落むら人々ひと/″\つたへて田圃たんぼはやしえて、あひだ各自かくじ體力たいりよく消耗せうまうしつゝけつけるまでにはおほきなむね熱火ねつくわを四はうあふつてちた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
ぼくは一ねんこゝにおよべば倫理學者りんりがくしや健全先生けんぜんせんせい批評家ひゝやうか、なんといふ動物どうぶつ地球外ちきうぐわい放逐はうちくしたくなる、西印度にしいんど猛烈まうれつなる火山くわざんよ、何故なにゆゑなんぢ熱火ねつくわ此種このしゆ動物どうぶつ頭上づじやうにはそゝがざりしぞ!
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
洞中どうちう秘密造船所ひみつざうせんじよなかでは、海底戰鬪艇かいていせんとうていほうでも、わたくしほうでも、鎔鐵爐ようてつろ冶金爐等やきんろとうから㷔々えん/\熱火ねつくわひかり魔神まじん紅舌したのごとく、たがひうちおろす大鐵槌だいてつついひゞきは、寂寞じやくばくたる洞窟どうくつ鳴動めいどうして
かれはそれをそつと大事だいじそばあつめた。茶碗ちやわんさらすべての陶磁器たうじき熱火ねつくわねてしまつて一つでもやくつものはなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
かれ熱火ねつくわかれてひとりめたなたかますべての刄物はものはもうやくにはたなかつた。かれ完全くわんぜんたもたれたものはかれ自分じぶんたのんで唐鍬たうぐはのみである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)