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火蓋
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ひぶた
ふりがな文庫
“
火蓋
(
ひぶた
)” の例文
これではいかんと、大正二年に
李烈鈞
(
りれつきん
)
が第二革命の
火蓋
(
ひぶた
)
を切って、各地に反袁軍が
蹶起
(
けっき
)
したのだが、袁世凱の弾圧でこれも敗れた。
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
すぐ様、
火蓋
(
ひぶた
)
を切ったものか、又は、様子をうかがったものか、瞬間、迷った。ほかの七人も棒立ちになって、一人の中山服を見つめた。
前哨
(新字新仮名)
/
黒島伝治
(著)
二人の
少壮士官
(
しょうそうしかん
)
は、一しょに
駈
(
か
)
けだしていった。それを
合図
(
あいず
)
のように、シュペー号の主砲六門は、一せいに
火蓋
(
ひぶた
)
を切った。
沈没男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
しばらくすると、急いで操縦された二個の砲は、
角面堡
(
かくめんほう
)
に向かって正面から
火蓋
(
ひぶた
)
を切った。戦列歩兵や郊外国民兵らの銃火も、砲兵を
掩護
(
えんご
)
した。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
彼女が初めに一つ
火蓋
(
ひぶた
)
を切ってから、ひどくおびえて
拳銃
(
けんじゅう
)
を下げ、死人のように青くなって彼を凝視していた、あの時と寸分ちがわぬ姿だった。
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
▼ もっと見る
二月
革命
××
の
火蓋
(
ひぶた
)
を切った勤労婦人たちは、十月
革命
××
においてはもっと積極的な役割を演ずるようになっていた。
十月革命と婦人の解放
(新字新仮名)
/
野呂栄太郎
(著)
しかもあまりに急いで、
弾
(
たま
)
の届くところまで近寄らないうちに
火蓋
(
ひぶた
)
を切ったので、鳥はそのまま飛び去ってしまった。
鷲
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
そこで再び銃をとり直し、慎重の上にも慎重に狙ひを定めて
火蓋
(
ひぶた
)
を切つた。何しろこの僕が腕に
縒
(
よ
)
りをかけた一発だ。頭は三たび丘の蔭に落ちたんだ。
三つの挿話
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
そこで、弁信がお銀様を相手に、かくも弁論の
火蓋
(
ひぶた
)
を切り出したものだということが、はっきりと入って来ました。
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
いままでの、
意地
(
いじ
)
や
興味
(
きょうみ
)
など
超越
(
ちょうえつ
)
して、ある
運命
(
うんめい
)
とものすごい
殺気
(
さっき
)
をはらみかけた
番外
(
ばんがい
)
五
番
(
ばん
)
試合
(
じあい
)
は、こうしてまさにその
火蓋
(
ひぶた
)
を切られようとしている。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
明治二十四年十二月十八日、代議士田中正造は、第二議会へ始めて「足尾銅山鉱毒加害の儀に付質問書」を提出して、
茲
(
こゝ
)
に足尾銅山鉱業停止の
火蓋
(
ひぶた
)
を切つた。
政治の破産者・田中正造
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
両軍の衝突はまず浪士側から切った
火蓋
(
ひぶた
)
で開始された。山の上にも、谷口にも、砲声はわくように起こった。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
そして、正勝は腕を組み、唇を噛み締めてじっと
俯
(
うつむ
)
いていた。
嵐
(
あらし
)
を
孕
(
はら
)
める沈黙だ。いままさに、鉄砲の
火蓋
(
ひぶた
)
が切って落とされようとしているような沈黙だった。
恐怖城
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
フランスの全罷業が大波を打ち上げてようやく鎮まりかかったとき、スペインの動乱が
火蓋
(
ひぶた
)
を切った。
厨房日記
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
そこで井上が先づ舌戰の
火蓋
(
ひぶた
)
を切つた。自分が再度まで尋ねるのは、貴殿を非凡の人だと聞き及んで、物事を相談し、場合によつては指南を受けようと思ふからである。
栗山大膳
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
そして本当に両家の不和は、合戦の
火蓋
(
ひぶた
)
を切らないことには納まらないところまで迫っていた。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
かくてはからず時をうつし日も
暮
(
くれ
)
かゝる
皈
(
かへ
)
りみち、やがて吾が村へ入らんとする雪の山
蔭
(
かげ
)
に
狼
(
おほかみ
)
物を
喰
(
くら
)
ふを見つけ、
矢頃
(
やごろ
)
にねらひより
火蓋
(
ひぶた
)
をきりしにあやまたずうちおとしぬ。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
◯そして第二回戦の
火蓋
(
ひぶた
)
を
真先
(
まっさき
)
に切ったものは、例に
依
(
よ
)
って長老のエリパズである。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
きたるべき戦争においては、世界主義者や平和主義者なども、革命国約議会の先人たちと同じように、民衆の幸福と平和の勝利とのためだと信じながら、銃砲の
火蓋
(
ひぶた
)
を切るに違いない……。
ジャン・クリストフ:12 第十巻 新しき日
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
こういって、彼は、その
額
(
ひたい
)
に猟銃の
筒先
(
つつさき
)
を押しあてる。そして
火蓋
(
ひぶた
)
を切る。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
見ると蒲生勢は
凜
(
りん
)
としている、其頃の言葉に云う「
戦
(
たたかい
)
を持っている」のである。戦を持っているというのは、何時でも
火蓋
(
ひぶた
)
を切って遣りつけて呉れよう、というのである。コレハと思ったに違いない。
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
航空母艦から飛び出して、敵艦隊の動静を
窺
(
うかが
)
っていた両軍の偵察機隊が、
定石通
(
じょうせきどお
)
りぶっつかって行った。真先に
火蓋
(
ひぶた
)
を切ったのは、米国軍だった。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
防寨
(
ぼうさい
)
は全部
火蓋
(
ひぶた
)
を切った。その射撃は猛烈だった。
雪崩
(
なだれ
)
のような煙は、砲門と兵士らとをおおい隠した。数秒ののち煙が散ると、大砲と兵士らとが再び見えた。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
はやくもそれと知った
丹羽昌仙
(
にわしょうせん
)
が、
望楼
(
ぼうろう
)
のうえから
南蛮銃
(
なんばんじゅう
)
の
筒口
(
つつぐち
)
をそろえて、はげしく
火蓋
(
ひぶた
)
を切ってきた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
むしろ芝居はこれからで、模擬戦は、その陣押しだけで、
火蓋
(
ひぶた
)
はちっとも切られている次第ではない——
大菩薩峠:33 不破の関の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
物に慣れている弥太郎は、鳥の影がもう着弾距離に入ったと見ても、まだ容易に
火蓋
(
ひぶた
)
を切らなかった。
鷲
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
かくてはからず時をうつし日も
暮
(
くれ
)
かゝる
皈
(
かへ
)
りみち、やがて吾が村へ入らんとする雪の山
蔭
(
かげ
)
に
狼
(
おほかみ
)
物を
喰
(
くら
)
ふを見つけ、
矢頃
(
やごろ
)
にねらひより
火蓋
(
ひぶた
)
をきりしにあやまたずうちおとしぬ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
と同時に
火蓋
(
ひぶた
)
が切られ白煙りがパッと立ち上がり
木精
(
こだま
)
が四方から返って来た。
加利福尼亜の宝島:(お伽冒険談)
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
女たちは人道の段の上に残って叫び出した。——かくて、貴族的な小中流人のオリヴィエは、だれよりも戦いをもっとも好んでいなかったにもかかわらず、戦いの
火蓋
(
ひぶた
)
を切ったのだった……。
ジャン・クリストフ:11 第九巻 燃ゆる荊
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
せせら笑っていると、ふいに、
家
(
いえ
)
のなかから
轟然
(
ごうぜん
)
たる爆音とともに、
火蓋
(
ひぶた
)
を切った
種子島
(
たねがしま
)
のねらい
撃
(
う
)
ち。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
海岸の高射砲は一せいに
火蓋
(
ひぶた
)
をきった。その煙の間を縫うようにして、見る見る敵機は市街の上……。
空襲警報
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
長く沈黙を守っていた
防寨
(
ぼうさい
)
は、おどり立って
火蓋
(
ひぶた
)
を切った。七、八回の
一斉射撃
(
いっせいしゃげき
)
は、一種の憤激と喜悦とをもって相次いで行なわれた。街路は濃い
硝煙
(
しょうえん
)
に満たされた。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
林の茂みに
覘
(
ねら
)
いをつけていた金蔵は、このとき
赫
(
かっ
)
としてあわや
火蓋
(
ひぶた
)
を切ろうとしたのを、あわてて、傍に見ていた
鍛冶倉
(
かじくら
)
が押えたのは、時機まだ早しと見たのであろう。
大菩薩峠:04 三輪の神杉の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
暴風は荒れ出し、石は雨と降り、小銃は
火蓋
(
ひぶた
)
を切った。多くの者は河岸の下に飛びおり、セーヌ川の小さな支流を渡った。その小川は今日では埋まってしまっている。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
「いいえ、名誉です、十津川の一戦は勤王の
火蓋
(
ひぶた
)
でした、あなたがその名誉ある一戦に加わって、犠牲の負傷を残されたということは、大きなる
誉
(
ほま
)
れでなくて何でしょう」
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
国民の富豪に対する
怨恨
(
うらみ
)
がようやくに熟していたから
火蓋
(
ひぶた
)
が切られたのじゃ。
大菩薩峠:11 駒井能登守の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
土方歳三が、ついに
火蓋
(
ひぶた
)
を切って
大菩薩峠:39 京の夢おう坂の夢の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
火
常用漢字
小1
部首:⽕
4画
蓋
常用漢字
中学
部首:⾋
13画
“火”で始まる語句
火
火鉢
火傷
火照
火箸
火影
火焔
火桶
火光
火酒