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旦暮
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あけくれ
ふりがな文庫
“
旦暮
(
あけくれ
)” の例文
それから
片葉
(
かたは
)
の
蘆
(
あし
)
というのがござんす、帝様がこの土地へおいでになってから、
旦暮
(
あけくれ
)
都の空のみをながめて物を思うておいであそばした故
大菩薩峠:08 白根山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
甚兵衞聞出しければ彼が
留守
(
るす
)
へ忍び入て物せんと茲に
惡心
(
あくしん
)
を生じ
旦暮
(
あけくれ
)
道庵
(
だうあん
)
が
宅
(
たく
)
の樣子を
窺
(
うかゞ
)
ひ
或夜
(
あるよ
)
戌刻頃
(
いつゝごろ
)
來
(
きた
)
りて見れば表は
錠前
(
ぢやうまへ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
そは皆各所の山に分れて、
己
(
おの
)
が持場を守りたれば、常には洞の
辺
(
ほとり
)
にあらずただ
僕
(
やつがれ
)
とかの黒衣のみ、
旦暮
(
あけくれ
)
大王の
傍
(
かたわら
)
に侍りて、
他
(
かれ
)
が機嫌を
取
(
とる
)
ものから。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
旦暮
(
あけくれ
)
存じて居りましたが、
此様
(
こん
)
な山の中においでとは存じませんが、沼田の方にいらっしゃるという事ですから、日光から
山越
(
やまごし
)
をしてまいりましたも
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
遽
(
には
)
かに夜も昼も
香
(
かぐ
)
はしい夢を見る人となつて
旦暮
(
あけくれ
)
『若菜集』や『暮笛集』を懐にしては、程近い
田畔
(
たんぼ
)
の中にある小さい寺の、
巨
(
おほ
)
きい
栗樹
(
くりのき
)
の下の墓地へ行つて
葬列
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
▼ もっと見る
門檣あれて美玉ちりにかくるゝ
旦暮
(
あけくれ
)
のたゝずまひ悲しく、天道はどうでも善人に
與
(
くみ
)
したまはぬか、我が祖父、我が母、我が代までも、飛虫ひとつむざとは殺さじ
暗夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「函館さ」と十風は答へて、
旦暮
(
あけくれ
)
漬物で茶漬を掻込んで、質の出し入れに許り苦心してゐるやうでは東京に居ようが札幌に居ようがたいした相違がある譯では無い。
俳諧師
(旧字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
清閑の池亭の
中
(
うち
)
、仏前
唱名
(
しょうみょう
)
の
間々
(
あいあい
)
に、筆を執って仏
菩薩
(
ぼさつ
)
の
引接
(
いんじょう
)
を
承
(
う
)
けた善男善女の
往迹
(
おうじゃく
)
を物しずかに記した保胤の
旦暮
(
あけくれ
)
は、如何に
塵界
(
じんかい
)
を超脱した
清浄三昧
(
しょうじょうさんまい
)
のものであったろうか。
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
唯其折
(
ただそのをり
)
の形見には、涙の
隙
(
ひま
)
に拝しまゐらせ候
御姿
(
おんすがた
)
のみ、今に目に附き候て
旦暮
(
あけくれ
)
忘
(
わす
)
れやらず、あらぬ人の顔までも
御前様
(
おんまへさま
)
のやうに見え候て、此頃は心も空に泣暮し居りまゐらせ候。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
さすがに
幼馴染
(
おさななじみ
)
の葉石の、今は昔互いに
睦
(
むつ
)
み親しみつつ
旦暮
(
あけくれ
)
訪
(
と
)
いつ訪われつ教えを受けし事さえ多かりしを
懐
(
おも
)
い、また今の葉石とて妾に対して
露
(
つゆ
)
悪意のあるに
非
(
あら
)
ざるを察しやりては
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
この
迂愚
(
おろか
)
なる旅人が
旅宿
(
イン
)
を逭れて五日といふ
旦暮
(
あけくれ
)
は、これなる(かれは首から下げたズダ袋をはたく
科
(
しぐさ
)
をしてみせる)山蟻、あれなる黄蜂の巣、さては
天牛虫
(
かみきり
)
、油虫、これに
酢模
(
すかんぽ
)
、山独活をそへ
希臘十字
(新字旧仮名)
/
高祖保
(著)
何事も此ぎりと
旦暮
(
あけくれ
)
愀悒
(
しういう
)
嗟嘆
(
さたん
)
相極め居候、御深察可
レ
被
レ
下候。
遺牘
(旧字旧仮名)
/
西郷隆盛
(著)
我よりも母は忘れじ
旦暮
(
あけくれ
)
に
乳
(
ち
)
にとりつきしをさな心を
礼厳法師歌集
(新字旧仮名)
/
与謝野礼厳
(著)
虚妄の糸が
旦暮
(
あけくれ
)
この身に
纏
(
まつわ
)
って
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
旦暮
(
あけくれ
)
御折檻
(
おせつかん
)
遊ばし日夜おん
涙
(
なみだ
)
の
乾
(
かわ
)
く間もなく誠に/\
御愍然
(
いぢらしく
)
存じ上參らせ候
夫
(
それ
)
に付御
先代
(
せんだい
)
よりの御用人
衆
(
しう
)
と御
相談
(
さうだん
)
申上去る十二月廿二日の夜御二方樣を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
済まぬは花瀬が胸の
中
(
うち
)
、その日よりして物狂はしく。
旦暮
(
あけくれ
)
小屋にのみ入りて、与ふる
食物
(
かて
)
も
果敢々々敷
(
はかばかしく
)
は
喰
(
くら
)
はず。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
一ト間の
裡
(
うち
)
には預けられたお嬢さん、心に想う人があって
旦暮
(
あけくれ
)
忘れる暇はないけれど、堅い気象の伯父様が頑張って
居
(
い
)
るから、思うように逢う事も出来ず、唯くよ/\と案じ煩い
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
初めて人生の曙の光が動いて居ると氣が附いてから、遽かに夜も晝も
香
(
かぐ
)
はしい夢を見る人となつて、
旦暮
(
あけくれ
)
『若菜集』や『暮笛集』を懷にしては、程近い田圃の中にある小さい寺の
葬列
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
暦日のない
旦暮
(
あけくれ
)
に、遽かに
標
(
しめ
)
立つものの白さが、身に沁みてきた。
雪
(新字旧仮名)
/
高祖保
(著)
さてまた牡丹が
雄
(
おっと
)
文角
(
ぶんかく
)
といへるは、
性来
(
うまれえて
)
義気深き牛なりければ、花瀬が遺言を堅く守りて、黄金丸の養育に、
旦暮
(
あけくれ
)
心を傾けつつ、
数多
(
あまた
)
の
犢
(
こうし
)
の
群
(
むれ
)
に入れて。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
旦暮
(
あけくれ
)
に
妻子眷属
(
さいしけんぞく
)
衣食財宝にのみ心を尽して自ら病を求める、人には病は無いものじゃ、思う
念慮
(
ねんりょ
)
が重なるによって胸に詰って来ると
毛孔
(
けあな
)
が
開
(
ひら
)
いて風邪を引くような事になる、人間
元来
(
もと
)
病なく
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
“旦暮”の意味
《名詞》
朝と夕方。
少しの間、一朝一夕。
時機が差し迫っていること。
(出典:Wiktionary)
旦
常用漢字
中学
部首:⽇
5画
暮
常用漢字
小6
部首:⽇
14画
“旦”で始まる語句
旦那
旦
旦那様
旦夕
旦那樣
旦那衆
旦那寺
旦那方
旦藁
旦波