承諾しようだく)” の例文
しか今更いまさらなんとかとか長文句ながもんく手紙てがみけないものだから、『承諾しようだくい』といた電報でんぱうやう葉書はがきしたんだ、さうだ。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
長吉ちやうきちをば檜物町ひものちやうでも植木店うゑきだなでも何処どこでもいゝから一流の家元いへもと弟子入でしいりをさせたらばとおとよすゝめたがおとよは断じて承諾しようだくしなかつた。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
しか方法はうはふもないのでかれ地主ぢぬし哀訴あいそして小作米こさくまい半分はんぶんつぎあきまでしてもらつた。地主ぢぬし東隣ひがしどなり舊主人きうしゆじんであつたのでそれも承諾しようだくされた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
夫程におぼめして給はるからは此方も今は推辭いなむすべなし吾儕おのれ承諾しようだく致したが女兒むすめは如何と振返ふりかへり問れてお光は先程より父ときやくとの物語ものがたり昨日見染めた其人は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
近所で聞いてみると、大川屋の主人といふのは、働き盛りの四十男ですが、早く配偶つれあひを失ひ、先年吉原で馴染を重ねた華魁おいらん請出うけだして、親類の承諾しようだくを得て後添に直しました。
本當ほんたうやつなれば、今度こんどぼくくつしたをみてたまはるときれにもなにこしらへてたまはれ、よろしきか姉樣ねえさま屹度きつとぞかし姉樣ねえさま、と熱心ねつしんにたのみて、覺束おぼつかなき承諾しようだくことば其通そのとほさとしつたふれば
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
すると金港堂きんかうどうけんの話が有つて、硯友社けんいうしやとの関係をちたいやうな口吻くちぶりそれよろしいけれど、文庫ぶんこ連載れんさいしてある小説の続稿ぞくかうだけは送つてもらひたいとたのんだ、承諾しようだくした、しかるに一向いつかう寄来よこさん
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
瞽女ごぜ村落むらから村落むらの「まち」をわたつてあるいて毎年まいねんめてもら宿やどついてそれから村落中むらぢう戸毎こごとうたうてあるあひだに、處々ところ/″\一人分いちにんぶんづゝの晩餐ばんさん馳走ちそう承諾しようだくしてもらつてく。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)