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こんがん
ふりがな文庫
“
懇願
(
こんがん
)” の例文
私があれほど教えてくださいと
懇願
(
こんがん
)
していることに博士が
応
(
こた
)
えてくださらない限り、私は博士の有ること無いことを書きなぐって
今昔ばなし抱合兵団:――金博士シリーズ・4――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
真
(
ほん
)
の心得だけでもと度々
懇願
(
こんがん
)
するのだった。大した負担になることでもないし、和服姿の小柴さんと並んで坐れる仕事だ。快く折れよう。
四十不惑
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
成経
重盛
(
しげもり
)
が
懇願
(
こんがん
)
したからです。しかし結果は
残酷
(
ざんこく
)
ないたずらと同じになりました。ちょうど中を
隔
(
へだ
)
てた一つの
檻
(
おり
)
に親子の
獣
(
けもの
)
をつなぐように。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
数か月にわたる議論と
懇願
(
こんがん
)
と、
叱責
(
しっせき
)
と
慰撫
(
いぶ
)
とが続いた後、父親もとうとうわが子の熱心に動かされずにはいなかった。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
保吉はしばらく待たされた
後
(
のち
)
、
懇願
(
こんがん
)
するようにこう云った。主計官は肩越しにこちらを向いた。その
唇
(
くちびる
)
には明らかに「
直
(
すぐ
)
です」と云う言葉が出かかっていた。
保吉の手帳から
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
正当に
警戒
(
けいかい
)
し、
懇願
(
こんがん
)
して見ても
駄目
(
だめ
)
でしたら、妻自身も移り気の振りをして見せしめてやりなさい。それでもだめならあきらめるか、別れるか、どちらでも。
良人教育十四種
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
病人は暮方から熱が高まり、夜は悪夢にうなされて
譫言
(
たわごと
)
を言い、
屡〻
(
しばしば
)
水をもとめた。明方に漸く寝しずまるのが例であった。附添の男は和尚に
祈祷
(
きとう
)
を
懇願
(
こんがん
)
した。
閑山
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
すなわち
紹介
(
しょうかい
)
を求めて
軍艦奉行
(
ぐんかんぶぎょう
)
の
邸
(
やしき
)
に
伺候
(
しこう
)
し、
従僕
(
じゅうぼく
)
となりて
随行
(
ずいこう
)
せんことを
懇願
(
こんがん
)
せしに、奉行は
唯
(
ただ
)
一面識
(
いちめんしき
)
の
下
(
もと
)
に
容易
(
たやす
)
くこれを
許
(
ゆる
)
して
航海
(
こうかい
)
の
列
(
れつ
)
に加わるを得たり。
瘠我慢の説:05 福沢先生を憶う
(新字新仮名)
/
木村芥舟
(著)
あるいは
依頼
(
いらい
)
懇願
(
こんがん
)
するがごとく、あるいは
諄々
(
じゅんじゅん
)
として説くように、しきりに何かを明かしている弥生。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
少しの反抗もない警戒に、一
分
(
ぶ
)
の
懇願
(
こんがん
)
をまじえたような目であった。どうしてそのように近々と私たちを見るのかと、
訝
(
いぶ
)
かるような心持も感じられぬことはなかった。
野草雑記・野鳥雑記:02 野鳥雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
いろいろ
懇願
(
こんがん
)
したあげく、二里四方も
利
(
き
)
くという鼻を
譲
(
ゆず
)
ってやることに相談がきまりました。
天狗の鼻
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
「発信不許可の件其他重要の件につき一度御面謁を賜り御伺い御願いさせていたゞき度、恐入ります、一度至急に御呼出の上、御会いいたゞけますよう、
伏而
(
ふして
)
懇願
(
こんがん
)
いたします」
支倉事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
その中から、一群れの老民が道に
拝跪
(
はいき
)
しながら進みでて、曹操の馬前に
懇願
(
こんがん
)
した。
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
島田先生、いっこう竜之助の
懇願
(
こんがん
)
に取合いがなく、閉眼沈思の姿でありますから
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
久しい前から紋兵衛の邸へ
異形
(
いぎょう
)
の怪物が集まって来て、泣いたり
嚇
(
おど
)
したり
懇願
(
こんがん
)
したり、果ては
呪詛
(
のろい
)
の言葉を吐いたり、最後にはきっと声を揃え、「返してくだされ! 返してくだされ!」と
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
叮嚀
(
ていねい
)
に
懇願
(
こんがん
)
した。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
彼は新聞紙利用の脅迫状を、蠅の
木乃伊
(
ミイラ
)
とともに提出し、主人の
懇願
(
こんがん
)
の
筋
(
すじ
)
をくりかえして伝えて、
保護方
(
ほごかた
)
を頼んだ。
蠅男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
それにも一度この島に来なければならないことになれば、わしは上役に
懇願
(
こんがん
)
して、このありがたくない役目をだれかに代わってもらうこともできるだろう。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
姫の切なげな
懇願
(
こんがん
)
に昭青年は前後のわきまえも無くなって「では」と言って姫を川の中へ連れて入りました。
鯉魚
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
百川はことさら道鏡に
懇願
(
こんがん
)
して、その栄誉ある法王の生国河内の国守に任命してもらった。
道鏡
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
然
(
しか
)
れども先生は
従来
(
じゅうらい
)
他人の書に
序
(
じょ
)
を
賜
(
たま
)
いたること更になし、今
強
(
しい
)
てこれを先生に
煩
(
わずらわ
)
さんこと
然
(
しか
)
るべからずと
拒
(
こば
)
んで許さざりしに、
児
(
じ
)
竊
(
ひそ
)
かにこれを
携
(
たずさ
)
え先生の
許
(
もと
)
に至り
懇願
(
こんがん
)
せしかば
瘠我慢の説:05 福沢先生を憶う
(新字新仮名)
/
木村芥舟
(著)
しかし、京都は
徳川家
(
とくがわけ
)
の
勢力圏内
(
せいりょくけんない
)
ではない。ぜひお
手配
(
てはい
)
をわずらわしたい、との
懇願
(
こんがん
)
。事件、人物がまた
容易
(
ようい
)
ならぬ人、なんとへんじをしましょうかと、三人の
旗本
(
はたもと
)
がこもごも申したてた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
成経 野武士らはわしの
懇願
(
こんがん
)
を
下等
(
かとう
)
な
怒罵
(
どば
)
をもって拒絶した。そして扉を破って
闖入
(
ちんにゅう
)
し、
武者草鞋
(
むしゃわらじ
)
のままでわしの
館
(
やかた
)
を
蹂躪
(
じゅうりん
)
した。わしはすぐに飛び出て馬車に乗った。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
いつになくカビ博士が下手から出て、僕に
懇願
(
こんがん
)
せんばかりであった。
海底都市
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
と、
懇願
(
こんがん
)
して、助命を乞い、後に自分の家臣とした。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、信長へ
懇願
(
こんがん
)
している気持も充分つつまれていた。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、
懇願
(
こんがん
)
してゆるされた。
剣の四君子:02 柳生石舟斎
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“懇願”の意味
《名詞》
懇 願(こんがん 懇は「真心」の意味)
真心から願うこと。
(出典:Wiktionary)
懇
常用漢字
中学
部首:⼼
17画
願
常用漢字
小4
部首:⾴
19画
“懇”で始まる語句
懇
懇意
懇々
懇望
懇切
懇篤
懇請
懇談
懇親
懇親会