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大汗
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おほあせ
贈られ今日の第一番客なり
扨夕申刻頃よりして
立代り入代り語り
初をなす
淨瑠璃の
數々門弟は今日を
晴と見臺に向ひて
大汗を
帳場から
此處へ
參る
内も、
此の
通りの
大汗と、
四人の
車夫は
口を
揃へ、
精一杯、
後押で、お
供はいたして
見まするけれども、
前途のお
請合はいたされず。
盆前よりかけて
暑さの
時分をこれが
時よと
大汗になりての
勉強せはしなく、
揃へたる
籘を
天井から
釣下げて、しばしの
手數も
省かんとて
數のあがるを
樂しみに
脇目もふらぬ
樣あはれなり。
懷中して何國ともなく立去けり左仲は跡に
大汗拭き偖々危ふきめに逢しと
呟きながら道玄次郎が
投出したる一分の金を
二つの
手桶に
溢るゝほど
汲みて、十三は
入れねば
成らず、
大汗に
成りて
運びけるうち、
輪寳のすがりし
曲み
齒の
水ばき
下駄、
前鼻緒のゆる/\に
成りて、
指を
浮かさねば
他愛の
無きやう
成し
恐ろしいより、
夢と
知れて、
嬉しさが
前に
立つた。
暫時茫然として
居たが、
膚脱ぎに
成つて
大汗をしつとり
拭いた、
其の
手拭で
向う
顱卷をうんと
緊めて、
氣を
確乎と
持直して、すた/\と
歩行出す。
成るゝ樣私が永く守り上る程に然樣思召し下さるべし
返々も
嬉しや
忝けなしと云かと思へばコレ城富や/\と兩人の母に
起されにけるにぞ城富は
漸くに
眼を
覺し然すれば今のは夢にてありしやと
大汗を