大塚おほつか)” の例文
よく早速さつそくおわかりになりましたな、昨日きのふまで大塚おほつかにおまをしたので御座ござりますが何分なにぶんもう、そのなんだかしきいやにおなりなされて何處どこへかかうかうとおつしやる
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ひさしい以前いぜんだけれど、大塚おほつか火藥庫くわやくこわき、いまの電車でんしや車庫しやこのあたりにんでときあたかはるすゑころ少々せう/\待人まちびとがあつて、とほくからくるまおとを、ひろ植木屋うゑきやにはめんした
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
が、なんでも書けと云はれるなら、子規に関する夏目なつめ先生や大塚おほつか先生の談片を紹介しませう。これは子規を愛する人人にはに合せの子規論を聞かせられるよりも興味のあることと思ひますから。
正岡子規 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
權現臺ごんげんだい大塚おほつか洗足小池せんそくこいけ大池おほいけぎ、祥雲寺山しやううんじやまから奧澤おくざわた。
おお番町の旦那様とお三どんが真先にたすきをはづせば、そそくさは飛出していやお早いおいで、よく早速おわかりに成りましたな、昨日きのふまで大塚おほつかにお置き申したので御座りますが何分最早もう
うつせみ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
いま大塚おほつか樹立こだちはうからさつ光線くわうせん射越いこして、つゆ煌々きら/\する路傍ろばうくさへ、ちひさな片足かたあしれて、うへからりてものみちひらいて待構まちかまへると、まへとはちがひ、ゆるう、のさ/\とあらはれたは
山の手小景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
あま昨今さくこんいまはしいことはれると死期しきちかよつたかと取越とりこ苦勞ぐらうをやつてな、大塚おほつかうちにはなにむかひにるものがるなどゝさわぎをやるにつけてはゝつまらぬ易者えきしやなどにでももらつたか
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
いま憂慮きづかひなし。大塚おほつかより氷川ひかはりる、たら/\ざかは、あたか芳野世經氏宅よしのせいけいしたくもんについてまがる、むかし辻斬つじぎりありたり。こゝに幽靈坂いうれいざか猫又坂ねこまたざか、くらがりざかなどふあり、好事かうずたづぬべし。
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)