問答もんどう)” の例文
そこに審判官しんぱんかん評定官ひょうじょうかんのこらずがあつまって、問答もんどうをきくことになっていました。はじめの日うまく通れば、そのあくる日また来られます。
竹童ちくどう蚕婆かいこばばあ問答もんどうをよそにべっついの火にむかって煙草たばこをくゆらしていた脚絆きゃはんわらじの男が、ふいに戸外おもてへ飛びだしてきた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのとき問答もんどう全部ぜんぶをここでおつたえするわけにもまいりねますが、ただあなたがた御参考ごさんこうになりそうな個所ところは、るべくもれなくひろしましょう。
こんな問答もんどうを聞いていても、ブラック・マジックというものを知らない見物たちには、なんのことだかわかりません。
虎の牙 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
このうたかたちは、つまり、まへ問答もんどううたひとつとすれば、それなのです。萬葉集まんにようしゆうかられいをひいてると
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
逸作は好感から微笑してかの女と竹越との問答もんどうの済むのを待って、ゆっくり玄関口に立って居た。
かの女の朝 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
そのみちでとなりの女のあたらしい着物であるくのを見かけ、くやしいものだから甕の中から悪口をいう。その問答もんどうを島の言葉でこういうふうにいったと『壱岐島昔話集いきのしまむかしばなししゅう
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
商人と主人とは、たがいに問答もんどうをしていましたが、とうとうしまいに主人ははらを立てて
神様の布団 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
からすきつね問答もんどう驢馬ろばと小犬の問答、雄鶏おんどり雌鶏めんどりの問答などをのこらず知っています。動物どうぶつむかしは口をきいたということをひとからいても、ローズ・ブノワさんはちっともおどろきません。
母の話 (新字新仮名) / アナトール・フランス(著)
そしてその挨拶の中に、「長ちゃんも御丈夫ですか。」「はア、しかしあれにも困りきります。」というような問答もんどうから、用件は案外に早く蘿月の前に提出される事になったのである。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
たゞそれ咄嗟とつさあひだに、まへ問答もんどうつながりく、くちなかつたのである。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
みんなどこかへげたかな。噴火ふんかがあるのか。噴火じゃない。ペストか。ペストじゃない。またおれはひとりで問答もんどうをやっている。あの曖昧な犬だ。とにかく廊下ろうかのはじででも、ぬれた着物を
ガドルフの百合 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
それでは言う。私はセラの普通の僧侶で大学部に入って問答もんどう
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
岩窟がんくつの押し問答もんどう
人造人間エフ氏 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そのさい私達わたくしたちあいだかわされた問答もんどうなかには、多少たしょう皆様みなさま御参考ごさんこうになるところがあるようにおもわれますので、ついでにその要点ようてんだけここにもうへてきましょう。
そういう問答もんどうがあって、いよいよ小林という名探偵がやってくることになりました。
怪人二十面相 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
人穴城ひとあなじょう竹童ちくどうと初対面のときに、問答もんどうちゅうにかれがやってみせたことのある、呂宋兵衛得意の口術こうじゅつ、いま、いて糸をわたらせた金蜘蛛は、壁にはりついている大蝙蝠おおこうもりのそばへはいよったが
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
問答もんどう
四次元漂流 (新字新仮名) / 海野十三(著)
その問答もんどう大体だいたいんなところでおわりましたが、うした一人ひとりのやさしい指導者しどうしゃつかったことは、わたくしにとりて、どれだけ心強こころづよさであったかれませぬ。
森の中での問答もんどうがくわしくわかったわけではありませんが、道化服のチンドン屋が、タアちゃんをつれさろうとして、中途でよしてしまったらしいことだけは、おぼろげながらわかりました。
少年探偵団 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
広田は、あまりバカバカしい問答もんどうに、おもわず、声が高くなりました。
鉄塔の怪人 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)