危險あぶな)” の例文
新字:危険
おつぎはうしろはうかくれてた。勘次かんじはしを一ぽんつて危險あぶなものにでもさはるやうに平椀ひらわん馬鈴薯じやがたらいもそのさきしては一ぱいくちいて頬張ほゝばつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
彼所あすこがもうすこひろいといけれども」と危險あぶながるので、よく宗助そうすけからわらはれたことがあつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
あのやうな良人をつとなに不足ふそくつるぎ刃渡はわたりするやうな危險あぶな計較たくみをするのやら、可愛かあいさうにあのひと仲町なかまちねえさんまでを引合ひきあひにして三方さんばう四方しはううそかためて、此足このあしはまあ何處どこ
うらむらさき (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
『釧路座に五百人ぢや、棧敷が危險あぶないね。』
菊池君 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
危險あぶな御座ございます」とつて宜道ぎだう一足先ひとあしさきくら石段いしだんりた。宗助そうすけはあとからつゞいた。まちちがつてよるになると足元あしもとわるいので、宜道ぎだう提灯ちやうちんけてわづかちやうばかりみちらした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
かれ危險あぶなもとで間違まちがつておとしてははひにくるまつてもくちでふう/\といてでばた/\とたゝくのみであらふこともしなかつた。じり/\としろ火箸ひばしいたしほなが火箸ひばし臭氣しうきめた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「おつぎも身體からだみつしりしてたなあ、をんな廿はたちつちややくつなあ」とおつぎをていつた。勘次かんじ茶碗ちやわんからすこ飯粒めしつぶこぼしては危險あぶなつきではしつたまゝゆびさきつまんでくちつてつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)