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勧請
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かんじょう
ふりがな文庫
“
勧請
(
かんじょう
)” の例文
旧字:
勸請
知ることの浅く、尋ぬること怠るか、はたそれ
詣
(
もう
)
ずる人の少きにや、諸国の寺院に、夫人を安置し
勧請
(
かんじょう
)
するものを聞くこと
稀
(
まれ
)
なり。
一景話題
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
神棚はまた信心棚とも呼ばれ、そこに新たに
勧請
(
かんじょう
)
した神々も多くなり、それにつれて今まで祭り来った節日の神様にも名が出来た。
年中行事覚書
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
元禄五年板、洛下俳林子作『新百物語』二に金沢辺の甚三郎という商人、貧しくなり、大黒天を
勧請
(
かんじょう
)
して、甲子の日ごとに
懇
(
ねんごろ
)
にこれを祀る。
十二支考:11 鼠に関する民俗と信念
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
旧暦の六月
朔日
(
ついたち
)
には、市中と郊外にある富士山の形に
擬
(
なぞら
)
えた小富士や、富士権現を
勧請
(
かんじょう
)
した小社に、市民が陸続参詣した。
不尽の高根
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
尤
(
もっと
)
もその頃は牡鹿半島と陸続きであったろうと思われるが、とにかく
斯
(
こ
)
ういう場所を撰んで、神を
勧請
(
かんじょう
)
したという昔の人の聡明に驚かざるを得ない。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
けれども、この小祠に
勧請
(
かんじょう
)
した六柱の神々こそが、今日の祝宴の正座におかれてこそもっとも
相応
(
ふさわ
)
しいと考えられた。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
鶴ヶ岡
八幡宮
(
はちまんぐう
)
は、
康平
(
こうへい
)
の秋、ご父子が奥州征伐のご祈願に、
石清水
(
いわしみず
)
を
勧請
(
かんじょう
)
なされたのがその縁起であるやに聞いておる
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
然
(
しか
)
るにある
年
(
とし
)
八幡宮
(
はちまんぐう
)
がこの
鶴岡
(
つるがおか
)
に
勧請
(
かんじょう
)
されるにつけ、その
神木
(
しんぼく
)
として、
俺
(
わし
)
が
数
(
かず
)
ある
銀杏
(
いちょう
)
の
中
(
うち
)
から
選
(
えら
)
び
出
(
だ
)
され、ここに
移
(
うつ
)
し
植
(
う
)
えられることになったのじゃ。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
その地蔵尊が出来上ると、従来のお堂をとりひろげて
勧請
(
かんじょう
)
し、多摩川の岸までズッと
燈籠
(
とうろう
)
を立てました。
大菩薩峠:25 みちりやの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
いつの世に何人が
勧請
(
かんじょう
)
奉安したものか、本尊は智行法師作の霊像、そのいやちこな
御験
(
みしるし
)
にあずからんとして毎年この日は詣人群集、押すな押すなのにぎわいである。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
その白法師めの説法を
窃
(
ひそ
)
かに信じる者があり、宗介天狗を
勧請
(
かんじょう
)
した天狗の宮の
境内
(
けいだい
)
で毎夜毎夜
集会
(
つどい
)
をなし、その白法師を呼び迎え説法を聞く者があるということじゃ。
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
そういうちょっと異なものがあったから、古く保食神即ち稲荷なども
勧請
(
かんじょう
)
してあったかも知れぬ。
魔法修行者
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
町家
(
まちや
)
では、前の年の寒のうちに寒水でつくった餅を喰べてこの日を祝い、江戸富士詣りといって、
駒込
(
こまごめ
)
の
真光寺
(
しんこうじ
)
の地内に
勧請
(
かんじょう
)
した富士権現に詣り、
麦藁
(
むぎわら
)
でつくった
唐団扇
(
とううちわ
)
や氷餅
顎十郎捕物帳:08 氷献上
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
依
(
よっ
)
て、そのころ、山城国稲荷山をうつして
勧請
(
かんじょう
)
したというのだが、お末社が幅をきかしてしまって、
道灌
(
どうかん
)
が祷ったという神の名も記してない。秀郷祀るところの御本体も置いてない。
旧聞日本橋:24 鬼眼鏡と鉄屑ぶとり(続旧聞日本橋・その三)
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
聖日蓮
(
しょうにちれん
)
が
波木井郷
(
はきいごう
)
の豪族、波木井実長の
勧請
(
かんじょう
)
もだし難く、文永十一年この一廓に大法華の教旗をひるがえしてこのかた、
弘法済世
(
ぐほうさいせい
)
の法燈連綿としてここに四百年、教権の広大もさることながら
旗本退屈男:06 第六話 身延に現れた退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
故に古来最寄りの地点に
神明
(
しんめい
)
を
勧請
(
かんじょう
)
し、社を建て、
産土神
(
うぶすながみ
)
として朝夕参り、
朔望
(
さくぼう
)
には、必ず村中ことごとく参り、もって神恩を謝し、聖徳を仰ぐ。
神社合祀に関する意見
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
領主はおおむね都人士の血と趣味とを
嗣
(
つ
)
いでいたために、仏教の
側援
(
そくえん
)
ある中央の大社を
勧請
(
かんじょう
)
する方に傾いていたらしく、次第に今まであるものを改造して
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
そのせいか、赤坂のやしきの地内には、昔から豊川稲荷を
勧請
(
かんじょう
)
してあった。秋も末頃となり、木々の落葉がふるい落ちると、小さな
祠
(
ほこら
)
が、小高い雑木の丘に、
透
(
す
)
いて見える。
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
つづいての
尿前
(
しとまえ
)
ではまたしても総敗陣——鎮守府将軍八幡社に顔向けが出来ようか、われらの城地にこの神を
勧請
(
かんじょう
)
された政宗公に何とお
詫
(
わ
)
びをいたされる、ばかめ、ばかめ
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
頼朝卿
(
よりともきょう
)
東国追討のみぎり、この地にいたり、不思議の霊夢をこうむる。
元暦
(
げんれき
)
元年
甲辰
(
こうしん
)
勧請
(
かんじょう
)
。
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
そのようにお
御足
(
みあし
)
が不自由になられてからも、毎日のように、野中の道了様へ、お
参詣
(
まいり
)
に行かねばならぬとおっしゃいますので、いっそ道了様を屋敷内に
勧請
(
かんじょう
)
いたしたらと存じ
血曼陀羅紙帳武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
なるほど鎌宝蔵院の槍の
名残
(
なごり
)
の道場、
棟行
(
むねゆき
)
は十二三間もあろうか、
総拭
(
そうぬぐい
)
の
板羽目
(
いたばめ
)
で、正面には高く
摩利支天
(
まりしてん
)
を
勧請
(
かんじょう
)
し、見物のところは上段下段に分れて道場の中はひろびろとしている。
大菩薩峠:04 三輪の神杉の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
雨乞いならば
八大
(
はちだい
)
龍王を頼みまいらすべきに、壇の四方に
幣
(
ぬさ
)
をささげて、南に
男山
(
おとこやま
)
の
正
(
しょう
)
八幡大菩薩、北には加茂大明神、天満天神、西東には稲荷、祇園、松尾、大原野の神々を
勧請
(
かんじょう
)
し奉ること
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
天長元年旱災の際、弘法大師天竺無熱池の善如竜王をこの池に
勧請
(
かんじょう
)
して、三日間あまねく天下に雨ふる。
十二支考:10 猪に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
帝の一行と別れて、ただ一名、
李傕
(
りかく
)
や
郭汜
(
かくし
)
に会って兵をやめるよう
勧請
(
かんじょう
)
してみる——と、途中から去った
太僕
(
たいぼく
)
韓融
(
かんゆう
)
は、やがて、大勢の宮人や味方の兵をつれてこれへ帰って来た。
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
これも多分は古い時代に、餅を烏に投げ与えた際の唱え言で、烏
勧請
(
かんじょう
)
は
即
(
すなわ
)
ち烏を迎えて、
饗応
(
きょうおう
)
をするという意味であったのを、後には口拍子に猫勧請を付添えたものと思われる。
野草雑記・野鳥雑記:02 野鳥雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
伊予の
大洲
(
おおす
)
から九州の佐賀の関に上陸、
豊後路
(
ぶんごじ
)
を日向へ向い、そこの国分寺に
伽藍
(
がらん
)
を建て、五智如来をきざんで
勧請
(
かんじょう
)
し、それより大隅、薩摩、肥後、肥前と
経巡
(
へめぐ
)
ってまたも日向の国分寺に戻り
大菩薩峠:35 胆吹の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
人々困難したため、我ら二、三の重役どもが、表面には
件
(
くだん
)
の盃を
御嶽山
(
おんたけさん
)
の頂きに埋めたと云いふらし、実は
窃
(
ひそ
)
かに宝蔵へ
蔵
(
しま
)
い、盃を納めた
唐櫃
(
からびつ
)
へは、
八百万
(
やおよろず
)
の神々を
勧請
(
かんじょう
)
して堅く封印を施したため
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
いやそのため、楠木家では、山田申楽を
勧請
(
かんじょう
)
して、三日間の雨乞いをすることにはなったのだが、しかし、それも「——兵法を知らぬものだ」と、加賀田の隠者時親は、
嘲
(
わら
)
っているというではないか。
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
勧
常用漢字
中学
部首:⼒
13画
請
常用漢字
中学
部首:⾔
15画
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