其塲そのば)” の例文
げもせずかくられもせず、よくかしらねどぬすみましたと白状はくぜうはしましよ、伯父樣おぢさま同腹ひとつきだけを何處どこまでもべて、かれずば甲斐かひなし其塲そのばしたかみつてんだなら
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
其時そのときむらうち一人ひとり老人としよりがありまして、其塲そのばけてまいり、おあしんだとはなしきいたがついては、わたくし實驗じつけんがあるから、れをば何卒どうぞツてれ、其法そのはうまうすは
さてそれよりは、紀元節きげんせつ祝賀しゆくがと、このおほいなる成功せいこういわひとでくがごとさわぎ、よるになると、かねまうけられたる海岸かいがん陣屋ぢんや大祝賀會だいしゆくがくわいはじまつた。其塲そのば盛况せいけうふでにも言葉ことばにもつくされない。
文久錢ぶんきうせんともふべきおあしんだのです、恰度てうどわたくし其節そのせつ其塲そのばりましたが、なに心得こゝろゑませんからたゞあわてるばかり、なに振舞ふるまいのあツたときですから、大勢たいぜいひとりましたが、いづれもあをくなり
便たよりまつ一日ひとひ二日ふたひうれしきやうなづかひな八重やへ遠慮ゑんりよらぬものゝまたすかとおもはるゝもはづかしくじつとこらゆる返事へんじ安否あんぴもしやとおもへば萬一もしやになるなり八重やへ大丈夫だいじやうぶ受合うけあへどそれやすめのことばなるべしふみとても御受取おうけとりになりしやならずや其塲そのばそのま〻御突おつもどしになりたるを
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)