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八百万
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やおよろず
ふりがな文庫
“
八百万
(
やおよろず
)” の例文
旧字:
八百萬
八百万
(
やおよろず
)
の神々を念じながら、流るる汗を押し拭い、二度三度押せど引けど、動かぬ岩は動かばこそ、精さえ根さえ尽き果てた。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
日本の神話には
八百万
(
やおよろず
)
の神とか、
千五百秋
(
ちいほあき
)
だのというような、数を形容詞に使ったものが多く、またそれが古今を通じて人口に膾炙している。
文化史上より見たる日本の数学
(新字新仮名)
/
三上義夫
(著)
右の条々、
謹
(
つつし
)
んで相守り申すべく候。もし違乱に及び候わば、
八百万
(
やおよろず
)
の
天津神
(
あまつかみ
)
、
国津神
(
くにつかみ
)
、明らかに知ろしめすべきところなり。よって、誓詞
如件
(
くだんのごとし
)
。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
八百万
(
やおよろず
)
の神々に念じながら、ズドンとばかりに打ち放すと、筒口からは末広形の猛烈な火炎が噴出し、その反動でコン吉は、うしろへでんぐり返り
ノンシャラン道中記:05 タラノ音頭 ――コルシカ島の巻――
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
ここには、人と人との血気、剣と剣との殺気、それが全くむきだしに、青天白日、
八百万
(
やおよろず
)
の神の照覧ましますところにおいて行わるるのであります。
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
と、かなたでよろこぶ
群集
(
ぐんしゅう
)
の声々、
八百万
(
やおよろず
)
の
神々
(
かみがみ
)
も
神楽
(
かぐら
)
ばやしのように、
興
(
きょう
)
じ
給
(
たも
)
うやと思われるばかりに聞える。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その
麓
(
ふもと
)
に展開する山川の実に美しい多様な変化を味わっていると、どうしても日本はやはり
八百万
(
やおよろず
)
の神々の
棲処
(
すみか
)
であり、英雄の国であり、哲人の国であり
札幌まで
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
小町 ああ、やっと助かった! これも日頃信心する神や仏のお
計
(
はか
)
らいであろう。(手を合せる)
八百万
(
やおよろず
)
の神々、
十方
(
じっぽう
)
の
諸菩薩
(
しょぼさつ
)
、どうかこの
嘘
(
うそ
)
の
剥
(
は
)
げませぬように。
二人小町
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
曼荼羅には
八百万
(
やおよろず
)
の仏がいるから、ここにも数を想うかも知れぬが、それは多仏なのではなく、一仏の無量な顕現で、丁度一つの太陽が十方に光を放つが如きものである。
民芸四十年
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
私達
(
わたくしたち
)
とて
矢張
(
やは
)
り
御神前
(
ごしんぜん
)
に
静座
(
せいざ
)
して、
心
(
こころ
)
に
天照大御神様
(
あまてらすおおみかみさま
)
の
御名
(
みな
)
を
唱
(
とな
)
え、
又
(
また
)
八百万
(
やおよろず
)
の
神々
(
かみがみ
)
にお
願
(
ねが
)
いして、できる
丈
(
だけ
)
きたない
考
(
かんが
)
えを
払
(
はら
)
いのける
事
(
こと
)
に
精神
(
こころ
)
を
打
(
う
)
ち
込
(
こ
)
むのでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
その寒い風が吹くにつけ自分の住居の破れ障子が今更のように目について
佗
(
わ
)
びしく、それから吹込む風も寒い、のみならず世上は
八百万
(
やおよろず
)
の神々が
出雲
(
いずも
)
の
大社
(
たいしゃ
)
へ旅立をせられて
俳句はかく解しかく味う
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
かかるタノモシキ珍漢ありて、
八百万
(
やおよろず
)
世のオール落語は、前途ますますめでたからんと、大提灯をもつものは、これも東都文林に、呆れ果てたる能楽野郎、あいさ、正岡容に候。
寄席行灯
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
定めしお町が
八百万
(
やおよろず
)
の神々に此の身の無難を祈っているのであろう、あゝ
辱
(
かたじけ
)
ない
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「神代巻」や『古事記』に、
天照大神
(
あまてらすおおみかみ
)
岩戸籠
(
いわとごも
)
りの時、
八百万
(
やおよろず
)
の神、
常世
(
とこよ
)
の
長鳴鳥
(
ながなきどり
)
を
聚
(
あつ
)
め互いに長鳴せしめたと見ゆ。本居宣長曰く、常世の長鳴鳥とは鶏をいう。常世は
常夜
(
とこよ
)
で常世とは別なり。
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
しかもその誓約は日本でいえば弓矢八幡、
八百万
(
やおよろず
)
の神々というが如く天に
在
(
ま
)
します神の
御名
(
おんな
)
に於て厳格に約束したのである。然るに会議して帰国すれば直ちに軍備を修めて戦争の用意をしていた。
国際聯盟とは如何なものか
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
そのような
力味声
(
りきみごえ
)
出さば腹が減ろうぞ。もっとおとなしゅう物を申せい。人はな、笑いたい時笑い、泣きたい時泣くものと、
高天原
(
たかまがはら
)
八百万
(
やおよろず
)
の御神達が、この世をお造り給いし時より相場が決ってじゃ。
旗本退屈男:07 第七話 仙台に現れた退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
その神様の種類からいえば、先ず店の間の
天照皇太神宮
(
てんしょうこうたいじんぐう
)
を初めとし、
不動明王
(
ふどうみょうおう
)
、
戸隠
(
とがくし
)
神社、
天満宮
(
てんまんぐう
)
、
戎
(
えびす
)
、
大黒
(
だいこく
)
、
金比羅
(
こんぴら
)
、
三宝荒神
(
さんぼうこうじん
)
、
神農
(
しんのう
)
様、弁財天、
布袋
(
ほてい
)
、稲荷様等、
八百万
(
やおよろず
)
の神々たちが存在された。
大切な雰囲気:03 大切な雰囲気
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
吾こそは御嶽冠者なり!
口惜
(
くちおし
)
いかな、宝蔵には、
八百万
(
やおよろず
)
の大和の神あって、彼の髑髏盃を守るがため、
容易
(
たやす
)
く
櫃
(
ひつ
)
に近寄り難く、かく一旦は立ち帰れども
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
日本には
八百万
(
やおよろず
)
の神があり、仏教には八宗百派があるけれども、あちらではイエス・キリスト一つで統一されていたはずだ、本で読んだ時は、人間が神を拝もうと拝むまいと
大菩薩峠:39 京の夢おう坂の夢の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
お町は
漸
(
ようや
)
く
安堵
(
あんど
)
して、其の夜は
神仏
(
しんぶつ
)
へ
願
(
がん
)
掛けて、「
八百万
(
やおよろず
)
の神々よ、
何卒
(
なにとぞ
)
夫文治郎に
逢
(
お
)
うて
敵
(
かたき
)
を討つまで、此の命を
全
(
まっと
)
うせしめ給わるように」と
瞬
(
またゝ
)
きもせず
夜
(
よ
)
の明くるまで祈って居りました。
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
単調で荒涼な
砂漠
(
さばく
)
の国には一神教が生まれると言った人があった。日本のような多彩にして変幻きわまりなき自然をもつ国で
八百万
(
やおよろず
)
の神々が生まれ崇拝され続けて来たのは当然のことであろう。
日本人の自然観
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
国王これを
訪
(
おとな
)
い眼を開きて相面せよといいしに、わが眼睛
耀
(
てり
)
射
(
い
)
て、君輩当りがたしと答え、国史に猿田彦大神、眼
八咫鏡
(
やたのかがみ
)
のごとくにして、
赤酸漿
(
あかかがち
)
ほど
赩
(
かがや
)
く、
八百万
(
やおよろず
)
神、皆
目勝
(
まか
)
ちて相問うを得ずとある。
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
人々困難したため、我ら二、三の重役どもが、表面には
件
(
くだん
)
の盃を
御嶽山
(
おんたけさん
)
の頂きに埋めたと云いふらし、実は
窃
(
ひそ
)
かに宝蔵へ
蔵
(
しま
)
い、盃を納めた
唐櫃
(
からびつ
)
へは、
八百万
(
やおよろず
)
の神々を
勧請
(
かんじょう
)
して堅く封印を施したため
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
又も難船か、
何
(
なん
)
たる不幸の身ぞ、
八百万
(
やおよろず
)
の神々よ、どうぞ一命を
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
八
常用漢字
小1
部首:⼋
2画
百
常用漢字
小1
部首:⽩
6画
万
常用漢字
小2
部首:⼀
3画
“八百万”で始まる語句
八百万神