“一幅:ひとはば” の例文
“一幅:ひとはば”を含む作品の著者(上位)作品数
泉鏡花13
柳田国男1
田中貢太郎1
“一幅:ひとはば”を含む作品のジャンル比率
社会科学 > 風俗習慣・民俗学・民族学 > 風俗史・民俗誌・民族誌5.9%
文学 > 日本文学 > 戯曲0.5%
文学 > 日本文学 > 小説 物語0.3%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
もの幻の霧の中に、あけの明星の光明こうみょうが、嶮山けんざんずい浸透しみとおつて、横に一幅ひとはば水が光り、縦に一筋ひとすじ
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
舞台の左右、山の腹へ斜めにかかった、一幅ひとはばの白いもやが同じく幕でございました。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
禿顱とくろならびゐる木のはしの法師ばら、何をかすると、こぶしをあげて一にん天窓あたまをうたむとせしに、一幅ひとはばの青き光さつと窓を射て
竜潭譚 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
さっ一幅ひとはば、障子を立てた白い夕靄ゆうもやから半身をあらわして
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
前垂ももとは四幅よはば三幅みはばの広いものであったのが、不断着のままで働くようになって、うしろはいらぬから、それが二幅ふたはばになりまた一幅ひとはばにもなった。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
カタリと一幅ひとはば、黒雲のとざしたような雨戸が閉って、……
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一幅ひとはばの赤いともしが、暗夜をかくしてひらめくなかに、がらくたのうずたかい荷車と、曳子ひきこの黒い姿を従えて立っていたのが、洋燈を持ったまま前へ出て、
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
行詰ゆきづめに石垣に寄せて縁側えんがわのようにした一幅ひとはば桟橋さんばしがかかっていて、その下には大川の水が物の秘密を包んでいるように満満まんまんたたえていた。
水魔 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
仕丁 ずるずるずると巻きましたが、真黒な一幅ひとはばになって、のろのろと森の奥へはいりました。……大方おおかた、釘を打込みます古杉の根へ、一念で、巻きついた事でござりましょう。
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
この袖は一幅ひとはばの袖を斜めに折ってこしらえた。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
目の前へ——水が、向う岸から両岐ふたつとがって切れて、一幅ひとはば裾拡すそひろがりに、風に半幅を絞った形に、薄い水脚が立った、と思うと、真黒まっくろつらがぬいと出ました。
半島一奇抄 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
およそ四丈ばかりの滝になってどっと落ちて、また暗碧あんぺき白布しろぬのを織って矢を射るように里へ出るのじゃが、その巌にせかれた方は六尺ばかり、これは川の一幅ひとはばいて糸も乱れず
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
八面に渡って、薙立なぎたて薙立て、切伏せると、ばさばさと倒れるごとに、およそ一幅ひとはばの黒い影が、山の腹へひらひらと映って、煙が分れたように消える、とそこだけ、はっと月がして、芭蕉のあとを
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一幅ひとはばの青き光さっと窓を射て、水晶の念珠瞳をかすめ、ハッシと胸をうちたるに、ひるみてうずくまる時、若僧じゃくそう円柱をいざり出でつつ、つい居て、サラサラと金襴きんらんとばりを絞る
竜潭譚 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
婦人おんなはしばらく考えていたが、ふとわきを向いて布のふくろを取って、ひざのあたりに置いたおけの中へざらざらと一幅ひとはば、水をこぼすようにあけてふちをおさえて、手ですくって俯向うつむいて見たが、
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
もういかんとあきらめるトタンに胸が痛かった、それから悠々と水を吸った、するとうっとりして何だか分らなくなったと思うと、ぱっと糸のような真赤まっかな光線がさして、一幅ひとはばあかるくなったなかにこの身体からだが包まれたので
化鳥 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ぼうと天井から一幅ひとはば落ちたが、四辺あたりが暗くて、その何にも分らぬ……両方の棚に、ひしひしと並べた明晃々こうこうたる器械のありとも見えず、しんとなって隠れた処は、雪に埋もれた関らしく、霜夜の刑場しおきばとも思われる。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
枯野かれのひえ一幅ひとはばに細く肩のすきへ入つたので、しつかと引寄せた下着のせな綿わたもないのにあたたかうでへ触れたと思ふと、足を包んだもすそが揺れて、絵の婦人おんなの、片膝かたひざ立てたやうなしわが、あわせしまなりに出来て、しなやかに美しくなつた。
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)