面白味おもしろみ)” の例文
またあしほうは、やはりたいてい筒形つゝがたになつて實際じつさいうまあしのようにはつくられてをりませんが、そこにかへって面白味おもしろみがあります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
大浪おほなみ小浪こなみ景色けしきなんだ。いまいままでぼくをよろこばして自然しぜんは、たちまちのうちなん面白味おもしろみもなくなつてしまつた。ぼくとは他人たにんになつてしまつた。
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
いわゆる人が見て戦争の危い事を知るよりは、むしろ戦争というものはこんな呑気のんきなものか、一つやって見たいという位の面白味おもしろみを感ずるです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
おときは全く理解出来ないように云ったが、心の中では夫の何事にも細かい観察を忘れないで、面白味おもしろみを見出すのは広い心のゆえだと思って感心した。
果樹 (新字新仮名) / 水上滝太郎(著)
が、どつちかとへば、愛嬌あいけうもある、く、趣味しゆみわたし莫迦ばかにするほどでもない。これ長所とりゑ面白味おもしろみもないが、気質きしつ如何いかにもまる出来できてゐる。
背負揚 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
しかしてのちある義士ぎし一撃いちげきたほれたりとかば事理分明じりぶんめいにして面白おもしろかるべしといへどもつみばつ殺人罪さつじんざいは、この規矩きくにははづれながら、なほ幾倍いくばい面白味おもしろみそなへてあるなり。
「罪と罰」の殺人罪 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
いてれてたところで、なにやらかさかさとした、丁度ちょうど張子細工はりこざいくのようなかんじがするばかり、そこに現世げんせあじわったような甘味うまみ面白味おもしろみもあったものではない。
それがまたこの戯れのながく行われた面白味おもしろみであったろうが、幼い人たちが模倣を始めたより更に以前を想像してみると、忍術にんじゅつなどと起原の共通なる一種の信仰が潜んでいて
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
縱令たとひ化物ばけものても、それ理性的りせいてき乾燥無味かんさうむみなものであつて、情的ぜうてき餘韻よいんふくんでない。したがつてすこしも面白味おもしろみい。ゆゑ文運ぶんうん發達はつたつしてると、自然しぜん化物ばけものくなつてる。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
しかし男ぶりはしばらく問はず、紋服そのものの感じにしても、全然面白味おもしろみのないわけではない。成程なるほど「女と影」なるものは日本のやうな西洋のやうな、妙にとんちんかんな作品である。
続野人生計事 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
幽明ゆうめい物心ぶっしん死生しせい神人しんじんの間をへだつる神秘の一幕いちまくは、容易にかかげぬ所に生活の面白味おもしろみも自由もあって、みだりに之を掲ぐるのむくいすみやかなる死或は盲目である場合があるのではあるまいか。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
世の中にいて、世の中を傍観している人はここに面白味おもしろみがあるかもしれない。
三四郎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ゆるゆると道中どうちゅう景色けしきあじわうような面白味おもしろみはさっぱりありませぬ……。