トップ
>
釘付
>
くぎづけ
ふりがな文庫
“
釘付
(
くぎづけ
)” の例文
ぶたい花みちは雪にて作りたる上に板をならぶる、此板も一夜のうちに
冰
(
こほり
)
つきて
釘付
(
くぎづけ
)
にしたるよりも
堅
(
かた
)
し。
暖
(
だん
)
国に
比
(
くらぶ
)
れば
論
(
ろん
)
の
外
(
ほか
)
なり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
さて松川に入塾して、
直
(
たゞ
)
ちに
不開室
(
あかずのま
)
を探検せんとせしが、不開室は密閉したるが上に板戸を
釘付
(
くぎづけ
)
にしたれば開くこと無し。
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
彼は身動きもせず、眼を見開き、口を開け、
喉
(
のど
)
の奥で息をしながら、恐怖のために
釘付
(
くぎづけ
)
にされる。その
膨
(
ふく
)
れた大きな顔には
皺
(
しわ
)
が寄って、痛ましい奇怪な
渋面
(
じゅうめん
)
になる。
ジャン・クリストフ:03 第一巻 曙
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
その
裡
(
うち
)
に、夫人はハタと、青木淳が書き遺した文字を見付けたらしい。
遉
(
さすが
)
に美しい
眸
(
ひとみ
)
は、卓の上に開かれたノートの頁の上に、
釘付
(
くぎづけ
)
にされたように、止ってしまった。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
で思わずその方向へ視線を送ると、正面の二階席の一番前列に、あの人が何とも言いようのない顔をして、両眼を
釘付
(
くぎづけ
)
にされたようにして舞台の妾をにらんでいるのです。
華やかな罪過
(新字新仮名)
/
平林初之輔
(著)
▼ もっと見る
ほんに世の中の人々は、
一寸
(
ちょっと
)
した
一言
(
ひとこと
)
をいうては泣き合ったり、笑い合ったりするもので、己のように手の指から血を出して
七重
(
ななえ
)
に
釘付
(
くぎづけ
)
にせられた
門
(
かど
)
の扉を
叩
(
たた
)
くのではない。
痴人と死と
(新字新仮名)
/
フーゴー・フォン・ホーフマンスタール
(著)
と共に、水の向の二人の視線も、水のこなたの二人に落ちた。見合す四人は、互に互を
釘付
(
くぎづけ
)
にして立つ。
際
(
きわ
)
どい瞬間である。はっと思う
刹那
(
せつな
)
を一番早く飛び
超
(
こ
)
えたものが勝になる。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「射撃を
止
(
と
)
めろ。止めないと、人造島の心臓部を止めてしまうぞ」この一言が、たしかに利いたとみえて、敵の一斉射撃が、急に止み、一隊は、その場に
釘付
(
くぎづけ
)
にされたかたちとなった。
怪奇人造島
(新字新仮名)
/
寺島柾史
(著)
そのまた隣の
間
(
ま
)
というのが
頗
(
すこぶ
)
る怪しいものだ、何しろ四方が
凡
(
すべ
)
て
釘付
(
くぎづけ
)
になって
不開
(
あけず
)
の
間
(
ま
)
ともいった風なところなので、
襖戸
(
ふすまど
)
の隙から見ると、道場にでもしたものか、十畳ばかりの板敷で
怪物屋敷
(新字新仮名)
/
柳川春葉
(著)
恁
(
か
)
ういふ
無残
(
むざん
)
な
扱
(
あつかひ
)
はどうしても
他人
(
たにん
)
の
手
(
て
)
に
任
(
まか
)
せられねばならなかつた。
板
(
いた
)
の
儘
(
まゝ
)
ばら/\に
成
(
な
)
つて
居
(
ゐ
)
る
棺臺
(
くわんだい
)
は
買
(
か
)
つて
來
(
き
)
てから
近所
(
きんじよ
)
の
手
(
て
)
で
釘付
(
くぎづけ
)
にされた。
其處
(
そこ
)
には
淺
(
あさ
)
い
箱
(
はこ
)
の
倒
(
さかさ
)
にしたものが
出來
(
でき
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
ぶたい花みちは雪にて作りたる上に板をならぶる、此板も一夜のうちに
冰
(
こほり
)
つきて
釘付
(
くぎづけ
)
にしたるよりも
堅
(
かた
)
し。
暖
(
だん
)
国に
比
(
くらぶ
)
れば
論
(
ろん
)
の
外
(
ほか
)
なり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
この
先
(
さ
)
きを
螺旋鋲
(
らせんびょう
)
の頭へ刺し込んでぎりぎり廻すと
金槌
(
かなづち
)
にも使える。うんと突き込んでこじ開けると大抵の
釘付
(
くぎづけ
)
の箱なんざあ苦もなく
蓋
(
ふた
)
がとれる。まった、こちらの刃の先は
錐
(
きり
)
に出来ている。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
宗助も二尺余りの細い松を買って、門の柱に
釘付
(
くぎづけ
)
にした。それから大きな赤い
橙
(
だいだい
)
を
御供
(
おそなえ
)
の上に
載
(
の
)
せて、床の間に
据
(
す
)
えた。床にはいかがわしい
墨画
(
すみえ
)
の梅が、
蛤
(
はまぐり
)
の
格好
(
かっこう
)
をした月を
吐
(
は
)
いてかかっていた。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
通町
(
とほりちやう
)
では
暮
(
くれ
)
の
内
(
うち
)
から
門並揃
(
かどなみそろひ
)
の
注連飾
(
しめかざり
)
をした。
徃來
(
わうらい
)
の
左右
(
さいう
)
に
何
(
なん
)
十
本
(
ぽん
)
となく
並
(
なら
)
んだ、
軒
(
のき
)
より
高
(
たか
)
い
笹
(
さゝ
)
が、
悉
(
こと/″\
)
く
寒
(
さむ
)
い
風
(
かぜ
)
に
吹
(
ふ
)
かれて、さら/\と
鳴
(
な
)
つた。
宗助
(
そうすけ
)
も二
尺
(
しやく
)
餘
(
あま
)
りの
細
(
ほそ
)
い
松
(
まつ
)
を
買
(
か
)
つて、
門
(
もん
)
の
柱
(
はしら
)
に
釘付
(
くぎづけ
)
にした。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
釘
漢検準1級
部首:⾦
10画
付
常用漢字
小4
部首:⼈
5画
“釘付”で始まる語句
釘付工場