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たから
ふりがな文庫
“
財
(
たから
)” の例文
武士たるもの
二〇
漫
(
みだり
)
にあつかふべからず。かならず
貯
(
たくは
)
へ
蔵
(
をさ
)
むべきなり。
你
(
なんぢ
)
賤
(
いや
)
しき身の
分限
(
ぶげん
)
に過ぎたる
財
(
たから
)
を得たるは
二一
嗚呼
(
をこ
)
の
事
(
わざ
)
なり。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
してみれば、埋めてある
財
(
たから
)
を一日も早く取り出したいと思っているに相違ない。片門前は二町であるが、さのみ広い町ではない。
探偵夜話
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
これは無事に落ち著いても
財
(
たから
)
は二つの山割りか、悪くいけば
揉
(
も
)
み合いになるに決っていた。袴野は
失敗
(
しま
)
ったと
呟
(
つぶや
)
いたが
舌を噛み切った女:またはすて姫
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
それは国中の
罪
(
つみ
)
と
財
(
たから
)
との流れ込む都の中で、何十年の昔から生き代り死に代ったみめ麗しい多くの男女の、夢の数々から生れ出づべき器量であった。
刺青
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
資産
(
しんだい
)
はむしろ
実家
(
さと
)
にも
優
(
まさ
)
りたらんか。新華族のなかにはまず
屈指
(
ゆびおり
)
といわるるだけ、武男の父が久しく県令知事務めたる
間
(
ま
)
に積みし
財
(
たから
)
は
鉅万
(
きょまん
)
に上りぬ。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
▼ もっと見る
一人が敵に囚はれなば、
財
(
たから
)
のすべてを売り払ひ、必らず友を身受せん。それも叶はぬ暁は共に囚虜の苦を嘗めん。
ディカーニカ近郷夜話 後篇:03 怖ろしき復讐
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
……で私はその黄金を、巧みに利用し
財
(
たから
)
を積んだところの、祖先に対して有難やと、お礼申して居りまする次第で
剣侠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
懸賞金百円の
沙汰
(
さた
)
即日四方に
喧伝
(
けんでん
)
して、土地の男女老若を問わず、我先にこの
財
(
たから
)
を
獲
(
え
)
んと競い
起
(
た
)
ち、手に手に鎌を取りて、へいげん門外の雑草を刈り始めぬ。
金時計
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
このまま
財
(
たから
)
を抱えて、安閑として成るがままに任せてお置きになりますか、但しは、ここで
乾坤一擲
(
けんこんいってき
)
——
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
家と
財
(
たから
)
とを失ひ、自分自身をさへ失つた男が、先づ何を措いても、こんな目に逢はせた、敵に思ひ知らせてやらうと言ふ、思ひ斷つことの出來ない
深怨
(
しんゑん
)
の恐ろしさを見て
銭形平次捕物控:056 地獄から来た男
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
与
(
あたえ
)
恵
(
めぐむ
)
べき事あらば
財
(
たから
)
を
惜
(
おしむ
)
べからず。但し我気に入りたるとて用にも立ぬ者に猥に与ふべからず。
女大学評論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
俵は中なる
納物
(
いれもの
)
を、取れども/\尽きざりける間、財宝倉に満ちて、衣裳身に余れり、故にその名を、俵藤太とはいひけるなり、これは産業の
財
(
たから
)
なればとて、これを
倉廩
(
そうりん
)
に収む
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
天皇、大長谷の
若建
(
わかたけ
)
の天皇の御子、春日の大郎女に娶ひて、生みませる御子、高木の郎女、次に
財
(
たから
)
の郎女、次に
久須毘
(
くすび
)
の郎女、次に
手白髮
(
たしらが
)
の郎女、次に
小長谷
(
をはつせ
)
の
若雀
(
わかさざき
)
の命、次に
眞若
(
まわか
)
の王。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
賢
(
けん
)
にして
財
(
たから
)
多
(
おほ
)
ければ則ち
其志
(
そのこゝろざし
)
を
損
(
そん
)
じ
愚
(
ぐ
)
にして
財
(
たから
)
多
(
おほ
)
ければ則ち
其過
(
そのあやま
)
ちを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
媼はかく問はれても、顧みもせで我面のみ打ち目守り、詞を
續
(
つ
)
ぎていふやう。賢き目なり。日の金牛宮を過ぐるとき
誕
(
うま
)
れぬ。名も
財
(
たから
)
も牛の角にかゝりたりといふ。此時母上も歩み寄りてのたまふやう。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
人
(
ひと
)
の
財
(
たから
)
を
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
助、豊雄をにらまへて、
你
(
なんぢ
)
神宝
(
かんだから
)
を盗みとりしは
例
(
ためし
)
なき
一七六
国津罪
(
くにつつみ
)
なり。
猶
(
なほ
)
種々
(
くさぐさ
)
の
財
(
たから
)
は
一七七
いづちに隠したる。明らかにまうせといふ。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
してみれば、埋めてある
財
(
たから
)
を一日も早く取出したいと思っているに相違ない。片門前は二町であるが、さのみ広い町ではない。
穴
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「ではあたしが都はずれまでこの方を送りとどけたら、苦情は両方になかろう、貝どの、それで
財
(
たから
)
は山割りにし今日のところ引きわかれにして下さらぬか。」
舌を噛み切った女:またはすて姫
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
あの女が
盗
(
と
)
ったのだ、あの女が、泊り合わせた美僧と美女の情合いを
嫉
(
ねた
)
んで、美僧がかけて置いた
釘頭
(
ていとう
)
の
財
(
たから
)
を、そっと奪って隠したればこそ、二人は命を失った
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
家と
財
(
たから
)
とを失い、自分自身をさえ失った男が、まず何を
措
(
お
)
いても、こんな目に逢わせた、敵に思い知らせてやろうという、思い断つことの出来ない
深怨
(
しんえん
)
の恐ろしさを見て
銭形平次捕物控:056 地獄から来た男
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
身体
(
からだ
)
が大事だ、どんな家だって、
財
(
たから
)
だって、自分にかえられるものはない、分ったか。
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
げにそのとほり両人は、何にもあれ、贏ち得し
財
(
たから
)
を分ちあひ、掠めし牛馬を等分せり。
ディカーニカ近郷夜話 後篇:03 怖ろしき復讐
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
また
同
(
おや
)
じ臣が女、弟比賣に娶ひて、生みませる御子、
財
(
たから
)
の王、次に
多訶辨
(
たかべ
)
の郎女、并はせて四柱ましき。天皇御年
六十歳
(
むそぢ
)
。(丁丑の年七月に崩りたまひき。)御陵は
毛受野
(
もずの
)
にありと言へり。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
四一
野伏等
(
のぶしら
)
はここかしこに
寨
(
さい
)
をかまへ、火を放ちて
財
(
たから
)
を奪ふ。
四二
八州
(
はつしう
)
すべて安き所もなく、浅ましき世の
費
(
つひえ
)
なりけり。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
おれの霊魂はいつまでも自分の
財
(
たから
)
を守っている。万一おれの墳墓をあばこうとする者があればたちまちに生命をうしなって再び世に帰ることは出来ないと思え。
マレー俳優の死
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「この女の代りに
財
(
たから
)
は皆袴野ノ麿に進ぜよう、と、そうおれが計っているところだ、だが、袴野は財は山割りにして女はみやこに
還
(
かえ
)
した方がよいというのだ。」
舌を噛み切った女:またはすて姫
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
お江戸では、権現様以来蓄えた莫大なお
財
(
たから
)
も、もう使い果してしまったし、上方でも、どのお大名も内緒はみんな火の車。ですから、人には不足はないが、お金の戦争。
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
渠
(
かれ
)
は
旧
(
もと
)
旗本の
嬢
(
むすめ
)
なりき、幼にして両親を失い、嫁して
良人
(
おっと
)
を失い、人に計られて
財
(
たから
)
を失い、
餬口
(
ここう
)
のために家を失い、軒下に眠ること実に旬余、辛酸を喫して
癪
(
しゃく
)
に閉じられてすでに絶せんとせるとき
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
朱丹の霊魂がその
財
(
たから
)
を守っている——その伝説をアンは無論に知っていたでしょうし、またそれを信じていたでしょうが、恋に眼のくらんでいる彼はその怖ろしいのも忘れてしまって、いや
マレー俳優の死
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
“財”の意味
《名詞》
経済学において物質的・精神的に何らかの効用を持っているもの。財貨。
(出典:Wiktionary)
“財”の解説
財(ざい、en: good(s))とは、経済学において物質的・精神的に何らかの効用を持っているもののことである。財貨とも。
狭義には有形財を指して財と呼ぶ場合がある。そのような場合、対比して無形財をサービスと呼ぶ。
(出典:Wikipedia)
財
常用漢字
小5
部首:⾙
10画
“財”を含む語句
財産
財嚢
財布
財宝
散財
財貨
借財
財政
一切合財
家財
財物
財寶
財産家
空財布
蓄財
財袋
浄財
大財産家
善財童子
蓄財家
...