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覆
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こぼ
ふりがな文庫
“
覆
(
こぼ
)” の例文
でも何もそんな
難
(
むずか
)
しい
御山
(
おやま
)
ではありません。
但
(
ただ
)
此処
(
ここ
)
は
霊山
(
れいざん
)
とか申す事、酒を
覆
(
こぼ
)
したり、竹の皮を
打棄
(
うっちゃ
)
ったりする
処
(
ところ
)
ではないのでございます。
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
俺は
昔
(
むか
)
しお万の
覆
(
こぼ
)
した油を
甞
(
な
)
アめて了つた太郎どんの犬さ。其俺の身の上
咄
(
ばな
)
しが聞きたいと。四つ足の俺に咄して聞かせるやうな履歴があるもんか。
犬物語
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
何
(
なん
)
だよ、
猪口
(
ちよこ
)
の中へ指を
突
(
つ
)
つ
込
(
こ
)
んでサ、もう
眼
(
め
)
が
開
(
あ
)
いて
居
(
ゐ
)
るから、お
酒
(
さけ
)
の
覆
(
こぼ
)
れる
気遣
(
きづか
)
ひはないは。
心眼
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
同時に自分を案外安く扱う世間の声が耳に入ると不愉快で
堪
(
たま
)
らなくなって愚痴を
覆
(
こぼ
)
すようになった。
斎藤緑雨
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
一夏
激
(
はげし
)
い暑さに、雲の峰も焼いた
霰
(
あられ
)
のように小さく焦げて、ぱちぱちと音がして、火の粉になって
覆
(
こぼ
)
れそうな
日盛
(
ひざかり
)
に、これから
湧
(
わ
)
いて出て人間になろうと思われる
裸体
(
はだか
)
の男女が
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
おや、山に十の字の
焼印
(
やきいん
)
があるね、
是
(
これ
)
は
己
(
おれ
)
ン
所
(
とこ
)
の
沢庵樽
(
たくあんだる
)
ぢやアないか。金「
何
(
なん
)
だか知れませぬが
井戸端
(
ゐどばた
)
に水が
盛
(
は
)
つてあつたのを
覆
(
こぼ
)
して
持
(
もつ
)
て
来
(
き
)
ましたが、ナニ
直
(
ぢき
)
に明けてお返し
申
(
まうし
)
ます。 ...
黄金餅
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
或る雑誌にをり/\述懐めいた随筆が出るが、いつぞや嬢様は読んで涙を
覆
(
こぼ
)
して
在
(
い
)
らしツたつけ。
犬物語
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
も一つ
茸
(
きのこ
)
で、名も知らぬ、
可恐
(
おそろ
)
しい、
故郷
(
ふるさと
)
の峰谷の、
蓬々
(
おどろおどろ
)
しい名の無い
菌
(
くさびら
)
も、皮づつみの
餡
(
あん
)
ころ餅ぼたぼたと
覆
(
こぼ
)
すがごとく、
袂
(
たもと
)
に襟に
溢
(
あふ
)
れさして、山野の珍味に
厭
(
あ
)
かせたまえる殿様が
茸の舞姫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それでも博文館に入ってから一年ほど経った或時、近頃は忙がしくて紅葉さんの
許
(
とこ
)
ばかりへ行ってられないで諸方へ顔を出すので、紅葉さんの御機嫌が悪くて困ると
愚痴
(
ぐち
)
を
覆
(
こぼ
)
した事があった。
硯友社の勃興と道程:――尾崎紅葉――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
可恐
(
おそろし
)
いのは、
一夜
(
あるよ
)
、夜中に、ある男を
呪詛
(
のろ
)
っていると、ばたりと落ちて、脇腹から、
鳩尾
(
みずおち
)
の下、背中と、浴衣越しに、——それから男に血を彩ろうという——
紅
(
べに
)
の絵の具皿の
覆
(
こぼ
)
れかかったのが
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
トヾの
結局
(
つまり
)
が
博物館
(
はくぶつくわん
)
に
乾物
(
ひもの
)
の
標本
(
へうほん
)
を
残
(
のこ
)
すか
左
(
さ
)
なくば
路頭
(
ろとう
)
の
犬
(
いぬ
)
の
腹
(
はら
)
を
肥
(
こや
)
すが
世
(
よ
)
に
学者
(
がくしや
)
としての
功名
(
こうみやう
)
手柄
(
てがら
)
なりと
愚痴
(
ぐち
)
を
覆
(
こぼ
)
す
似而非
(
えせ
)
ナツシユは
勿論
(
もちろん
)
白痴
(
こけ
)
のドン
詰
(
づま
)
りなれど、さるにても
笑止
(
せうし
)
なるは
世
(
よ
)
の
是
(
これ
)
沙汰
(
さた
)
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
“覆”の解説
覆(ふく)(sa: mrakṣa、ムラクシャ)は、仏教が教える煩悩のひとつ。
自己の誤ちの隠蔽。利益を失う・不利益を蒙ることを恐れて、自分が為した罪を隠すこと。
しかし、自分の為した罪を隠す人は、後に、必ず悔い悲しむ。
説一切有部の五位七十五法のうち、小煩悩地法の一つ。唯識派の『大乗百法明門論』によれば随煩悩位に分類され、そのうち小随煩悩である。
(出典:Wikipedia)
覆
常用漢字
中学
部首:⾑
18画
“覆”を含む語句
顛覆
転覆
日覆
反覆
修覆
覆面
雨覆
轉覆
覆布
傾覆
打覆
覆被
押覆
引覆
覆奏
覆水
鞍覆
被覆
上覆
覆羽
...