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らたい
ふりがな文庫
“
裸体
(
らたい
)” の例文
旧字:
裸體
それは
波間
(
なみま
)
に一台の
黄金
(
こがね
)
づくりの車があって、その上に
裸体
(
らたい
)
の美の女神ヴィーナスが髪をくしけずりながら
艶然
(
えんぜん
)
と笑っているのであった。
恐怖の口笛
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
背景に
船
(
ふね
)
と
檣
(
ほばしら
)
と
帆
(
ほ
)
を大きく
描
(
か
)
いて、其
余
(
あま
)
つた所に、
際立
(
きはだ
)
つて花やかな
空
(
そら
)
の
雲
(
くも
)
と、
蒼黒
(
あをぐろ
)
い
水
(
みづ
)
の色をあらはした
前
(
まへ
)
に、
裸体
(
らたい
)
の労働者が四五人ゐた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
ただ一刹那の
間
(
あいだ
)
ではございましたけれど、あなたはただ手と手とが障ったばかりで、わたくしを
裸体
(
らたい
)
にしてお
抱
(
だ
)
きあそばしたのでございますよ。
家常茶飯 附・現代思想
(新字新仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
男子の
裸体
(
らたい
)
なりしとの事は輕々しく
看過
(
くわんくわ
)
すべからず。アイヌは
膚
(
はだ
)
を露す事を耻づる人民なり。住居の
内
(
うち
)
たると外たるとを問はず
裸体
(
らたい
)
にて人の前に出づる事無し。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
予は
殆
(
ほとん
)
ど
絶
(
ぜつ
)
せむとせり、そも何者の見えしとするぞ、雪もて築ける
裸体
(
らたい
)
の
婦人
(
をんな
)
、あるが
如
(
ごと
)
く無きが如き
灯
(
ともしび
)
の蔭に
朦朧
(
もうろう
)
と乳房のあたりほの見えて描ける如く
彳
(
たゝず
)
めり。
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
「美人の
裸体
(
らたい
)
は好い、然しこれに
彩衣
(
さいい
)
を
被
(
き
)
せると尚美しい。梁川は永遠の真理を趣味滴る如き文章に述べた」などの語があった。梁川、梁川がやゝ
耳障
(
みみざわ
)
りであった。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
美しい
裸体
(
らたい
)
の女が、緑の葉の繁った中の湖水に浴しているのが
描
(
か
)
いてあった。その時、これはどこで出来たのかと小さな金文字を見ると、„Paris, と書いてあった。
扉
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
彼女が小柄だったことは前に書いたが体は
着痩
(
きや
)
せのする方で
裸体
(
らたい
)
の時は肉づきが思いの
外
(
ほか
)
豊かに色が
抜
(
ぬ
)
けるほど白く幾つになっても
肌
(
はだ
)
に若々しいつやがあった平素魚鳥の料理を
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
妻は台所の
土間
(
どま
)
に
藁火
(
わらび
)
を
焚
(
た
)
いて、
裸体
(
らたい
)
の
死児
(
しじ
)
をあたためようとしている。入口には二、三人近所の人もいたようなれどだれだかわからぬ。民子、秋子、雪子らの泣き声は耳にはいった。
奈々子
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
されば先生は常に
袴
(
はかま
)
をも着せず、
一書生
(
いちしょせい
)
の
風体
(
ふうたい
)
なるにかかわらず、予が家の
婢僕等
(
ひぼくら
)
皆
尊敬
(
そんけい
)
して、呼ぶに先生を以てし、
門番
(
もんばん
)
、先生を見れば
俄
(
にわ
)
かに衣を
纒
(
まと
)
いてその
裸体
(
らたい
)
を
蔽
(
おお
)
いて
礼
(
れい
)
を
為
(
な
)
せり。
瘠我慢の説:05 福沢先生を憶う
(新字新仮名)
/
木村芥舟
(著)
我々は、女の
裸体
(
らたい
)
は
滅多
(
めつた
)
に見られないけれども、女は、相撲を見にゆきさへすれば、
何時
(
いつ
)
でも
逞
(
たくま
)
しい男の裸体を見ることが出来る。これは女が得をして男が損をしている場合であると思ふ。
世の中と女
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そして真黒な
裸体
(
らたい
)
の男や、腰巻一つの
汚
(
きたな
)
い女房や、又は子供を背負つた
児娘
(
こむすめ
)
までが
笊
(
ざる
)
や籠や
桶
(
をけ
)
を持つて濁流の
中
(
うち
)
に入りつ乱れつ富裕な屋敷の池から流れて来る
雑魚
(
ざこ
)
を捕へやうと
急
(
あせ
)
つてゐる有様
水 附渡船
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
その戸口にこしをかけていた女たちは、青い顔をして、よれよれな髪の
毛
(
け
)
が
肩
(
かた
)
の上までだらしなくかかっていた。子どもたちはほとんど
裸体
(
らたい
)
で、たまたま二、三人着ているのも、ほんのぼろであった。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
「それじゃ
裸体
(
らたい
)
に帰るんだね。」
生あらば
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
若
(
も
)
し
鴨田
(
かもだ
)
に
嫌疑
(
けんぎ
)
をかけるならば、鴨田は何かの原因で、河内園長を爬虫館に
引摺
(
ひきず
)
りこみ、これを殺害して
裸体
(
らたい
)
に
剥
(
は
)
ぐと、手術台の上でバラバラに
截断
(
せつだん
)
し
爬虫館事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「詩的ですね。新体詩になりますね。なんと云う所ですか」と東風君は
裸体
(
らたい
)
が出さえすれば前へ乗り出してくる。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
生來の習慣と住居の
搆造
(
こうぞう
)
とは寒地人民の裸体を許すものなり。
習慣
(
しうくわん
)
を異にし住居を異にするアイヌとコロボツクルが
裸体
(
らたい
)
に
對
(
たい
)
する考へを等しうせざるは
怪
(
あやし
)
むに足らず。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
神職 何さ、笛、太鼓で
囃
(
はや
)
しながら、両手を
引張
(
ひっぱ
)
り、ぐるぐる廻しに、
七度
(
ななたび
)
まで引廻して突放せば、
裸体
(
らたい
)
の
婦
(
おんな
)
だ、仰向けに寝はせまい。目ともろともに、手も足も
舞
(
まい
)
踊ろう。
多神教
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
テラデルフユウゴの住民は寒地に在りても
裸体
(
らたい
)
にて生活す。彼のエスキモを見よ屋外に
出
(
い
)
づるには温き
衣服
(
いふく
)
を
纒
(
まと
)
へども屋内に入れば男女の
別
(
べつ
)
無く屡ば裸体となるに
非
(
あら
)
ずや。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
裸体
(
らたい
)
のままの
死骸
(
しがい
)
がそこにはいっているにちがいなかった。
金属人間
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
“裸体”の意味
《名詞》
裸体(らたい)
何も着ていない裸の体。裸身
(出典:Wiktionary)
“裸体(
裸
)”の解説
裸(はだか、外来語の範疇ではヌード)とは、人類が被服をまとわない状態を言う。裸体(らたい)、全裸(ぜんら)とも呼ばれる。
比喩表現の範疇では「生まれたままの姿」「素っ裸」との表現がなされる場合もある。なお、女性でトップスに被服を纏わず、ボトムスのみに被服を纏い、上半身裸になる状態はトップレスと呼ばれる。
(出典:Wikipedia)
裸
常用漢字
中学
部首:⾐
13画
体
常用漢字
小2
部首:⼈
7画
“裸体”で始まる語句
裸体画
裸体武兵衛
裸体人
裸体像
裸体姿
裸体男
裸体主義
裸体商売
裸体土偶
裸体談話