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うはべ
ふりがな文庫
“
表面
(
うはべ
)” の例文
妾
(
わたくし
)
一人だと買物をするのに何だか
定
(
きま
)
りが付かなくつて困りますのよ。
表面
(
うはべ
)
丈
(
だけ
)
でもいゝからいゝとか何とか合槌を打つて下さる方が欲しいのよ。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
肚
(
はら
)
に思案の吉蔵が、
表面
(
うはべ
)
ばかりの喜び顔『それ程までに吉蔵を、思召して下さるからは、滅多に置かぬ、狂言ながら、かうも致してみましうか』
したゆく水
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
されども世俗の
見解
(
けんげ
)
には堕ちぬ心の明鏡に照らして彼れ此れ共に愛し、
表面
(
うはべ
)
の美醜に露
泥
(
なづ
)
まれざる上人の却つて何れをとも昨日までは択びかねられしが
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
イヷンを真似たのつそりした態度がやがて
表面
(
うはべ
)
に現はれて来て、そしてある夜楢雄は
砒素
(
ひそ
)
を飲んだ。
六白金星
(新字旧仮名)
/
織田作之助
(著)
泣
(
な
)
く
事
(
こと
)
などは
大厭
(
だいきらひ
)
の
性質
(
たち
)
であるから
一同
(
いちどう
)
は
其
(
その
)
心
(
こゝろ
)
を
酌
(
く
)
んで、
表面
(
うはべ
)
に
涙
(
なみだ
)
を
流
(
なが
)
す
者
(
もの
)
などは
一人
(
ひとり
)
も
無
(
な
)
かつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
▼ もっと見る
あるひは、貴方等の目から御覧に成つたらば、
吾儕
(
わたしども
)
の
事業
(
しごと
)
は
華麗
(
はで
)
でせう。
成程
(
なるほど
)
、
表面
(
うはべ
)
は華麗です。しかし、これほど表面が華麗で、
裏面
(
うら
)
の悲惨な
生涯
(
しやうがい
)
は他に有ませうか。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
さりとては
無情
(
つれな
)
き仕打、會へば背き、言へば答へぬ意地惡るは、友達と思はずば口を
利
(
き
)
くも要らぬ事と、少し癪にさはりて、摺れ違うても物言はぬ中はホンの
表面
(
うはべ
)
のいさゝ川
一葉女史の「たけくらべ」を読みて
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
大抵の女は、
表面
(
うはべ
)
こそ処女だけれども、モウ二十歳を越すと男を知つてるから
喃
(
なあ
)
。…………
病院の窓
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
表面
(
うはべ
)
の観察ではあるが
巴里
(
パリイ
)
を観て来た目で評すると概して英国の女は
肉附
(
にくづき
)
の堅い、骨の形の透いて見える様な顔をして居て、男と同じ様な印象を受ける赤味がかつた顔が多い。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
隨つてやかましくもあらう六づかしくもあろう夫を機嫌の好い樣にとゝのへて行くが妻の役、
表面
(
うはべ
)
には見えねど世間の奧樣といふ人達の何れも面白くをかしき中ばかりは有るまじ
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
進んで答ふらく、「其の方法は五倫五常の道を守るに在ります」と。翁は頭を
振
(
ふ
)
つて曰ふ、
否々
(
いな/\
)
、そは
金看板
(
きんかんばん
)
なり、
表面
(
うはべ
)
の
飾
(
かざ
)
りに過ぎずと。因つて、左の訓言を
綴
(
つゞ
)
りて與へられたりと。
遺教
(旧字旧仮名)
/
西郷隆盛
(著)
「そんな子があるもんや。病やのう。」と其人は
表面
(
うはべ
)
では心よく喫はして呉れた。
世の中へ
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
と心に
誓
(
ちか
)
ひて
表面
(
うはべ
)
は辛抱したりし故久八は悦び
勇
(
いさ
)
み
猶々
(
なほ/\
)
心を用ひ
大切
(
たいせつ
)
にぞ
勤務
(
つとめ
)
ける
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
あなたを
挑
(
いど
)
まうとしながら
表面
(
うはべ
)
では学校のあの二人の才媛の
何方
(
どちら
)
をあなたは未来の妻にしたいと思ふかなどと云ふ話ばかりをして居たと云ふこと、あなたは第一の才媛は
容貌
(
きりやう
)
が悪いから厭だ
遺書
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
私共のことまであれも是れもとお世話下さるんですもの、
何
(
どう
)
して
阿母
(
おつかさん
)
、世間態や人前の
表面
(
うはべ
)
で、出来るのぢやありませんわねエ——近頃は又戦争が始まるとか、
忌
(
いや
)
な
噂
(
うはさ
)
ばかり高い時節ですから
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
表面
(
うはべ
)
ただ
古地図
(
ふるちづ
)
に似て
煤
(
すす
)
け
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
父は何気ないやうに、済ましてゐるやうだつたが、然し内心の苦悶は、
表面
(
うはべ
)
へ出ずにはゐなかつた。殊に、父は相手の真意を測りかねてゐるやうだつた。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
欺
(
あざむ
)
くと藤重は吾助に思はれ物をも多く
貰
(
もら
)
ひ花見
遊山
(
ゆさん
)
などに
連
(
つれ
)
らるゝを甚だ心
能
(
よく
)
は思はねども
商賣柄
(
しやうばいがら
)
なれば
愛敬
(
あいきやう
)
を失ひては成ずと
表面
(
うはべ
)
には
嬉
(
うれ
)
しき
體
(
てい
)
をなして同道せしが其折々
無理
(
むり
)
なる
戀
(
こひ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
何にかけてや
繋
(
つな
)
ぐらんと思ひきや、四五日
經
(
へ
)
て瀧口が顏に憂の色漸く去りて、今までの如く物につけ事に觸れ、思ひ煩ふ
樣
(
さま
)
も見えず、胸の嵐はしらねども、
表面
(
うはべ
)
は
槇
(
まき
)
の梢のさらとも鳴らさず
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
信吾は其話を、腹では真面目に、
表面
(
うはべ
)
はニヤ/\笑ひ乍ら聴いてゐた。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
つい気にかゝる仕事の話し故思はず様子の聞きたくて、余計な事も胸の狭いだけに饒舌つた訳、と自分が真実籠めし言葉を態と極〻軽う為て仕舞ふて、何所までも夫の分別に従ふやう
表面
(
うはべ
)
を粧ふも
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
人は私達の
表面
(
うはべ
)
を見て
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
水の
表面
(
うはべ
)
のささにごり
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
眼の前では我が
指揮
(
さしづ
)
に従ひ働くやうなれど、蔭では勝手に
怠惰
(
なまけ
)
るやら
譏
(
そし
)
るやら散〻に茶にして居て、
表面
(
うはべ
)
こそ
粧
(
つくろ
)
へ誰一人真実仕事を好くせうといふ意気組持つて仕てくるゝものは無いは、ゑゝ情無い
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
表面
(
うはべ
)
には出さぬけれど自然西山を援ける様になつて来た。
菊池君
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
“表面”の解説
表面(ひょうめん、en: surface)は、
物体の内部と外部との境界をなす面。
表裏がある物体について、表側の面。
(出典:Wikipedia)
表
常用漢字
小3
部首:⾐
8画
面
常用漢字
小3
部首:⾯
9画
“表面”で始まる語句
表面採集
表面近