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船底
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ふなぞこ
ふりがな文庫
“
船底
(
ふなぞこ
)” の例文
「ぶく/\やりたけりや
入
(
へえ
)
つた
方
(
はう
)
がえゝや」
船頭
(
せんどう
)
はそつけなくいつて
徐
(
おもむ
)
ろに
棹
(
さを
)
を
立
(
た
)
てる。
船底
(
ふなぞこ
)
が
觸
(
さは
)
つて
立
(
た
)
つて
居
(
ゐ
)
る
身體
(
からだ
)
がぐらりと
後
(
うしろ
)
へ
倒
(
たふ
)
れ
相
(
さう
)
に
成
(
な
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
其外、向ふ島の花はもう駄目になつた、横浜にある外国船の
船底
(
ふなぞこ
)
に
大蛇
(
だいぢや
)
が
飼
(
か
)
つてあつた、
誰
(
だれ
)
が鉄道で
轢
(
ひ
)
かれた、ぢやないかと云ふ。みんな新聞に出た事
許
(
ばかり
)
である。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
果
(
はて
)
は
艇舷
(
ふなべり
)
の
材木
(
ざいもく
)
でも
打碎
(
うちくだ
)
いて、
粉
(
こ
)
にして
飮
(
の
)
まんかとまで、
馬鹿
(
ばか
)
な
考
(
かんがへ
)
も
起
(
おこ
)
つた
程
(
ほど
)
で、
遂
(
つひ
)
に
日
(
ひ
)
は
暮
(
く
)
れ、
船底
(
ふなぞこ
)
を
枕
(
まくら
)
に
横
(
よこたは
)
つたが、
其
(
その
)
夜
(
よ
)
は
空腹
(
くうふく
)
の
爲
(
ため
)
に
終夜
(
しうや
)
眠
(
ねむ
)
る
事
(
こと
)
が
出來
(
でき
)
なかつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
わからなくても
戦
(
たたか
)
わねばならぬ、自分ひとりではない、ここに三人がいる、
船底
(
ふなぞこ
)
にはさらに十一人の少年がいる、
同士
(
どうし
)
のためにはけっして心配そうな顔を見せてはならぬのだ。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
遺憾
(
いかん
)
ながら電文の前の方は聞きもらしましたので途中からでありますが、こんなことを打ってきました。“——
船底
(
ふなぞこ
)
ガ大破シ、
浸水
(
しんすい
)
ハナハダシ。沈没マデ後数十分ノ余裕シカナシ。
幽霊船の秘密
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
わが
君
(
きみ
)
をはじめ、一
同
(
どう
)
はしきりに
舟子達
(
かこたち
)
を
励
(
はげ
)
まして、
暴
(
あ
)
れ
狂
(
くる
)
う
風浪
(
ふうろう
)
と
闘
(
たたか
)
いましたが、やがて
両
(
りょう
)
三
人
(
にん
)
は
浪
(
なみ
)
に
呑
(
の
)
まれ、
残余
(
のこり
)
は
力
(
ちから
)
つきて
船底
(
ふなぞこ
)
に
倒
(
たお
)
れ、
船
(
ふね
)
はいつ
覆
(
くつがえ
)
るか
判
(
わか
)
らなくなりました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
あれ/\、其の
波頭
(
なみがしら
)
が
忽
(
たちま
)
ち
船底
(
ふなぞこ
)
を
噛
(
か
)
むかとすれば、傾く船に三人が声を殺した。途端に二三
尺
(
じゃく
)
あとへ引いて、
薄波
(
うすなみ
)
を
一煽
(
ひとあお
)
り、其の形に煽るや
否
(
いな
)
や、人の立つ如く、空へ
大
(
おおい
)
なる
魚
(
うお
)
が飛んだ。
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
俺は
何船
(
なにぶね
)
だろうかと思って、傍へ往ってみると、顔の
赧
(
あか
)
い男が出て来て、好い物を見せてやろうと云うから、うっかり船へあがって往くと、そのまま
船底
(
ふなぞこ
)
の
室
(
へや
)
へ
投
(
ほう
)
り込まれて
伴
(
つ
)
れて来られた
宇賀長者物語
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
そして
毎年
(
まいとし
)
船をどっさり仕立てまして、その
船底
(
ふなぞこ
)
の
乾
(
かわ
)
くときもなく、
棹
(
さお
)
や
櫂
(
かい
)
の乾くまもなもないほどおうかがわせ申しまして、絶えず
貢物
(
みつぎもの
)
を
奉
(
たてまつ
)
り天地が
亡
(
ほろ
)
びますまで
無久
(
むきゅう
)
にお仕え申しあげます
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
村のとっつきの小さな
波止場
(
はとば
)
では、波止場のすぐ入り口で漁船がてんぷくして、
鯨
(
くじら
)
の背のような
船底
(
ふなぞこ
)
を見せているし、波止場にはいれなかったのか、道路の上にも
幾隻
(
いくせき
)
かの船があげられていた。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
船底
(
ふなぞこ
)
の水をかなしみ
太陽の子
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
船底
(
ふなぞこ
)
に
銀
(
ぎん
)
のやうな
水
(
みづ
)
が
溜
(
たま
)
つて
居
(
ゐ
)
るのを
見
(
み
)
た。
星あかり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
“船底”の意味
《名詞》
船体の底の部分。また、そのような形をしたもの。
(出典:Wiktionary)
船
常用漢字
小2
部首:⾈
11画
底
常用漢字
小4
部首:⼴
8画
“船底”で始まる語句
船底枕
船底潜
船底下駄
船底椅子