秀吉ひできち)” の例文
たとえば、きかん坊主ぼうず秀吉ひできちが、先生せんせいにしかられて、この運動場うんどうじょうたされたとき、かれかなしくなって、しそうになりました。
学校の桜の木 (新字新仮名) / 小川未明(著)
平次は曲者くせものを引起すと、その身体の泥などを払ってやっております。五位鷺ごいさぎ秀吉ひできちというやくざ者、賭博打ばくちうちの兇状持ですが、大した悪い事をする人間とは思われません。
かえったら、どうしたんだか、きいてみようか。」と、けんちゃんがこたえました。こうして、二人ふたり秀吉ひできちうえ同情どうじょうしたのでした。
さか立ち小僧さん (新字新仮名) / 小川未明(著)
「だんだん、ほんとうのきみがでて、おもしろくなるね。」と、わか先生せんせいは、なにをから見取みとったものか、秀吉ひできち勇気ゆうきづけました。
天女とお化け (新字新仮名) / 小川未明(著)
炭焼すみやきじいさんの、まご秀吉ひできちは、よく祖父そふ手助てだすけをして、やまからたわらはこぶために、村端むらはずれ坂道さかみちのぼったり、くだったりしました。
しいたげられた天才 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「は、は、は、なんでも、ひとのできないことを、するのでなくちゃ、だめなのさ。」と、秀吉ひできちは、自信じしんありげに、いいました。
さか立ち小僧さん (新字新仮名) / 小川未明(著)
にいた、おおくのどもたちにも、そのはなしがわかるので、みんなかがやかしながら、秀吉ひできちかおつめて、いていました。
さか立ち小僧さん (新字新仮名) / 小川未明(著)
「どこへいったかな。ペスはもうおらないよ。」と、秀吉ひできちばたへもどるとあにました。あにしたをむいて、だまっていました。
ペスときょうだい (新字新仮名) / 小川未明(著)
秀吉ひできちはびっくりしたというより、あてがちがって、べつ世界せかいびこんだごとく、後悔こうかいさきち、とまどいしてしまいました。
しいたげられた天才 (新字新仮名) / 小川未明(著)
真夜中まよなかごろでした。秀吉ひできちはふとをさますと、あにをおこさないようにそっととこからぬけだして、犬小屋いぬごやへいってみました。
ペスときょうだい (新字新仮名) / 小川未明(著)
ある秀吉ひできちのかいた自由画じゆうがは、これまでになかった特異とくいのものです。少年しょうねんらしい人間にんげん雪中せっちゅうもれてたおれていました。
天女とお化け (新字新仮名) / 小川未明(著)
「さあ、どちらかなあ。」と、秀吉ひできちは、くちごもって、かれかおあかくして、最初さいしょ質問しつもんに、自分じぶんがわからなくなりました。
しいたげられた天才 (新字新仮名) / 小川未明(著)
秀吉ひできちをあけたときは、もうペスのかげはそこになかったのです。ただしきりとふるゆきが、すきまをもれるともしびにてらされたばかりでした。
ペスときょうだい (新字新仮名) / 小川未明(著)
ある秀吉ひできちは、ケーにいわれるまま、かれいえあそびによったのでした。学校がっこうでもケーは、よくできるという評判ひょうばんでした。
天女とお化け (新字新仮名) / 小川未明(著)
おとこが、くものでない。さあ、わたしのそばへおいで。」といって、ふと自分じぶんからだ秀吉ひできちささえてくれました。
学校の桜の木 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おとうと秀吉ひできちは、よくねむっているとみえて、二かいはしんとしていました。よいのうちはみんながはなしをしていたちゃの、はしらにかかっている時計とけいは、やがて二ちました。
火事 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おとうと秀吉ひできちは、こういうと同時どうじきて、障子しょうじけ、まど雨戸あまどりました。
火事 (新字新仮名) / 小川未明(著)