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瞽女
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ごぜ
ふりがな文庫
“
瞽女
(
ごぜ
)” の例文
いかなれば我は自ら待つことの
寛
(
ゆる
)
くして、人を責むることの酷なりしぞ。われ若し再び
瞽女
(
ごぜ
)
に逢はば唯だ地上に跪いてこれに謝せん。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
「
俺
(
お
)
ら
其
(
そ
)
の
手拭
(
てぬげ
)
被
(
かぶ
)
つてこつち
向
(
む
)
いてる
姐樣
(
あねさま
)
こと
寄
(
よ
)
せて
見
(
み
)
てえもんだな」
立
(
た
)
ち
塞
(
ふさ
)
がつた
陰
(
かげ
)
から
瞽女
(
ごぜ
)
の
一人
(
ひとり
)
へ
揶揄
(
からか
)
つていつたものがある。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
又盲僧・
瞽女
(
ごぜ
)
の芸、性欲の殊に穢い方面を誇張した「身ぶり芸」も行はれた事が知れる。
尤
(
もつとも
)
、まじめな曲舞なども交つてゐたに違ひない。
国文学の発生(第四稿):唱導的方面を中心として
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
「横町の
瞽女
(
ごぜ
)
が嫁に行く話なら知つてるぜ。相手は知らないが、八五郎でないことは確かだ。今更文句を言つたつて手遲れだよ八。
諦
(
あきら
)
めるが宜い」
銭形平次捕物控:148 彦徳の面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
訊けばこれが有名な越後の
瞽女
(
ごぜ
)
である相だ。收穫前の一寸した農閑期を狙つて稼ぎに出て來て、雪の來る少し前に斯うして歸つてゆくのだといふ。
みなかみ紀行
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
▼ もっと見る
気にかけないものだというと、
瞽女
(
ごぜ
)
が
背負
(
しょ
)
った三味線箱、たといお前が
藁
(
わら
)
づつみの短刀を、
引抱
(
ひっかか
)
えて
歩行
(
ある
)
いた処で、誰も目をつけはしないもんだが。
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
たとえば信州では
稀
(
まれ
)
に道徳の堅固でないものがあると、それはみな旅の
瞽女
(
ごぜ
)
、越後のゴゼということにきまっていた。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
村の或家さ
瞽女
(
ごぜ
)
がとまったから聴きにゆかないか、
祭文
(
さいもん
)
がきたから聴きに行こうのと近所の女共が誘うても、民子は何とか断りを云うて決して家を出ない。
野菊の墓
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
縁日の事からもう一人私の記憶に浮び
出
(
いづ
)
るものは、
富坂下
(
とみざかした
)
の
菎蒻閻魔
(
こんにゃくえんま
)
の近所に住んでいたとかいう
瞽女
(
ごぜ
)
である。
伝通院
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
二葉亭は
手拭
(
てぬぐい
)
を
姉
(
あね
)
さん
被
(
かぶ
)
りにして
箒
(
ほうき
)
を
抱
(
かか
)
え、
俯向
(
うつむ
)
き加減に白い眼を
剥
(
む
)
きつつ、「
処
(
ところ
)
、青山百人町の、鈴木
主水
(
もんど
)
というお
侍
(
さむら
)
いさんは……」と
瞽女
(
ごぜ
)
の
坊
(
ぼう
)
の身振りをして
二葉亭余談
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
まんじゅう売り、
心太
(
ところてん
)
売り、
数珠
(
じゅず
)
屋、酒売り、
瞽女
(
ごぜ
)
の
莚
(
むしろ
)
、放下師、足駄売り、鏡
研
(
と
)
ぎ、庖丁師、何の前にでも、一応はちょっと
佇
(
たたず
)
んで、またせかせかと歩きだした。
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
木枯に鳴る落葉と言おうか、家路を急ぐ
瞽女
(
ごぜ
)
の杖といおうか、例えば身軽な賊の忍ぶような。
釘抜藤吉捕物覚書:06 巷説蒲鉾供養
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
柳里恭は乞食の茶を飲んだり、馬上に
瞽女
(
ごぜ
)
の三味線を弾いたり、あらゆる奇行を
恣
(
ほしいまま
)
にした。或は恣にしたと伝へられてゐる。けれども巽斎に関する伝説は少しも常軌を逸してゐない。
僻見
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
孩児
(
がいじ
)
の頃より既に音律を好み、三歳、痘を病んで全く失明するに及び、いよいよ琴に対する盲執を深め、九歳に至りて隣村の
瞽女
(
ごぜ
)
お菊にねだって正式の琴三味線の修練を開始し、十一歳
盲人独笑
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
一人は
瞽女
(
ごぜ
)
、もう一人は琵琶師、もう一人は飴屋、更に、居合抜に扮したもの、更に
独楽師
(
こまし
)
に扮したもの、又は大工又は屑屋、後の二人は商人風に、縞の衣裳を着ていたが、いずれも鋭い眼光や
大捕物仙人壺
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
寒げなる筵の上に手を重ね
瞽女
(
ごぜ
)
ぞいませる心覗けば
晶子鑑賞
(新字旧仮名)
/
平野万里
(著)
さうして
座敷
(
ざしき
)
の
隅
(
すみ
)
に
居
(
ゐ
)
た
瞽女
(
ごぜ
)
が
代
(
かは
)
つて
三味線
(
さみせん
)
の
袋
(
ふくろ
)
をすつと
扱
(
こ
)
きおろした
時
(
とき
)
巫女
(
くちよせ
)
は
荷物
(
にもつ
)
の
箱
(
はこ
)
を
脊負
(
しよ
)
つて
自分
(
じぶん
)
の
泊
(
とま
)
つた
宿
(
やど
)
へ
歸
(
かへ
)
つて
行
(
い
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
嶺
(
いたゞき
)
は深く烟霧の
裏
(
うち
)
に隱れて、われに送別の意を表せんともせざる如し。
是日
(
このひ
)
海原はいと靜にして、又我をして洞窟と
瞽女
(
ごぜ
)
との夢を想はしむ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
「冗談ぢやありませんよ。横町の
瞽女
(
ごぜ
)
はあゝ見えても金持だ。こちとらには鼻も引つかけちやくれませんよ、へツへツ」
銭形平次捕物控:148 彦徳の面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
訊けばこれが有名な越後の
瞽女
(
ごぜ
)
であるそうだ。収穫前の一寸した農閑期を覗って稼ぎに出て来て、雪の来る少し前に斯うして帰ってゆくのだという。
みなかみ紀行
(新字新仮名)
/
若山牧水
(著)
九州の盲僧などと比べてみて、仏寺の勢力の及ばなかったのが興味ある一つの特色であった。だから
瞽女
(
ごぜ
)
たちは儀式にも経は読まず、ただ
段物
(
だんもの
)
の長い叙事詩を語った。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
あんまり仕合せがよいというので、
小面憎
(
こづらにく
)
く思った
輩
(
やから
)
はいかにも面白い話ができたように話している。村の酒屋へ
瞽女
(
ごぜ
)
を留めた夜の話だ。瞽女の
唄
(
うた
)
が済んでからは省作の噂で持ち切った。
春の潮
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
「……風体を、ごらんなさいよ。ピイと吹けば
瞽女
(
ごぜ
)
さあね。」
開扉一妖帖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
瞽女
(
ごぜ
)
に扮した浪士の一人が、そこで三味線を押しやった。
大捕物仙人壺
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「
目
(
め
)
も
見
(
め
)
えねえのにさうだに
押廻
(
おしまは
)
すなえ」
瞽女
(
ごぜ
)
の
後
(
あと
)
に
跟
(
つ
)
いて
座敷
(
ざしき
)
の
端
(
はし
)
まで
割込
(
わりこ
)
んで
來
(
き
)
た
近所
(
きんじよ
)
の
爺
(
ぢい
)
さんさんがいつた。
若
(
わか
)
い
衆等
(
しゆら
)
は
只
(
たゞ
)
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「さう/\變な話を持つて來たんだね。
瞽女
(
ごぜ
)
の嫁入りの話でないとすると、叔母さんがお小遣ひでもくれたといふのか」
銭形平次捕物控:148 彦徳の面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
彼洞窟は今カプリ島の第一勝、否伊太利國の第一勝たる
琅玕洞
(
らうかんどう
)
(グロツタ、アツウラ)にして、舟中の少女も亦實にかのペスツムの
瞽女
(
ごぜ
)
ララなりしなり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
「横町の
瞽女
(
ごぜ
)
が嫁に行く話なら知ってるぜ。相手は知らないが、八五郎でないことは確かだ。今さら文句を言ったって手遅れだよ八。
諦
(
あきら
)
めるがいい」
銭形平次捕物控:148 彦徳の面
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
それは
瞽女
(
ごぜ
)
のお石がふっつりと村へ姿を見せなくなったからであった。彼がお石と馴染んだのは足かけもう二十年にもなる。秋のマチというと一度必ず隊伍を組んだ瞽女の群が村へ来る。
太十と其犬
(新字新仮名)
/
長塚節
(著)
“瞽女”の解説
瞽女(ごぜ)は、日本の女性の盲人芸能者を意味する歴史的名称。その名は「盲御前(めくらごぜん)」という敬称に由来する。
近世までにはほぼ全国的に活躍し、20世紀には新潟県を中心に北陸地方などを転々としながら三味線、ときには胡弓を弾き唄い、門付巡業を主として生業とした旅芸人である。女盲目(おんなめくら)と呼ばれる場合もある。時にやむなく売春をおこなうこともあった。
(出典:Wikipedia)
瞽
漢検1級
部首:⽬
18画
女
常用漢字
小1
部首:⼥
3画
“瞽女”で始まる語句
瞽女唄
瞽女町
瞽女等
瞽女節
瞽女被