ほん)” の例文
新字:
(笑ふ)戲談じゃうだんいまとなってほんことになったとおもふと! ほんに/\、千ねんきたとても、これがわすれられることかいな。
あら、しつとりしてるわ、夜露よつゆひどいんだよ。ぢかにそんなものにこしけて、あなたつめたいでせう。ほんとに養生深やうじやうぶかかたが、それ御病氣ごびやうき擧句あげくだといふし、わるいわねえ。
三尺角拾遺:(木精) (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
『おや然う。まあ甚麽どんなにか宅ぢや御世話樣になりましたか、ほんに遠い所をよく入來いらつしやつた。まあ/\お二人共自分の家へ來た積りで、ゆつくり見物でもなさいましよ。』
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
「滅多に傍へ寄せないが、鼻をかんだ紙へ黒いものがべつとり、ほん物のひげなら、鼻をかむ度毎に落ちる筈もありません。その上、あの聲だつて、猫撫で聲の裏聲で、餘つ程變ですよ」
お前みたやうのが百人中間に有たとて少とも嬉しい事は無い、着きたい方へ何方へでも着きねへ、己れは人は頼まないほんの腕ッこで一度龍華寺とやりたかつたに、他處へ行かれては仕方が無い
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
聞直八それ高價たかいわしは百姓のことだから身にはすこしかまひは無い見てくれさへよければいゝほんの御祝儀しうぎざしもうちつと負て下さい道具屋否々いへ/\此品はかた代物しろものなれば夫よりは少しもひけやせんと是より暫時しばし直段ねだん押引おしひき
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
不運ふうん人達ひとたちておりゃる地盤グラウンドだけはえるが、この不運ふうんほん原因グラウンドは、ようしらべてぬうちはわからぬわい。
ほんとにどくですよ、えるとわるいからつていらつしやい、つていらつしやいよ。そのはうましですよ。」
三尺角拾遺:(木精) (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
まへみたやうのが百にん中間なかまあつたとてちつともうれしいことい、きたいはう何方どこへでもきねへ、れはひとたのまないほんうでッこで一龍華寺りうげじとやりたかつたに、他處よそかれては仕方しかた
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
然し、それは言ふまでもなくほんの其の時の思ひ附きだつた。
我等の一団と彼 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
ヂュリ ほんこと讒訴ざんそとははれぬ、ましてこれは後言かげごとではない、ぢかかほむかうてうてゐるのぢゃもの。
何有なあにほんの些とした事ですがね。』と、森川は笑つてゐる。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
ほんうでごあんす。』と、お定は口を噤んで了つた。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
ほんにせえ。』とお定も言つた。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)