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榛名
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はるな
ふりがな文庫
“
榛名
(
はるな
)” の例文
傘をさして散歩に出ると、到る
処
(
ところ
)
の桑畑は青い波のように雨に烟っている。
妙義
(
みょうぎ
)
の山も西に見えない、
赤城
(
あかぎ
)
榛名
(
はるな
)
も東北に
陰
(
くも
)
っている。
磯部の若葉
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
上州の
妙義
(
みょうぎ
)
・
榛名
(
はるな
)
でも猟師・木樵の徒、山中でこの物を見るときは畏れてこれを避けたと、『
越人関弓録
(
えつじんかんきゅうろく
)
』という書には説いてある。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
その最も力のある団体が、
榛名
(
はるな
)
、赤城、
秩父
(
ちちぶ
)
、甲府にわたる無人の地を所さだめずに
棲
(
す
)
んで移る
山岳切支丹族
(
さんがくきりしたんぞく
)
の仲間の者であるのです。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「そのはずさ。今日は
榛名
(
はるな
)
から
相馬
(
そうま
)
が
嶽
(
たけ
)
に上って、それから
二
(
ふた
)
ツ
嶽
(
だけ
)
に上って、
屏風岩
(
びょうぶいわ
)
の下まで来ると迎えの者に会ったんだ」
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
諸君の知っている通り、戦艦『
金剛
(
こんごう
)
』や『
榛名
(
はるな
)
』の装甲は八吋(二〇・三糎)だから、『最上』の方が強いわけである。
昭和遊撃隊
(新字新仮名)
/
平田晋策
(著)
▼ もっと見る
摩耶
(
まや
)
、
霧島
(
きりしま
)
、
榛名
(
はるな
)
、
比叡
(
ひえい
)
が
竜城
(
りゅうじょう
)
、
鳳翔
(
おうしょう
)
の両航空母艦を
従
(
したが
)
え、これまた全速力で押し出し、その両側には、帝国海軍の奇襲隊の花形である潜水艦隊が十隻
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
彼にはまた、久しぶりで山地に近い温泉場まで行き、
榛名
(
はるな
)
妙義
(
みょうぎ
)
の山岳を汽車の窓から望み、山気に包まれた高原や深い
谿谷
(
けいこく
)
に接するという楽みがあった。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
負けず劣らず酷いのが、
伊香保
(
いかほ
)
を中心として
榛名
(
はるな
)
をめぐって、前橋、高崎あたりを襲うやつ。この辺のは、ガラガラゴロゴロなぞという
生易
(
なまやさ
)
しい音ではない。
雷嫌いの話
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
群馬県に入りますと、
赤城
(
あかぎ
)
、
榛名
(
はるな
)
、
妙義
(
みょうぎ
)
の三山が目に
映
(
うつ
)
ります。
麓
(
ふもと
)
に高崎や前橋の如き大きな町はありますが、その山間で一番興味のある古い町は
沼田
(
ぬまた
)
でありましょう。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
雪に光る日光の連山、羊の毛のように白く
靡
(
なび
)
く浅間ヶ嶽の
煙
(
けむり
)
、
赤城
(
あかぎ
)
は近く、
榛名
(
はるな
)
は遠く、
足利
(
あしかが
)
付近の連山の複雑した
襞
(
ひだ
)
には夕日が絵のように美しく光線をみなぎらした。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
渋川から、
伊香保
(
いかほ
)
街道に添うて、道もない裏山を、
榛名
(
はるな
)
にかかった。一日、一晩で、やっと榛名を越えた。が、榛名を越えてしまうと、
直
(
す
)
ぐ其処に
大戸
(
おおど
)
の御番所があった。
入れ札
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
西から西北へかけて
榛名
(
はるな
)
、妙義、浅間、矢筈(浅間隠)四阿の諸山は鮮かであるが、四阿山から右は嵐もようの雲が立ち騒いで、近い武尊山も前武尊の外は、頂上が隠れている。
皇海山紀行
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
左手に
赤城
(
あかぎ
)
、
榛名
(
はるな
)
の山を眺め、あれが赤城の地蔵岳だの、やれあれが
伊香保
(
いかほ
)
の何々山だのと語りながら馬を進ませたが、次第に路が
嶮岨
(
けんそ
)
になって、馬が
躓
(
つま
)
ずいたり止まったりすると
本州横断 痛快徒歩旅行
(新字新仮名)
/
押川春浪
、
井沢衣水
(著)
妙義も、
榛名
(
はるな
)
も、秩父を除いては見ることも答えることもできないほど微かに、信濃なる浅間の山に立つ煙がのぼるのを眺めた時に、心ある人は
碓氷峠
(
うすいとうげ
)
の風車を思い出して泣きます。
大菩薩峠:20 禹門三級の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「霜月に入ると寒気が厳しくなります。
榛名
(
はるな
)
、赤城と真向から
吹颪
(
ふきおろ
)
すのが、俗に上州風と申して
凛烈
(
りんれつ
)
なものでござります。拙者どもは馴れておりますが先生には御迷惑でござりましょう」
夜明けの辻
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
一人でそうきめたうらには、安中だの松井田だの、円朝の『
榛名
(
はるな
)
の梅が香』に出て来るそのあたりの、寂しい火の消えたような光景の自らわたしにさしぐまれるもののあったことは
勿論
(
もちろん
)
だ……
春深く
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
十二月二十九日に
榛名
(
はるな
)
丸に
門司
(
もじ
)
で乗船して帰国の途に
就
(
つ
)
かれたのでしたが、それらの間に夫人とともに諸所の風光に接し、また東洋の芸術を見て驚異の感に打たれられたようでもありました。
アインシュタイン教授をわが国に迎えて
(新字新仮名)
/
石原純
(著)
里人の往来、
小車
(
おぐるま
)
のつづくの、田草を採る村の娘、
稗
(
ひえ
)
を
蒔
(
ま
)
く男、
釣
(
つり
)
をする老翁、犬を打つ
童
(
わらべ
)
、左に流れる刀根川の水、前に
聳
(
そび
)
える
筑波山
(
つくばやま
)
、北に盆石のごとく見える妙義山、隣に重なッて見える
榛名
(
はるな
)
初恋
(新字新仮名)
/
矢崎嵯峨の舎
(著)
「僕は君と
榛名
(
はるな
)
へでも登つて、死ぬ事を空想してたンだがね……」
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
曾遊
(
そうゆう
)
の
榛名
(
はるな
)
、
赤城
(
あかぎ
)
の山々は、夕の空に
褪赭
(
たいしゃ
)
色ににじんでいた。
雪の武石峠
(新字新仮名)
/
別所梅之助
(著)
かつて余が上州
榛名
(
はるな
)
山に登ったとき、榛名神社を参拝した。
迷信と宗教
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
巓
(
いたゞき
)
の裏行く低き冬の雲
榛名
(
はるな
)
の
湖
(
うみ
)
は山のうへの
湖
(
うみ
)
黒檜
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
上野
(
かうづけ
)
榛名
(
はるな
)
山上榛名湖にて。
樹木とその葉:19 なまけ者と雨
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
妙義
(
みょうぎ
)
の山も西に見えない。
赤城
(
あかぎ
)
、
榛名
(
はるな
)
も東北に陰っている。
蓑笠
(
みのかさ
)
の人が桑を
荷
(
にな
)
って忙がしそうに通る、馬が桑を重そうに積んでゆく。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
後閑
(
ごかん
)
の間道から風戸峠へと、やがて、
悍馬
(
かんば
)
は死にもの狂いでのぼってゆく。——一面の鏡のように、やがて遙かに
榛名
(
はるな
)
の
湖
(
うみ
)
が見えてくると
篝火の女
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼は、草津へ行った連中とは、反対に
榛名
(
はるな
)
の西南の
麓
(
ふもと
)
を目ざして、ぐんぐん山を降りかけた。
入れ札
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
途次
(
みちみち
)
技手は私を顧みて、ある小説の中に、
榛名
(
はるな
)
の朝の飛雲の赤色なるを記したところが有ったと記憶するが、飛雲は低い処を行くのだから、赤くなるということは
奈何
(
いかが
)
などと話した。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
戦艦『
長門
(
ながと
)
』『
陸奥
(
むつ
)
』『
日向
(
ひゅうが
)
』『
伊勢
(
いせ
)
』『
山城
(
やましろ
)
』『
扶桑
(
ふそう
)
』『
榛名
(
はるな
)
』『
金剛
(
こんごう
)
』『
霧島
(
きりしま
)
』。『
比叡
(
ひえい
)
』も水雷戦隊にかこまれているぞ。『山城』『扶桑』は大改造したので、すっかり形が変っている。
昭和遊撃隊
(新字新仮名)
/
平田晋策
(著)
羽生の寺の本堂の裏から見た
秩父
(
ちちぶ
)
連山や、浅間嶽の
噴煙
(
ふんえん
)
や
赤城
(
あかぎ
)
榛名
(
はるな
)
の
翠色
(
すいしょく
)
にはまったく遠ざかって、利根川の土手の上から見える日光を
盟主
(
めいしゅ
)
とした
両毛
(
りょうもう
)
の連山に夕日の当たるさまを見て暮らした。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
妙義、浅間、
榛名
(
はるな
)
の三山のふところに囲まれているようなこの城の地の理には、武田勢も手をやいてしまったらしい。
篝火の女
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
峰から峰へ渡る幾百羽と云う小鳥の群が、
黄
(
きいろ
)
い翼をひらめかしながら、九郎助の頭の上を、ほがらかに鳴きながら通っている。行手には
榛名
(
はるな
)
が、空を
劃
(
くぎ
)
って蒼々と
聳
(
そび
)
えていた。
入れ札
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
伊豆の海の暖潮を抱いている山
陰
(
かげ
)
や、侍小路の土塀のうえには、
柑橘
(
かんきつ
)
の実が真っ黄いろに
熟
(
う
)
れていて、やはりここは赤城や
榛名
(
はるな
)
の吹きおろしに
曝
(
さら
)
されている上州平野よりは
篝火の女
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
榛
漢検準1級
部首:⽊
14画
名
常用漢字
小1
部首:⼝
6画
“榛名”で始まる語句
榛名山
榛名湖
榛名梅香団扇画
榛名丸
榛名様
榛名詣