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晴着
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はれぎ
ふりがな文庫
“
晴着
(
はれぎ
)” の例文
二度とは着ないと思われる——そして実際着なかった——
晴着
(
はれぎ
)
を着て座を立った母上は内外の母親の眼の前でさめざめと泣き崩れた。
小さき者へ
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
三が日の
晴着
(
はれぎ
)
の
裾
(
すそ
)
踏み開きて
走
(
は
)
せ来たりし小間使いが、「御用?」と手をつかえて、「
何
(
なん
)
をうろうろしとっか、
早
(
はよ
)
玄関に行きなさい」
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
晴着
(
はれぎ
)
を着た、女中のやうな
裝
(
なり
)
をした、お
内儀
(
かみ
)
さん風の、まだ若くて大層
縹緻
(
きりやう
)
のよい、髮と眼の黒い、
活々
(
いき/\
)
とした顏色の女だ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
あの、筆をもてば、
倏忽
(
たちどころ
)
に想をのせて走る
貴
(
とうと
)
い指さきは、一寸の針をつまんで他家の新春の
晴着
(
はれぎ
)
を裁縫するのであった。
樋口一葉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
村で一番の金持らしい大きな
家
(
うち
)
の庭に、幕を張りまはして、祭壇をこさへて、そして村人たちはみな
晴着
(
はれぎ
)
をきて、忙しさうに
往
(
い
)
つたり来たりしてゐます。
エミリアンの旅
(新字旧仮名)
/
豊島与志雄
(著)
▼ もっと見る
その
中
(
なか
)
でもとりわけ
立派
(
りつぱ
)
な
總縫模樣
(
そうぬいもやう
)
の
晴着
(
はれぎ
)
がちらと、
塀
(
へい
)
の
隙
(
すき
)
から、
貧乏
(
びんぼう
)
な
隣家
(
となり
)
のうらに
干
(
ほ
)
してある
洗晒
(
あらひざら
)
しの、ところどころあてつぎ などもある
單衣
(
ひとへもの
)
をみて
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
尤も一枚こっきりのいわゆる
常上着
(
じょうじょうぎ
)
の
晴着
(
はれぎ
)
なしであったろうが、
左
(
と
)
に
右
(
か
)
くリュウとした
服装
(
なり
)
で、
看板法被
(
かんばんはっぴ
)
に
篆書崩
(
てんしょくず
)
しの齊の字の付いたお
抱
(
かか
)
え然たる
俥
(
くるま
)
を
乗廻
(
のりまわ
)
し
斎藤緑雨
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
アイピング村では、朝はやくから村じゅうの年よりも若いものも
晴着
(
はれぎ
)
を
着
(
き
)
かざって、うきうきしていた。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
ヂュリ あい、
其
(
その
)
晴着
(
はれぎ
)
が
最
(
いっ
)
ち
佳
(
よ
)
い。それはさうと、
乳母
(
うば
)
や、
今宵
(
こよひ
)
は
予
(
わし
)
をどうぞ
一人
(
ひとり
)
で
寢
(
ね
)
かしてくりゃ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
私が
夕飯
(
ゆうめし
)
に呼び出されたのは、それから三十分ばかり
経
(
た
)
った
後
(
あと
)
の事でしたが、まだ奥さんとお嬢さんの
晴着
(
はれぎ
)
が脱ぎ
棄
(
す
)
てられたまま、次の室を乱雑に
彩
(
いろど
)
っていました。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
おまえが今見たのは日曜日の
晴着
(
はれぎ
)
を着た金持の菓子屋のおかみさんが、
薔薇
(
ばら
)
香水か何かをこしらえるために使ったあきびんを窓の張り出しに置いただけのことだとささやき始めた。
世界怪談名作集:10 廃宅
(新字新仮名)
/
エルンスト・テオドーア・アマーデウス・ホフマン
(著)
髪の毛はぺしゃんこになり、日曜の
晴着
(
はれぎ
)
から
滴
(
しずく
)
がたれている。そこで、びしょ
濡
(
ぬ
)
れの彼は、着物を着替えさせてくれるか、日に当たって
乾
(
かわ
)
くか、そのどっちかを待っているのである。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
そのままいれば、婦人の
晴着
(
はれぎ
)
は、三輪車のため、ざぶり泥水をかけられ、めちゃくちゃになってしまう。房枝は、自分の身を忘れ、大ごえをあげて、危険せまる婦人の方へかけていった。
爆薬の花籠
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そこには、おおぜい、
晴着
(
はれぎ
)
を着かざった人がいました、でも、そのなかで目立ってひとりうつくしいのは、大きな黒目をしたわかい王子でした。王子はまだ満十六歳より上にはなっていません。
人魚のひいさま
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
母親が子どもたちに祭の
晴着
(
はれぎ
)
をきせている。
病む子の祭
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
晴着
(
はれぎ
)
の
場所
(
ばしよ
)
へは
向
(
む
)
かない。これは
彼
(
かれ
)
を
蔑
(
さげす
)
み、
彼
(
かれ
)
はこれを
憤
(
いきどほ
)
る。こんなことが、一
體
(
たい
)
あつてよいものか
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
鴨川
(
かもがわ
)
の水は、来春の
晴着
(
はれぎ
)
を、
種々
(
いろいろ
)
と、いろいろの人のを染めるなかに、この新郎新婦の結婚着も染められたのだ。年の瀬と共に川の水はそんなことも流してもいたのだ。
モルガンお雪
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
あゝ、
待
(
ま
)
つ
間
(
ま
)
がもどかしい、
祭
(
まつり
)
の
前
(
まへ
)
の
晩
(
ばん
)
に
氣
(
き
)
をいらつ
子供
(
こども
)
のやうに、
製
(
こしら
)
へて
貰
(
もら
)
うた
晴着
(
はれぎ
)
はあっても、
被
(
き
)
ることが
成
(
な
)
らぬので。……おゝ、あれ、
乳母
(
うば
)
が。きっと
消息
(
しらせ
)
ぢゃ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
どうも
此
(
こ
)
の
喧嘩
(
けんくわ
)
は
解
(
わか
)
らない。
晴着
(
はれぎ
)
は
晴着
(
はれぎ
)
でよいではないか。また、
單衣
(
ひとへもの
)
は
單衣
(
ひとへもの
)
でよいではないか。
晴着
(
はれぎ
)
は
晴着
(
はれぎ
)
。
單衣
(
ひとへもの
)
は
單衣
(
ひとへもの
)
。
晴着
(
はれぎ
)
がいくら
立派
(
りつぱ
)
でも
單衣
(
ひとへもの
)
の
役
(
やく
)
には
立
(
た
)
たない。
單衣
(
ひとへもの
)
もそうだ。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
こんな女に相談をかけるとはと、秋田氏をさえ
怨
(
うら
)
めしく思った。死んだ女は詩のない人であったが、その最後は美しく
化粧
(
けわい
)
して
去
(
い
)
ったというではないか、私は彼女に、第一の
晴着
(
はれぎ
)
が着せたかった。
松井須磨子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
晴
常用漢字
小2
部首:⽇
12画
着
常用漢字
小3
部首:⽬
12画
“晴”で始まる語句
晴
晴々
晴衣
晴天
晴間
晴朗
晴季
晴渡
晴明
晴夜