斷食だんじき)” の例文
新字:断食
ピエルは金銀なきに、我は祈りと斷食だんじきとをもて、わざを始め、フランチェスコは身をひくうしてそのつどひを起せり 八八—九〇
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
ながらくひでりつゞいたので、ぬまみづれさうになつてきました。雜魚ざこどもは心配しんぱいしてやま神樣かみさまに、あめのふるまでの斷食だんじきをちかつて、熱心ねつしんいのりました。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
うちうちしんとして折々おり/\溜息ためいきこゑのもれるにわたしられるよりなさけなく、今日けふは一日斷食だんじきにせうとちゝの一こといひすまではしのんでいきをつくやうで御座ござんした。
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
判斷はんだんなして此上信心しんじん肝要かんえうなりと申しけるにお專も大いに心配しんぱいなし然らば明日より鹽斷しほだちなり斷食だんじきなりして信心を致しお前の身に凶事きようじなきやうに致さんと夫婦は來方こしかた行末ゆくすゑ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
そられたる斷食だんじきの日、尼寺あまでら童貞どうていこぞりて運河に船の行くを眺めたり。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
これからは又々また/\斷食だんじきこのむなしくれてつたが、かんがへると此後このゝち吾等われら如何いかになることやら、絶望ぜつぼう躍氣やつきとに終夜しゆうやねむらず、翌朝よくてうになつて、あかつきかぜはそよ/\といて、ひがしそらしらんでたが
片言かたことをいふ間斷食だんじきを守る者も、舌ゆるむ時至れば、いかなる月の頃にてもすべての食物くひものを貪りくらひ 一三〇—一三二
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
祖父ぢゞいは四かくをばんだひとでござんす、つまりはわたしのやうな氣違きちがひで、ゑきのない反古紙ほごがみをこしらへしに、はんをばおかみからめられたとやら、ゆるされぬとかに斷食だんじきしてんださうに御座ござんす
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
請ふ語りてわが大いなる斷食だんじきを破れ、地上に食物くひものをえざりしため我久しくゑゐたればなり 二五—二七
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)